狂い咲け、フリ-ダム (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 110
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480435354

作品紹介・あらすじ

国に縛られない社会とは? 気鋭の研究者が編む。大杉栄、伊藤野枝、中浜哲、朴烈、金子文子、平岡正明、田中美津ほか。帯文 ブレイディみかこ

感想・レビュー・書評

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  • とにかく、初めて知った、金子文子がびんっびんに響いてきた。訊問調書では、職業を問われ、「現にあるものをぶち壊すのが私の職業です」と嘯き。人みな平等を突き詰めた上の、ものすごいスピードで駆け抜けていった人生。本人、研究者、瀬戸内寂聴の書いたものがあるようなので、それぞれ当たりたい。/生の拡充の中に至上の美を見る大杉栄。伊藤野枝の出身地の村の、国も政府もない相互扶助だけで成り立つ社会に見る無政府主義のヒント。みんな自分の好きなように生きるがいい、それ以外になんにもありはしない、もちろん私の人生観や文芸観に同意する必要もないという辻潤。生産労働が自治管理と結びついていないとき、それは、賃金労働、奴隷労働でしかないという向井孝。地方分権で-労働者や消費者を保護する性格の-法が後退し-資本の活動と権利を保護する-秩序が前面に押し出されるとする矢部史郎。暴力を手放すということは自由を手放すことに等しいことなのだとする山の手緑。/生命力の塊のようなどこまでもつきぬけていった人。最初は輝いていたのに、どこをどう転がっていったのかそんなこと言う人になってしまったの?という人。怠惰をつきつめたようでいて粘り腰で味のある人。アナキストもさまざまの感。けど、その思想には刺激を受ける。

  • 力強く過激な言葉の数々に力づけられる。
    特に中浜哲の詩が良かった。欲を言えば古田大二郎の『死の懺悔』の抄録も欲しかった。(入手不能?)

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究。著書に『大杉栄伝 ―― 永遠のアナキズム』(夜光社)、『はたらかないで、たらふく食べたい ――「生の負債」からの解放宣言』(タバブックス)、『村に火をつけ、白痴になれ ―― 伊藤野枝伝』(岩波書店)、『現代暴力論 ――「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)、『死してなお踊れ ――一遍上人伝』(河出書房新社)、『菊とギロチン ―― やるならいましかねえ、いつだっていましかねえ』(タバブックス)、『何ものにも縛られないための政治学 ―― 権力の脱構成』(KADOKAWA)など。

「2018年 『狂い咲け、フリ-ダム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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