猫語のノート (ちくま文庫 き 12-3)

  • 筑摩書房
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本棚登録 : 185
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480433640

作品紹介・あらすじ

猫たちのつぶやきを集めた小さなノート。その時の猫たちの思いが写真とともに1冊になった。カラー写真多数の『猫語の教科書』姉妹篇。解説 大島弓子・角田光代

感想・レビュー・書評

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  • ポール・ギャリコは39歳になるときニューヨークからイギリスのデボン州のログハウスに引っ越し、そこでありとあらゆる種類の猫27匹とグレートデン犬を一頭飼ったそうです。
    その後都会化の波を避けて世界中を転々としたそうです。

    この本はギャリコの書いた猫の詩に、写真家の西川治さんの撮った猫の写真が添えられています。
    詩と写真がぴったりマッチして猫の写真はどれも愛らしいです。
    猫は一匹一匹、性格も個性も違うそうで、その中で少しの解ったことをお伝えしましょうとギャリコは言っています。

    〇人間と猫とは、はなから平等ではないのだ。猫を飼っているあなたは、猫に快適な生活をさせる義務がある。だが、猫のほうは、あなたに対してどのような返済の義務も負ってはいないのだ。これが頭に入ってさえいれば「猫が裏切った」などというまちがいを口にしなくてすむ。
    〇どれほど猫を賛美していても、猫の仲間になれるわけではない。
    〇基本的に猫はお返しの約束をしていない。ところがあるとき、それもいちばんありえそうにないときに、猫は突然あふれるほどのお返しをくれることがあるということ。

    私も16年間猫と暮らしていましたが、猫が体調を崩し、寝込んで今にも黄泉の国へと旅立とうという時です。私が隣で猫の名前を呼びながら涙を流していたら、猫が急に立ち上がり、私を慰めるかのようにちょこんと座ったのです(涙)。そして、いいよいよ旅立つとき、私は別室で用事をしていて、側についていてやれなかったのですが、ひと声高く、ミャアと呼びかけるように鳴いてから旅立ちました。

    うちの猫はほっぺたが時々腫れるので、その度に病院に化膿止めの注射をしに連れていっていました。そうすると、気分がよくなるらしく、次の日は、毎回ネズミや金魚(元ノラ猫なので、よそのお宅に入って獲るらしいのです。全くねー)を嬉しそうに庭に持ってきて見せに来るのでした。そんなことを思い出しました。


    「チョウチョ、だいすき」
    チョウチョは、猫が遊ぶためのものだよ。
    チョウチョはとってもきまぐれだから
    あっちへひらひら、こっちへひらひら。
    どこに行くのか、わかんない。
    だから遊ぶのが楽しいんだよ。
    チョウチョがきまぐれじゃなかったら
    あんまりおもしろくないと思うな。
    あのね、このまえチョウチョを三羽、つかまえたの。
    でも、がっかり。
    エイッてつかまえたら、
    もう飛ばなくなっちゃって
    葉っぱの上におっこちて
    悲しそうにふるえてた。
    あーあ、おもしろくなかったなぁ。

    • nejidonさん
      まことさん♪
      「教科書」の方はだいぶ昔に読みましたが、こちらは未読です。
      そうなんですか、ギャリコも27匹おうちにいたのですか。
      私も...
      まことさん♪
      「教科書」の方はだいぶ昔に読みましたが、こちらは未読です。
      そうなんですか、ギャリコも27匹おうちにいたのですか。
      私もちょうど同じ数だけお世話していました。
      全部保護猫ですけどね。
      今はだいぶ減って9匹しかいません。
      どの子もみんな賢くて一人ずつ個性があって、山のような思い出を残していきます。
      にゃんこといると、人間の方が教えてもらうことだらけですね。
      きっとギャリコもそれを言いたかったのかも。
      たくさん思い出してもらって、ミケちゃんも喜んでますよ!!
      2021/02/03
    • まことさん
      nejidonさん。

      コメントありがとうございます!
      nejidonさんのところにも、27匹も猫がいたのですか!!!
      猫がお好きな...
      nejidonさん。

      コメントありがとうございます!
      nejidonさんのところにも、27匹も猫がいたのですか!!!
      猫がお好きなのはわかっていましたが、それ程までとは思っていなかったです。
      びっくりしました。
      思い出も、お別れの数もそれだけあったということですよね~。
      「教科書」は以前にnejidonさんのレビューを拝見して、登録だけしてあるのですが、積んで置くうちにどこかにいってしまい、未読です。
      「ノート」は詩と写真が見事に、ぴったり合っていて、たぶん写真をあとから合わせたものだと思いますが、詩も写真もとても可愛いです。
      ミケちゃんのこと、nejidonさんにも名前を憶えていただき、きっと喜んでいるかと思います。
      ありがとうございました!
      2021/02/03
  • 「猫語の教科書」の姉妹篇。似た感じではなく、今度は猫による詩集のようなもので、それぞれに写真もあってとてもかわいい。後ろの方にはポール・ギャリコの短いエッセイ付き。
    私も昨年末猫との生活が始まったばかりなので、角田光代さんの解説文の全てにとても共感した。特に「猫は驚くほど表情豊か」というところ。

  • ねこの無邪気でかわいい写真に、人間の身勝手さ、残酷だけどたくさんの真実が含まれる心に突き刺さる詩。
    今までに読んだ詩の中でも、いちばん心に残りました。

  • 猫写真とともに綴られるポエム集
    単行本の方で読んだが、大変可愛らしい
    惜しむらくは、写真が白黒であることと、ピンボケが多いこと
    それらが整っていれば、より高評価だったかなと思う

  • 購入済み 読了

    猫たちのつぶやきを集めた小さなノート。その時の猫たちの思いが写真とともに1冊になった。カラー写真多数の『猫語の教科書』姉妹篇。解説 角田光代

    松江のホテルのロビーに置いてあって、ちょっと読んだら涙になった本。なので買って手元に置いてみた。
    どこが響くのか、ねこのつぶやくいろんなこと。
    人間もっとがんばんなさいよ、と言われ、涙する私はメンタル弱々。
    ポール・ギャリコは初めて聞いた作家さん(だと思う)
    猫を愛した彼の作品はもうちょっと読んでみたいと思う。
    Honourable cat by Paul Gallico

  • 里見蘭「古書カフェすみれ屋と本のソムリエ」に「猫語の教科書」が出てきたので、姉妹編のこちらを読んでみた(「猫語の教科書」は残念ながら近隣の図書館にはあらず……)。猫目線の詩と猫の写真、30ページ程の随筆で構成された一冊。
    印象に残ったのは「宝石」という詩。そうそう、猫の瞳って、なんであんなに綺麗で魅惑的なんだろうか。写真の猫のような青い瞳も良いし、黄色や緑色の瞳、オッドアイもたまらない。実際にくり抜いてアクセサリーにしちゃったらなんともシュールだけど(笑)。

  • 2019.8.14読了。猫27匹にグレートデーンって…グレートデーンってギネスで最大の犬の犬種じゃないか。土地のスケールが違うぜ。だがしかし、やっぱりこういう人でも、いやこういう人だからこそはっきり分かるのだ。猫の謎は人間なんぞが解明できるものではないと。冒頭で「あがめよ、猫を!」とあって、嗚呼これを書いた人は同類なんだろうと把握した。あとがきの猫のシルエットは見覚えがある素材な気がする。というか同じもの使った事あるなぁ。我が道をゆく猫を他人ながら誇らしく思う気持ちにはこの上なき同意を送りたい。猫の美しさを称えた文面にも共感しかなかった。詩を日本語訳でも違和感無く詠めたのは訳者さんの腕前がいいのだろう。

  • 猫による猫詩集。
    可愛い写真とともに猫視点の詩が。
    可愛いだけじゃなく高潔で誇り高い。
    微笑ましくてぽかぽかしてくる。

  • あっ‥此(こ)れは?…今読んでます!‥。

    ん〜!、他書籍の某著者が、故生(こせい‥亡くなった生物)の霊団と会話出来る書籍を?…犬編のみですが読んだ!ので、猫の分の方も?…逆に聴いて視(み)たくなった書籍ですね?‥。見出しを読んだ段階での評です!けどね?‥。

    追加が出来次第‥再び記述を追加させて戴きます‥:

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764195

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著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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