- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480435637
作品紹介・あらすじ
他人との〈つながり〉はどう距離をとり、育んでいけばよいのか。名著『友だち幻想』に向って著者が考え続け、優しくつづった幸福のデザイン。
感想・レビュー・書評
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心が落ち着く本でした。
繋がりすぎるのも離れすぎるのも寂しくて、付かず離れずがよいのですがなかなか難しい、他者とのつながり。
〈生のあじわい〉を深めるには…という問いから、自分と自分の周りの世界について考えてみる、という本で、読みながらわたしもこれからどう距離感を保って他者と関わって生きていこうか、考えました。
「ほんとうに好きになれること」は今のところ読書や映画鑑賞で、ここみたいに感想登録SNSに感想を書き散らかすことで他者との交流が生まれることもあるので、この生き方は合っているのだろうな、と思います。言葉を選ぶのは楽しいので、ちょっとだけがんばるけど無理はしてないし。
それから、他者との関係において、致命的な傷を負わないだけの「精神的な構え」を作っていくために、傷付くことを恐れすぎずに色々やってみようと思いました。
なんとなく、今の生き方を肯定されたようでちょっと嬉しいです。これからも生きられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
別の学校の生徒がビブリオバトルで紹介しており、職場の人間関係にちょうど煮詰まっていた時期でもあるので、帰りがけに購入。
極端に言ってしまえば、自分以外の人間はたとえ親であれ、配偶者であれ、子であれ、みな「他者」であり、自分と全く同じということはありえない、ということを(しっかりと)意識しながら過ごしていきましょう、その中でどのような考え方をしてゆけば、「生きづらさ」を感じすぎることなく生活することができるか、考えましょう、という趣旨の本です。
役に立つマニュアル本というわけではありませんが、読み終えると少し楽になった気がします。
追い込まれたとき、煮詰まったときに度々手に取る本になるかもしれません。
例えば、「自分のすべてを受け入れてくれることを他者に期待せず、自分の考えや感じ方が少しでも伝わったことを楽しみ、そこを起点に少しずつ人とのつながりを深めて(p.45)」いくこと=他者からの”絶対的な承認”を求めないことが、息苦しさを感じないように生きるコツである、ということを改めて文章で読み、少し救われたような気がしたのも事実です。
また、自分とは異なる他者が集まって構成されている「社会」で生活してゆくためには、「「異質性」を前提にしながら、より心地よいつながりを作るにはどうすればよいのかという発想が大切になる(p.91)」のだという筆者の主張には賛同します(そのために社会には様々なルール(基本的には法律の形をとる)が存在する)。
※一方で、どうしても理解できない(その「異質性」をどうしても許容できない)という他者とのつながりを保持しなければならない状況でのふるまい方などは言及がなく、少し残念ではありました。
最も印象に残ったのはp.153の一文で、
「「他者」というのは何が恐いかって、「私」の許可もなく勝手に「この人はこういう人だ」って判断を下してくること。つまり「私」の許可なく勝手に私を「対象化」してくる存在が他者なのだ。つまり「このように私を見てほしい」といったこちら側の願いなんてあっさりふきとばしてしまうような存在、それが他者」
というものです。
先に読んだ本では、他者からの評価を気にして、攻撃的な人の理不尽な要求を拒絶できないことは「怠惰」である、という指摘もありましたが(そしてその指摘は一部では正しいと思うのですが)、なぜ他者からの評価が気になるのか、そして評価をしてくる他者が「恐い」のか、ということがすっきりと理解できたように感じました。 -
『友だち幻想』が面白かったけれど中高生向けだったので、こちらは大人向けかな?と期待して読んでみたけれども、こちらも中高生向けだった。中年だって幸福について考えるのに、なんだかちょうどよい本にアクセスできていない。ただこの本自体は菅野さんの考える幸せがわかりやすく書かれていて良書。愛の本というよりは幸福の設計の本だったけれども。
何かと気持ちがしんどい人は自我理想が高いということが書かれているのだけれど、確かにしんどそうな人は高みを目指していることが多い気がする。がんばるのに疲れてしまった人は読んでみては、と思う。
人間100%分かり合えることはないとか、努力すればどうにかなる物事ばかりではないとか、ほんとうにそのとおりなのだけれど、人生の早い段階で、投げやりにならない程度に程よく知るのはなかなか難しい。しかしそういうことが腹落ちしてから見える世界にはそれまでとは別の美しさがあるので、別に夢破れたからって絶望することはないのだ。夢が破れた自分は何をすると楽しいのか、ひとつひとつ試していけばよいし、そうしなければならないのだと思う。 -
友達幻想を先に読んだ者からすると、それよりも丁寧に言葉を尽くして読者に語りかけようとしているのが伝わる。他者性というキーワードを使うことで、他人との距離感、そして自分への精神的な構えを持つように読者に提案している。人は承認してくれる存在であると同時に自分の脅威となることもある。
個人的には62ページが響いた。 -
周りの人と気持ちが通じたり、自分の考えや行いが他の人に認めてもらったりすることによって、ぼくたちの「生」は限りない広がりと深さを持つようになる
本当の私ではなく、自分にとってのほんとう。
自分が「これだ」と思えるものをどんなものでも見つけること。それでお金をもうけようとかいったことにあまりこだわらないこと。
ほんとうに幸せそうな笑顔で笑っていられるのは、生きている限り抱え込まざるを得ない「制限」や「挫折」を、それぞれの仕方で自分自身の中に上手に馴染ませながら、自分の憧れや理想を、手放さない方向に自分たちの生を絶えず向かわせようとする努力をしているからだとぼくは思う。
ジンメル「距離がなければ逆に親しさも感じられるはずはないんだ」
人とのつながりを考えるとき、「同質性」ではなく「異質性」を前提にする
幸福はデザインするもの -
心に残る文章に出会えた。
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摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50141985 -
ひとの繋がりについて本当に深く考えている本
傲慢にならず卑屈にならず、相手と自分をちゃんとみて接していくことが大切なんやろうなと思う
ちょくちょく読んで振り返りながらいろんなことに対して誠実に向き合っていきたい
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2019年4月16日購入。
2019年4月30日読了。
著者プロフィール
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