中央線がなかったら 見えてくる東京の古層 (ちくま文庫)

制作 : 陣内 秀信  三浦 展 
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 160
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480437884

作品紹介・あらすじ

中央線がもしなかったら? 中野、高円寺、阿佐ヶ谷、国分寺……地形、水、古道、神社等に注目すれば東京の古代・中世が見えてくる! 対談を増補。

感想・レビュー・書評

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  • 東京を東西に結ぶ大動脈の中央線は街の新参者で、それを外せば古くから横たわる街の骨格が見えるとのコンセプトで新宿から始まり日野まで綴られている。訪れたことがある街以外はあまりイメージか湧かなかったが、興味深く読めた。今はどうしても中央線沿線周りが街の中心だが、そうではなくかつては別の場所に中心があったりしたようだ。
    しかし、文庫版の最後の対談で思ったのは、この手の人は何故いつも最後は薄っぺらい開発や資本主義、既成政治への批判に行き着くのだろうか。せっかくの良い仕事が勿体無い。タワーマンションへの批判も何故か展開されており、まるでタワマンで親が殺されたのかと思えるほどだ。

  • 高円寺在住なので、とても興味深く読んだ。今まであまり意識しないで歩いていたけど、この本片手に歩いてみようと思う。

  • 中央線大好き民だったけど、古道・街道沿いの歴史から見ると異質な鉄道なんですね!というか低コスト、地域住民を慮れば盛り上がっていない田園沿いにインフラ引くのは当たり前か…。寺社仏閣や城跡、川など地理考察が好きになるきっかけになりそう。いつか自分もブラタモれるかなあ。

  • <目次>
    対談  近代以前の東京の原型を探る(陣内秀信VS三浦展)
    第1部  中野・杉並編
     第1章  新宿~中野…青梅街道から中央線へ移動した軸
     第2章  高円寺…前近代の宗教地域から近代軍事都市へ
     第3章  阿佐ヶ谷…聖域・湧水・古道・河川・釣り堀から読む地域構造
    第2部  多摩編
     第4章  国分寺~府中…いにしえの東京を探しに、古代武蔵の中心をめぐる
     第5章  日野…用水路を軸とした農村、宿場から鉄道中心のベッドタウンへ
    文庫版対談  「鉄道がなかったら」という視点が新しい郊外を生む!(陣内秀信VS三浦展)

    <内容>
    雑誌「東京人」(2012年4~9月)の連載を基に出版された本(2012年12月刊)の文庫本化。社会学的な視点と地理学的な視点をクロスオーバーさせ、歴史学的視点をちょっと振った感じ。武蔵野地域が、中央線のなかった時代から発展しており、それは甲州道中や青梅街道沿いからで(中野~国立)、多摩地域は国分寺崖線や日野の多くの湧水がベースであった。最後の対談に、こうした歴史的分析を踏まえて、「古き良き日本」を基にした、町おこしが必要、という示唆は深いと思った。

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著者プロフィール

陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。

「2022年 『トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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