花の命はノー・フューチャー DELUXE EDITION (ちくま文庫)
- 筑摩書房 (2017年6月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480434524
感想・レビュー・書評
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著者、ブレイディみかこさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
ブレイディ みかこ(Brady Mikako、1965年6月7日 - )はイギリス・ブライトン在住の保育士、ライター、コラムニスト。
福岡県福岡市生まれ。貧困家庭出身。日本在住の頃からパンクミュージックに傾倒し、ジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)に感化される。福岡県立修猷館高等学校を卒業して上京&渡英。ロンドンやダブリンを転々とし、無一文となって日本に戻ったが、1996年に再び渡英し、ブライトンに住み、ロンドンの日系企業で数年間勤務。その後フリーとなり、翻訳や著述を行う。英国在住は20年を超える。
中々な方ですね。
自分の進む道を切り拓いてきた方ですね。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
移民、パンク、LGBT、家政婦。地べたから視た英国社会をスカッとした笑いとともに描く。200頁分の大幅増補! 解説 栗原康 帯文 佐藤亜紀詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英国在住のコラムニストによる1990年代の英国での生活を記したエッセイ集の文庫版。
オリジナルを出版した時の会社は潰れたとのこと。
文庫版はオリジナルエッセイの後日譚が追加されていたり、未発表原稿や書下ろしも載っているので読み応えあり。
著者は飲んだくれでセックスピストルズが大好き、ということからもわかるように、豪快な語り口調が魅力。
ただ、単に豪快なだけでなく、酔っぱらいながらも自己の生活や周りの人の生きざまに対する観察眼と考察は鋭く、硬軟取り混ぜた内容をサラッとかけるのがこの人の強みだと感じた。 -
どちらかといえばガテン系な仕事を生業にしているんだけれども、全く本書を読んでいると本当にイギリスの話なのか、自分の身の周りの話なのか分からなくなってくる。国は違えどワーキングクラスの生活はいずこも同じだなーと思う。もちろん著者のフィルターを通して、親しみやすく書いてくれてるんだろうけれど。
「she's got balls 」
と、とある女性政治家の事を筆者は評していたけれども、読者から言わせればそれはアンタの事じゃ、とつっこまざるを得ない。本書がデビュー作だからなのか、全編から「なめんじゃあねーぞ」という気概、パワーが感じられる。
あとコレは自分だけだと思うんだけれど、男女関係の話や、サブロー北島ジャケットのくだりあたりはなんとなく吉田秋生イズムを感じてしまった。「あーはっはっは」の脳内再生は我知らず完全に吉田秋生のエッセイ漫画になってしまった。
ぜひとも挿絵書いて欲しかったわ。 -
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者ブレイディみかこさんのエッセイ集。
良い意味でかなり弾けまくっている。
一つ一つが6〜7ページで完結しており読み易い。
ケンジントン辺りの、所謂表向きのロンドンしか知らなかったけれど、もっともっとディープな、リアルなロンドンの生活実態が露呈していた。
ブレイディみかこさんの15年以上前のブログなどを寄せ集めたエッセイなので、文体もくだけていたり、会話口調のような面もちらほらあり、著者の人物像がはっきり分かる。とても面白い人だという印象。
小さな衝撃を得るストーリーもあるが、どんな輝かしく見える国も実際こんなもんなんだろうなぁと読み耽る。
ワーキングクラス・キッズ
アイリッシュ・ブラッド
精神高揚剤としてのミュージック
オーヴァー・ザ・レインボウ
LOVEとFANCYのあいだ
限りなくどどめ色に近いグレー
上昇しない螺旋階段の怪 -
ブレイディみかこさんの初期(といっても40くらいだったようだが)のエッセイ集。文章に勢いがあって面白い。「屁温い」なんて言葉は初めて見た。どうでしょう、この字面の破壊力。まぁ覚えても使う機会は無さそうだけど。
イギリスに旅立つ際、空港で父親に林芙美子の「花の命は短くて」の句を送られる話しは出来過ぎだが「放浪記」を書いた林芙美子の人生は不思議とブレイディさんの生き様と重なる。どちらも放浪癖があるのだ。英語でitchy feetと言うらしい。これは使えるかも。
イギリスは階級社会だと聞く。ミュージシャンのドキュメンタリーを見ていても必ず「〇〇はマンチェスターの労働階級の出身で」とか出自が紹介される。でも実感は湧かなかった。当書はその労働者階級の内側から綴られたエッセイであり、比類なきリアリティがある。うーん、ヘビーな世界だ。
でも、このノーフューチャーな世界をしなやかに渡り歩くブレイディさんはの生き方は魅力的だ。とても真似は出来ないけどね。 -
英国の病院が無料の制度のせいでずっと電話しても予約ができず病気がどんどん悪化していく話とか、家庭崩壊するとあっさり離婚してしまうのが当たり前だったりとか、すごく考えさせられる。それにしても、「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき。」って林フミ子の言葉を手渡されて旅立つって、なんという親心だろう。にわかには信じがたい話が沢山転がっていて、夢中になって読んでしまった。文庫化する前、この本を出版した出版社は潰れてしまった、ということも触れられていて、ゾワゾワする面白さ。ジョンライドンに憧れながらも、怒りもこもったパンクな一冊。
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6-7ページでひとまとまりになっているので、読みやすいエッセイ。ディープなイギリスの生活が垣間みえて面白い。ぶった斬る感じの言い回しも含めてダメな自分と向き合った諦観があり、落ち込むこともなく開き直ってるのがいいんだなと思う。僕はイエローで、、から読み始めましたが、すっかりファンです。
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2021/03/20
イギリスのブライトンという街で暮らすブレイディみかこさんの視点から見たイギリス人の日常を描写したエッセイ集みたいな感じ。
前にもこの人の本を読んだことがあるのですが、学校で習うイギリスだけじゃない、さらに奥深いイギリスの人々の様子がよく分かる内容です。
一個一個のエッセイを集めた感じになっていて、それぞれの話にはイギリスで暮らす日本人から見たイギリスの人の人間味あふれる描写がありありと伝わってきます。
日本人とイギリスの人々を比較して、もちろん違うところも多々あるけど、結局同じ人間なんだなーだと思うこともあれば、やっぱり外国人は考え方のスケールが全然違う…と思わされるような内容もたくさんあって、面白いし、ディープなイギリスについて知ることが出来るんじゃないかと思います。