名前も呼べない (ちくま文庫)

  • 筑摩書房 (2022年9月12日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784480438416

作品紹介・あらすじ

第31回太宰治賞を受賞し、その果敢な内容と巧みな描写で話題を集めた著者のデビュー作がより一層の彫琢を経て待望の文庫化! 解説 児玉雨子

感想・レビュー・書評

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  • 伊藤朱里「名前も呼べない」書評 人間関係にもがき苦しむ女|好書好日(2015年12月20日)
    https://book.asahi.com/article/11605328

    七年の意味|ちくま文庫|伊藤 朱里|webちくま
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/2936

    筑摩書房 名前も呼べない / 伊藤 朱里 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480438416/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      インタビュー 作家 伊藤朱里さん|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー
      https://www.bungei.shueis...
      インタビュー 作家 伊藤朱里さん|集英社 WEB文芸 RENZABURO レンザブロー
      https://www.bungei.shueisha.co.jp/contents/interview/029/index.html
      2023/07/20
  • 元職場の女子会で恋人に娘ができたことを知らされる主人公・恵那
    かつて家族間で起こったことや、以前働いていた職場でのこと
    どうにも上手く自分を受け入れられず、生きづらさを抱えつづけている恵那…表面はへらへら取り繕っていても、そのしんどさがこっちにも伝わってきた
    怒るべきところで上手く怒れない恵那の代わりに親友のメリッサが気持ちいいほどの怒りを表してくれる
    物語として絶対必要だけれど、わりとメリッサも背負いこんでいるものは大きいんだよな…
    巧みで繊細な文と恵那の心情がマッチしていた
    ぐるぐると内へと沈み込むような内容なので元気なときに読むのをおススメします

    本作は「名前も呼べない」と「お気に召すまま」の中編2作が入っている
    「お気に召すまま」の主人公・美波も過去の大きな穴を埋められないまま生きており、私はこちらの作品の方が好みでした
    自分の傷は他人からは決して見えない、とどちらの作品を読んでいて思った

  • 「君は誰かのどうでもいい人」がすごく良かったので、ちょっと期待しすぎた感がありました。

  • 2023年6月
    文章がうまい。ストーリーも面白くてグイグイ読んでしまった。
    ただこのねちっこい感じは好みではない。メリッサはキャラクター的に都合良すぎ。冷ややかな気持ちに。

  • この本を読めて良かった!が読後すぐの感情。

    『名前も呼べない』と『お気に召すまま』。
    前者は固定観念をやられた。
    そして後者が特に好き。
    主人公(美波)の心情に共感する。

    どちらの作品も表現が好きだったので、
    伊藤朱里さんの他の作品を読みたい。

  • 『名前も呼べない』と『お気に召すまま』の2篇。
    バシッと読者に突きつけられる、印象的な文章がいくつもありメモをとっておきたくなる。迷ったときに思い出せたら、きっと力になってくれそうな言葉たち。
    どちらの主人公も自分の気持ちがよくわかっていなくて、人生において何を優先して何を大切にすべきかも見失っている状態だった。ただこれは第三者として見ているから冷静に考えられるだけで、もし当事者だったら彼女たちと同じように困難な状況に陥ると思うし、誰しも自分のことになると偏った物の見方をしてしまうものだと思う。
    そんな主人公が、片や親友に、片や教え子に気付かされる形で、自分を取り戻していくラストに前向きさを感じた。
    人って怒るべきときに怒って悲しむべきときに悲しまないと、それをずっと引きずることになり次に行けないのだと思った。

  • 久しぶりに解説を読んだあとまたすぐ頭から読み返してしまった。
     
    誰かを好きになること、それが性愛であろうと友愛であろうと、その事実がどこかで、誰かに、何かしらの犠牲がうまれてしまうことにとても絶望してしまった。持っていたものを失うのは怖いし辛い。



  • 「名前も呼べない」
    〝ただ、伸ばしてくれた手を、伸ばし返すことだけはしなくてはいけないと思った。〟


    「お気に召すまま」

    理由が欲しい。手っ取り早い方法は、相手に全責任を押しつけるか、ひたすら自分を責めつづけるか、そのどちらか。

    見えるもの全部にもっともらしく理由をつけないと安心できない人なんか、放っておきなさい。

  • 息苦しさの表現がうますぎる... くるしい...

  • 2023.9.21 読了

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著者プロフィール

1986年、静岡県生まれ。2015年、「変わらざる喜び」(「名前も呼べない」に改題)で、第31回太宰治賞を受賞。他の著書に『稽古とプラリネ』『緑の花と赤い芝生』『きみはだれかのどうでもいい人』『ピンク色なんてこわくない』がある。

「2022年 『名前も呼べない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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