三ノ池植物園標本室 下 睡蓮の椅子 (ちくま文庫)

  • 筑摩書房
4.05
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本棚登録 : 168
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480435675

作品紹介・あらすじ

井戸に眠る因縁に閉じ込められた陶芸家の日下さんを、彼に心を寄せる風里は光さす世界へと取り戻せるか。『恩寵』完全版、感動の大団円。解説 東直子

感想・レビュー・書評

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  • 繊細さを感じた、一冊。

    下巻は終始繊細さを感じた。

    人の心の奥底に眠る表からじゃわからない繊細な部分。
    それを見せられていくと同時に、その一つの箇所を誤って傷つけでもしたら何もかも壊れてしまいそうな取り返しのつかない方向へ向かいそうな、そんな危うさをも感じた時間だった。

    心の縺れほどやっかいで繊細なものはない。

    でもそれもきちんと自分や人と向き合って生きているからこそ、の証でもあるのかな。

    縺れが解けたらまた未来へ思う存分心を伸ばせる。

    それをファンタジーで表現された作品、草地に一歩踏み出す、そんな柔らかな読後感が良かった。

  • 下巻は風里と奏の関係を軸に、その前の世代である葉や響の残した想いなども絡んでくる展開に。ややファンタジーな展開にもなりますが、終盤のいろいろなものが解けて、収まるべきところに収まっていく感じは、とても気持ちがよかったです。
    全体を通してのテーマは「繋がり」なのかと感じました。手を伸ばすことで人と人とが繋がっていく。そういう繋がりを重ねて未来が紡がれていく。そんな物語に感じました。

  • 心も体も疲れた風里がゆっくりと緩やかに
    再生していく。
    住む場所の歴史と自分の心と愛する人の心の
    リンクの仕方がとっても複雑でひもとけばシンプル。
    やさしく、そして勇気の持てるお話でした。
    全部が繋がると言えばつながるけれど、絡めすぎな感じもある。
    けれど、最初に読んだときより深く感動した。

    今の私が、読んで正解!なんだと思う。

  • こんがらがった糸が解けるような後半,長い時を超えて収まるべきものが収まり凝り固まって囚われた思いが解放される.今までの長い道のりが昇華される素晴らしい瞬間でした.丁寧に生きるということ,生命を美しく感じること,また続いていく繋がる命への賛歌のような物語でした.

  •  上巻とは雰囲気が変わります。植物園の話はほとんどなく、家にまつわる因縁?

     上巻が好きだったので、ちょっと肩透かしの気分。

  • 上巻で登場した三世代にわたる人々が、風里と日下を中心につながり、それぞれの伝えきれなかった想いが風里のおかげできれいにほどけ、安らかに収まる。

    風里の再生の物語かと思って読んでいたけれど、もっと深い愛情の物語だった。

  • ほしおさなえさんは天才だ!
    解説を書いた東直子さんも天才だ!

  • 「恩寵」改題。

  • 上とはちょっと雰囲気が変わった。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『銀塩写真探偵 一九八五年の光』がある。

「2020年 『紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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