新版 女興行師 吉本せい: 浪花演藝史譚 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434715

感想・レビュー・書評

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  • 吉本興行の創業者、吉本せいの一代記。
    せいの生涯全体については[ https://booklog.jp/item/1/4106108453 ]の方がまとまっているが、個別の芸人や演芸について掘り下げて書かれていることで、上方演芸の動向を知ることができる。
    ・伝統的な桂派・三友派に対する岡田反対派の対立。吉本は当初反対派との結びつきを強くしつつ、寄席の多角経営を進めた。
    ・破天荒な生き方で世間を驚かせた桂春団治。
    ・漫才はもともと歌う芸の「万歳」で、寄席においては色物として落語より低い扱いをされていた。吉本夫妻と異なり、芸自体に造詣の深くない林正之助は落語家に押さえが利きにくいため万歳に目をかけ、昭和2(1927)年に一流寄席の弁天座で万歳だけの会を行った。
    ・エンタツ・アチャコのコンビ結成が昭和6年。洋装で歌でなくおしゃべりを中心にした芸により新しい小市民層をつかみ、漫才が隆盛していく。
    ・昭和初期に活躍した小春団治。漫才に押されつつある落語界で、新作落語で人気を博した。しかし吉本と対立して大阪を追われた。本名の林龍男で高座に上がったり文筆活動をしていたが、花柳芳兵衛の名で舞踊家となり、吉本と和解した。吉本の落語への決別を象徴する出来事。

  • NHK TV 朝ドラ「わろてんか」、笑いながら見ています。
    ヒロインにモデルがあると知り、この本を読み始めました。
    出だしは辛口です。結局最後まで辛口でした。
    それというのも、TVのかわいいおてんちゃんの笑顔が頭にあるからですが。(*^_^*)♪

    吉本興行を一代で巨大企業に作り上げた吉本せい。
    その生涯は、小説や舞台にもなっているそうですが、これまで全く知らない人でした。
    未だ女性の地位が低かった時代に、夫と始めた事業を、夫が若くして亡くなった後を引き継いでどんどんと発展させていく。
    世の中の変化にあったお客にうけそうな面白い芸人を選び多額のお金で契約、寄席の新しい時代を切り開いていきます。
    芸人をお金で縛り付けたそうですが、ずっと目をかけ落ちぶれても面倒を見ることもあれば、ばっさり切り捨てたり。
    警察とも政治家とも暴力団とも付かず離れず、慈善団体への多額の寄付など 太っ腹な人生です。
    本書は、ノンフィクションで多くの資料が引用されていますが、小説のような面白さはありません。 
    その分、本人や周りの人が言ったこと、世間が思っていることと違う真実が語られています。
    そしてなぜそのようなことが言われたのかの推測が、この本の面白さ!
    ノンフィクションといっても 著者の考えしだい、というわけですね。

    これで、朝ドラ「わろてんか」が、ん倍楽しめそうです。

    2017/10/29  予約 11/25 借りて読み始める。 12/5 読み終わる。

  • 2017年9月10日、初版、良、帯無
    2018年2月3日、伊勢BF

  • 日本における、LEAN IN に該当する形であった。

  • なかなか読み進まず、やっと読めた本でした。
    朝の連ドラが始まり
    吉本せいさんがどんな人だか知りたくて、手にした1冊ですが
    時代が行ったり来たりで読みにくかったですが
    落語から漫才に移行するまでの吉本興業とせいさんの生き方が良くわかりました。
    意外に思ったのは、一人息子と笠置シヅ子の恋の話。
    孫まで出来ても認めなかったのは
    せいさんの一人で財産を築いた故なのでしょうか?
    ま、朝のヒロインとは、かなりかけ離れた人のようです。

  • 吉本の寄席の広がり、「花月」の由来、上方落語の凋落、エンタツアチャコに始まる漫才の隆盛など、全体の動きがよくわかる。一気に読んだ。ただし、記述が重複したりして読みやすいところが若干ある。

  • 朝ドラ『わろてんか』スタート、と言うことで早速書店で見つけて購入。

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著者プロフィール

1935年東京生まれ。芸能・演劇評論家。芸術祭文部大臣奨励賞(1967年)、大衆文学研究賞(第10回、1996年)、スポニチ文化芸術大賞優秀賞(第14回、2006年)。菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞選考委員。著書に『ぜんぶ落語の話』(白水社)、『落語登場人物事典』(編、白水社)、『志ん生のいる風景』(青蛙房)、『女興行師吉本せい』(中央公論社)、『落語手帳』(講談社)、『落語のこと少し』(岩波書店)等。

「2019年 『昭和も遠くなりにけり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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