マイマイ新子 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434517

感想・レビュー・書評

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  • なんと言えばいいんだろう。
    まるで宝石箱のような小説だった。
    みずみずしい表現が散りばめられていて、忘れていた気持ちや、もっと素直にシンプルに生きていくことが大事なんだと気付かせてくれる。

  • 昭和30年の山口県防府市国衙~小三の新子の家は大地主だったが、祖父の小太郎が数学教師で土地を離れていたため不在地主となり農地解放で多くの田を失った。父は大学に勤務して不在のことが多い。直角に曲がる小川に藤と葛の蔓を編んでハンモックを作ったのは、萱で目を傷つけ義眼を入れている祖父の小太郎だ。新子は額にある旋毛のせいで興奮すると前髪が立つ。紡績会社の嘱託医の娘として転校してきた子が香水を付けて登校したのは母親の形見だった。お土産に持ってきたウイスキーボンボンを食べて酔っ払い・防空壕に決死隊を結成して探検して義足の小父さんに会い・原爆資料館ができて初めて出掛け・映画館の子に10円払ってジェームス…ディーンをこっそり見・友達のお巡りさんが博奕に嵌まって首吊り自殺し・元小作が田んぼを売って自転車屋になるのに反対していた小太郎が最後には竹林の七賢の掛け軸を持って祝いに行って風邪を引いて帰ってきて・ご飯を一杯恵まれた男が一斗の米を盗み・麦畑でヒバリの雛を発見し・医者の子と食堂の子が喧嘩した煽りで家出する羽目に陥り・おじいちゃんが死んじゃった~「…と千年の魔法」というアニメ映画になった

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著者プロフィール

作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞。『小説伊勢物語 業平』で20年泉鏡花文学賞、21年毎日芸術賞。著作は多数。17年、日本芸術院会員、18年、文化功労者。

「2023年 『小町はどんな女(ひと)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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