年収90万円でハッピーライフ (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.84
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本棚登録 : 743
感想 : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480436078

作品紹介・あらすじ

世界一周をしたり、隠居生活をしたり。「フツー」に進学、就職してなくても毎日は楽しい。ハッピー思考術と、大原流の衣食住で楽になる。解説 小島慶子

感想・レビュー・書評

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  • 初めて彼を知ったけど、全然意外な生活じゃない。というか、極めて似た生活をしている。彼のように、洗いざらい書いて紹介する機会も意思も余裕もないし、ちょっと書くのだったら差し障りがあるので秘密にするけど、かなり似ている。それに、彼も言っているけど、何も彼と同じ生活をする必要はさらさらない。

    でもだからこそ、私と違って若くてストイックな彼の生活の中で、参考になるところはある。以下はそのメモ。

    ・起床したら、白湯を読みながら、ブログ更新とメールチェック30分。←短い!
    ・朝一番の飲み物。白湯。冬は生姜のすり下ろしとたまに蜂蜜。夏は濃い目のセイロンティー、ミルク。快便のもと。
    ・17時ごろ夕食。腹6分目で調子良い。←ストイック!
    ・ものすごく好きって、周りから見たらウザい。でも意外とそこに才能が隠されていたりもする。
    ・人間やりたいことはわかんなくても、やりたくないことだけは意外と迷わないんですね。
    ・中学環境は荒れていた。周りでは、ブロック殴り殺し事件、いじめ自殺もあった。彼も酷いいじめに遭う。死の一歩手前までいく。登校拒否の同級生の家に避難生活。←これは全く似ていない。よく生きていたな。小説にできるぞ。
    ・親の極貧生活(トイレットペーパーにマヨネーズつけて食べた等々)聞いて「世の中の不公平等」を知る。
    ・コンビニの廃棄弁当食べたら、翌日如実にだるい。朝うんこ出ない。現代人、食べることを蔑ろにしていないか?
    ・しかるべき時にちょうど出てくる欲や野心。それは例えば「本を書きたい」ということ。
    ・手間暇かからないで、健康も欲しい。それで粗食(玄米菜食)になった。
    ・小松菜は常備菜。軽く湯にくぐらせて、ごま油と醤油で炒める。冬は根菜(人参、大根、生姜)をすり下ろしたのを冷蔵庫に入れて2-3日持たせる。色とりどり。
    ・いじめられていた時もそうだったけど、何も感じないことにした方が、その場は圧倒的にラクなんです。だけど、これを続けていくと、物事は見えないとこから壊れていく。ジンマシンが出て、あのとき辞めてホントによかった。←そう言えば、ジンマシンがいつの頃からか出なくなった。以前の仕事辞めた時と期を一にする。今気がついた。
    ・地球の人口約73億人の中から、この「お金」は、私を選んで来てくれた。なんかありがたいことだなぁ。
    ・家賃2.8万、共益費1500円、固定費(ネット含む)1.5万、食費1万、その他。月6万で生きていけるが、たまの贅沢で7万。それで週2日のバイトにした。たまのライターの仕事や、バイトは貯金へ。
    ・結果、読書と散歩が趣味になる。自然の中をあるくって、本100冊分のすごい情報量があると思う。
    ・隠居生活をして、つくづく実感するのは、平和=退屈なわけではないということです。退屈は人の心の中にしかありません。退屈する人は、どこで何をしようが、いくらお金を持っていようが退屈するんです。
    ・人間って、個人的な単位では想像も共感もできるけど、全体的な単位ではよくわかんないように、頭が出来ているんじゃないかと思う。全体主義屋さんはそういうとこに付け込むんですよね。これは怖いことです。
    想像力はどうしたら身につくか。
    1番手っ取り早いのは、本を読むこと。自分が体験し得なかった人生を擬似体験するのが目的なので、ビジネス書とかじゃなくて小説が良いです。
    ・全体主義屋さんに付け込まれてしまう根本的な原因は、人間が何かに頼らなきゃいられないという弱さを持っていることです。(略)誰もが、自分自身の手で、心の中に伽藍を建てるしかないんです。(略)100人の他人からの「いいね!」より、自分ひとりの「いいね!」が勝るようになればしめたもの。

  • 30歳にして「隠居」ライフを送る大原さんのエッセイ。

    ゆるーい本が読みたくなって、前から気になっていたこちらの本をチョイス。
    90万円節約ライフだったら読まなかったと思うのだけど、90万円ハッピーライフっていいなぁと思って。

    「足るを知る」という言葉を思い出した。
    ガツガツした欲望はなく、あるものに満足して、他人を妬まず自分を卑下したりもしない。
    大原さんは無理せず働き、したいことを1日にギュッと詰め込んで、自宅を丁寧に掃除し、健康的な食事をとり、布団の中であっちこっち読みたいものをつまみ食い読みをして、ある意味豊かな暮らしぶりだった。
    大原さんは全然押し付けはない。ぼくには合ってるけど、誰にでも当てはまるわけではない、自分それぞれの生き方があるよ、ということを伝えてくれる。どこまでも自然体だ。

    インドア派だけど、全くの孤独ではなく、時々誘ってくれる友達がいたりとか、時々会うゲイの恋人?がいたりとか、職場でもつながりがあったりとか、英語の仕事を時々しておられたりと、人とのつながりもある。

    数年前に、もうすぐ死ぬってわかったら、何をする?何がしたかった?という話を友達とした。
    死ぬまでにすることは、家族で過ごすことだなぁと思ったんだけど、何がしたかったか?にはしばし悩んで…、あ、絵を描いたり、もう一度大学に行って興味のあることを勉強し直したりしたかったなぁと、ふと胸の奥から出てきたんだよね。それまで考えたことなかったので、私ってそんな願望あったんだなぁと驚いたっけ。

    がむしゃらに目の前のことをしているうちに老年に近づいて「ああすればよかった」と気づく人が多いだろう。大原さんはお若いけれど、自分の生き方を早くに定め、それを実践している方なのだなと思った。
    ★3.5

  • 「20代で世を諦め、あんまり働かなくなり、いまやほとんど人と関わっていない」という著者の、30代にしてすでに年季の入った「隠居」生活を綴った本(著者は1985年生まれ)。

    著者は、月収7万円程度の最低限の仕事をしたうえで、週休5日程度の独身スローライフを送っている。年収100万円以下の暮らしが、すでに数年間つづいているそうだ。

    というと、相当苦しい極貧生活のように思えてしまうが、タイトルに「ハッピーライフ」とあるとおり、その暮らしぶりは傍目にも楽しそうである。

    著者は自炊や洗濯などが元々好きであるうえ、一人でいることがまったく苦にならないタイプ。
    楽しみは、図書館を利用しての読書と散歩。それにくわえて、ネットを介して無料の映画を観るなどの娯楽もある。
    それ以上を望まなければ、それはたしかに「ハッピーライフ」ではあるだろう。

    本書はお金のかからない「ハッピーライフ」のノウハウを明かしたうえで、世間のありきたりな幸福の尺度に疑問を投げかけてみせる。「夢や目標はないとダメなのか」「友達って必要?」などという形で。

    もちろん、著者のような生き方は万人向けではなく、おいそれと真似できるものではない。
    著者は、そういう生き方に必要な条件として、「ひま耐性」が強いこと、将来のことを気に病まない楽観性があること、世間の目を気にしないことの3つを挙げている。

    私自身、もし養うべき家族がいなければ、著者のような生活をしていた気もする。一人でいることが苦にならないし、物欲も乏しく、ゼイタクな暮らしがしたいとも思わないし、本とネットがあればとりあえず退屈はしないから……。その意味で、かなり共感できた。

    単純に読み物としても面白い。
    まだ若いのに隠居生活をしている著者を、年長者が「おまえのせいでGDPが下がった」と怒った……という話には爆笑。

  • ブレない強さが必要だという事が参考になりました。

    ナチュラルな人で、このかたのように
    素直に生きてみたいけど、もう子供もいるのもあって
    余計に世間の目も気になってしまうし、
    無理だなぁとは思ったけど、たまには
    心が感じるままに、お散歩したりとか
    もう少し長めに読書にふける時間を作ろうと思った。

    隠居式スコーンは明日作ろうと思い、
    重曹と刷毛を買ってみた^^
    楽しみ。

  • 内容は、普通だった(一般的、という意味ではなく。さほど目新しいことではないという意味で)

    低収入の、生活。を、楽しんでいる生活。
    そう考えれば、本書のような内容になるよな、というだけの話で。

    そういう話が読みたくて読みはじめたのだが、
    想定外に、非常に苦手な文体だったせいで、ざっくり飛ばし読みになってしまった。

    想定外に苦痛だった理由は、たぶん大まかに言って2点。


    一つ目は、

    年収90万円でハッピーライフ

    こういうタイトルの書籍は、だいたいライフスタイルの紹介がメインだと思うのだが、

    本書は"視点"の置き方が、90万円でハッピーなライフスタイルの紹介、というものではなく、

    90万円でハッピーライフを送っている"大原扁理のエッセイ本"、というスタイルになっていた。

    (ハッピーライフを推しまくる、紹介しまくる楽しい本、というより、
    年収90万を幸せだと感じるちょっと変わった著者が感じる日々のあれこれを書いた本、とでもいうのだろうか。そういうスタンスで書かれている。
    著者は日本の同調圧力について否定的に捉える一方で、こんなタイトルの本を書くのだから、結構ねじれているなぁと妙な気分になった)


    『20代で隠居 週休5日の快適生活』という前著があるらしいが、私は知らなかったので、知らない人のエッセイを読んだ形になる。..申し訳ないが、さほど面白みはなかった。


    二点目として、冒頭でも書いたが、文体が苦手だった。。
    原田○○式とでもいうのだろうか。
    アリかな、とか、ヘンだな、とか、フツー、なんとな〜く、だってさ、とか。。。

    個人的に、苦手な文体だった。。
    (くだけすぎていて、読んでいてイラッとする)

    しかも、原田氏のような元来の著述家が書き崩した文体ならまだしも(というのも偏見かもしれないが)ほぼ素人の書くこの文体となると、、、以下省略

    内容も(個人的には)さほど真新しいことでもなかった上、哲学的背景や、今後何か新しい価値観の創出の芽も特に感じなかったので、今後苦痛の文体に浸ってまで読むことも..たぶんもうないかなと思った。優先順位的に。



    うーん
    ただ、私の場合、文体の良し悪しがかなり影響するので、上記は辛口評価かもしれないです。

    一般的な話でいうと、
    親しみがある文体で、若くして隠居生活をしている著者の日常を感じられる本、という仕上がりにはなっているので、楽しめる人には楽しい本だとは思います。

  • 『年収90万円でハッピーライフ』大原扁理

    Twitterで筑摩書房をフォローしてから欲しい本がたくさんあって仕方がない。自分は一般的に年収が高いと言われる職業・会社に勤めているが、仕事はストレスフルであり、飲み会も多く、さほどお金は貯まらない。おまけに急性大腸炎で入院したり、マッサージ屋に行ったりと、お金を多く稼いでは、すり減った身体へのメンテナンスでそれほどプラスのお金は出てこない。そんなことを思っている時、『年収90万円でハッピーライフ』という題名はとても魅かれるものがあった。いざ読んでみると、大原さんは、上記の私の生活と真反対の生活を送っていた。私の生活が「高収入高疲労高発散」生活ならば、大原さんの生活は「低収入低疲労低発散」生活であった。大原さんは何度も強調していたが、何もこうなりたいと思ってこのような生活に至ったわけではない。とにかく自分が好きなことをやり続け、自分が嫌いなことをやらないということを続けているうちにこのような生活になったという。
    大原さんは言う。苦労には2種類あって、何かを達成するための努力をする時の苦労と、とにかくがんばるという苦労。前者には意味があるが、後者には全く意味がない。後者の努力をしている人が多すぎるのではないか。
    年収90万円の生活は衣食住をとにかく感じる生活であるという。食は粗食にしているという。肉を食べず、お米や野菜を中心に食べる。こだわりを持たず、なんとなく、栄養のある食事をする。健康であることとは一番の節約であるという。人は食べたもので出来ている。個人的な話だが、疲労がたまると辛いものや刺激の強いものが無性に食べたくなる。刺激の強いものに舌はだんたんと麻痺していき、胃腸が耐えられなくなり、入院した。高刺激高損失である。一方、大原さんの食は低刺激低損失。こういった生活の方が、よっぽど良い。
    着るものは自分スーツと呼ぶ、毎回決まった洋服。とにかく、決断に時間や頭を使わない。内田先生は、昨日の自分を越える為に、気づきを得るには、毎日同じ生活をするのが一番良いという。カントが毎朝散歩をし、イチローがカレーを食べ続けたように、毎日入力における脳への刺激を低く抑えることで、小さな変化に気づくようになる。ペースメークやルーティンの大切さはここにある。大原さんは、知らぬ間にルーティンをしっかり作っている。低刺激高感受生活である。住に関して面白かったのは、とにかく家にいるのが大好きな大原さんは、家にいることが幸せなら人生の半分が幸せという。また、家賃を1時間単位まで割って計算する発想が面白かった。大原さんの家の場合、家賃から換算すると1時間39円お金を払って家にいるという。こう考えると、外に出ることが損に感じてくる。この感覚は面白い。
    ハッピー思考術も面白かった。心と体のチューニングが重要で、つらい時に、何も感じないようにしてしまえばラクだが、これを続けていくうちに心と体が壊れていく。そんな時、自省と微調整をする為にはとにかくボーっとすることが大切だという。何もしないと、人間自分と向き合うしかなくなる。その時間をどこかで作ることがとても大切だという。知らないうちに自分をしんどくしていた小さなことの積み重ねに気が付いて、きちんとリセットされる。
    また、ハッピーな生活をする為に、物欲を減らし、工夫して生活し、必要なものだけを買い、週に何日最低働けばよいのかを計算する。
    最後に、隠居生活を続けて実感することは平和=退屈なわけではないという。退屈は人の心の中にしかない。退屈する人はどこで何をしていようと、いくらお金を持っていようが退屈なのだという。そんな人の心の中にしかない退屈を吹き飛ばすためには、想像力と創造力が必要で、この二つさえあれば、どんな環境でさえも楽しむことができる。話は飛ぶが、全体主義の独裁者は人々の退屈に付け込む。高ストレス高刺激な毎日を過ごす中で、加速度的に刺激を欲する。入力でしか満足できないひとは一番独裁者に操られやすい。どんな時でも自分の想像力と創造力で退屈さを吹き飛ばせる人間は、独裁者抜きでも幸せでいられるから、操られにくい。人のいいね!より自分のいいね!を大切にしよう。

  • 高校卒業後、就職も進学もせず、世界を放浪して行き着いたのは、東京の片田舎で週休5日の自称隠居生活。

    著者は30代。年収90万円で家賃2万8千円の古民家に住み、ほぼ人と交わることはない。スコーンを焼き、野草を食べ、暖房は湯たんぽ。時々、文章を書く。

    欲や夢、貯金、将来などを考えることを超越した境地にたどり着いた究極のミニマリズム生活。病気への恐れ、親や近隣住民の世間体をさっぱり忘れて、自己肯定すれば、こんな生活もアリだ。あまりに極端な生活なので、参考にしようとは思わなかったけど。

    最低限の衣食住さえあればいい。アフターコロナ時代にはそんな人間が増えるだろう。問題はそんな生活を楽しむ覚悟があるかどうかだ。中途半端に著者の生活を真似するべきじゃない。

  • なんだか気持ちがとても穏やかになった本でした。
    ここまで清貧なのは真似しようとしても無理、と思いましたが、取り入れたい考え方も多くありました。
    無理しないのが一番。でもどんなことが無理なのか、わたしはまだきちんとわかっていないので、まずは自分と向き合うところから。
    経済的、精神的、体力的に自分の快適なバランスを知っておくこと。自分の生活水準を把握しておくこと。
    一人暮らししたい、と漠然と考えていたのですが、実現に向けて進もうと思います。自分で生活出来ないんじゃ、生きていけないしね。
    やる気も貰えましたが、落ち着く本です。何度でも開きたいです。

  • 定期的にこういう本を読むと、
    ・他者と比べないこと
    ・なんとかなる

    などストレス解消、仕事やプライベートの姿勢の見直しになるからよい。

    嫌なことをしないで死ぬ。

    は個人的に好きですね

  • 楽しく生きて死ねるなら本望に納得。私もそういう生き方がいい。隠居生活はとても真似できそうにないけど。

    • こゆきうさぎ@148センチの日常さん
      こんにちは。
      こちらの本、はじめて知りましたがおもしろそうなタイトルですね!
      タイトルのような暮らしを真似できるかはわからないけれど、年収9...
      こんにちは。
      こちらの本、はじめて知りましたがおもしろそうなタイトルですね!
      タイトルのような暮らしを真似できるかはわからないけれど、年収90万でしあわせに生きられたらなあと憧れはあるので、読んでみたいです。ご紹介ありがとうございます!
      2021/03/17
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著者プロフィール

1985年愛知県生まれ。25歳から東京で隠居生活を始める(内容は『20代で隠居 週休5日の快適生活』などで紹介)。31歳で台湾に移住。『年収90万円で東京ハッピーライフ』(太田出版)、『なるべく働きたくない人のためのお金の話』(百万年書房)の著書がある。

「2020年 『いま、台湾で隠居してます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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