人間なき復興: 原発避難と国民の「不理解」をめぐって (ちくま文庫 や 49-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434005

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  • 歪んだ復興政策。歪んだ世論。まるで独り歩きするかのように、避難者帰還政策は押し進められていく。

    千年に一度と言われた東日本大震災を発端とした福島第一原発事故から5年。未だに自分の家に帰還できない多くの人びとがいる。目に見えない放射能、廃炉への長い道のり、健康への影響すら定かではない。いくら住居区を中心に除染作業をしようとも、山林や恵みとなったはずの山菜は放射能により汚染されたままなのは事実である。福島第一原発から30㎞圏内の外の福島市近郊でも、山菜はおろか柿ですら食べることができない。そんな状況で、政府は避難者帰還政策を進めている。それが正しいのか否か誰も答えは出せないと思うが、状況が灰色を示す以上は間違った政策ではあるまいか。

    チェルノブイリ原発事故から何も学ばなかった日本。将来、福島第一原発事故以上の悲劇に見舞われるような予感がする。

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著者プロフィール

山下 祐介(やました・ゆうすけ) 1969年生まれ。九州大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程中退。弘前大学准教授などを経て、現在、東京都立大学教授。専攻は都市社会学、地域社会学、環境社会学。著書『限界集落の真実』『東北発の震災論』『地方消滅の罠』(以上、ちくま新書)、『「復興」が奪う地域の未来』、『地域学をはじめよう』(以上、岩波書店)、『「都市の正義」が地方を壊す』(PHP新書)、『「布嘉」佐々木家を紡いだ人たち』(青函文化経済研究所)、『地方創生の正体』(共著、ちくま新書)、『人間なき復興』(共編著、ちくま文庫)など多数。津軽学・白神学の運動にも参加。

「2021年 『地域学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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