三島由紀夫と楯の会事件 (ちくま文庫)

著者 : 保阪正康
  • 筑摩書房 (2018年1月11日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480434920

三島由紀夫と楯の会事件 (ちくま文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 生存者へのインタビューなどを元に纏められたノンフィクション。
    あの当時、『楯の会』内部の状況がどのようなものであったのか……ということに関しては、割と詳細に書かれている。しかしまぁ、本当のところは、三島由紀夫本人が墓に持っていってしまったんだろうなぁとも思わせる。うーん。

  • 1970年、三島由紀夫が、彼の率いる楯の会メンバーと陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で人質を取り、自衛隊への決起を呼びかけるも無残に失敗し、切腹自殺を遂げた楯の会事件。本書は謎の多かったこの事件が、ヒストリカルな位相で振り返ったときに、戦後史の一つの分断点にあるのではないか、という仮説を明らかにするために、当時の様子や楯の会の関係者らのインタビューを元にまとめたノンフィクションである。

    私が生まれたのは1983年であり、この事件から13年後となるが、わずか10年足らず前に、このような事件が起きていた、というのは今から考えると非常に不思議な思いがする。なので、この事件については知識としては知っていたものの、三島由紀夫の狂言的なものなのか、というイメージしかなかった。

    しかし、本書を読んで丹念に三島由紀夫の行動や思想を追っていくと、全共闘運動など新左翼を中心とする”政治の時代”が終焉を迎えつつあり、同時にそのカウンターとしての既存右翼の運動の理論のなさも見えてくる中で、彼がある絶望感を抱かずにはいられなかったという点が見えてくる。そういう点で、1970年の楯の会事件は、明らかにずるずると引きずりつつあった”政治の時代”に、明確なピリオドを打ったという転換点として見えてくる。

    一見、狂的に見える行動を狂気の言葉で我々の思考の枠外に置いて安心するのではなく、我々との連続性の上で考え直すことの重要性を本書は示している。

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