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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784480439529
作品紹介・あらすじ
面白乱暴ひねくれ繊細鋭さ優しさ言葉への愛。Aマッソ加納の魅力全部のせ初エッセイ集が文庫に! 書き下ろし「むらきゃみ」収録。解説 フワちゃん
めくるめく脳内フェスティバルと、キレキレの言葉のサーカス。
最強の書き手が、あらわれた! ――岸本佐知子(翻訳家)
罠みたいな本。加納さんの頭の構造を覗けると思ったのに、更に謎が深まったうえ、好きだけが増しました。 ――朝井リョウ(小説家)
加納さんの哲学って、アウトプット先が自分に向けられるとパニクるけど、こっちから覗きにいくとすっごい面白い。この思考回路はホルマリン漬けにして大切に保存すべき!!(たまに取り出して指でぷにぷにしちゃお) ――フワちゃん(タレント/解説より)
「不必要なものだけを堪能できるようになれば、それは最高の娯楽になるはずだと、私は信じている」
深夜の動画視聴のなかで見つけたたった9文字のツッコミ台詞の素晴らしさをめくるめく修辞で称える表題作他、面白乱暴ひねくれ繊細鋭さ優しさ言葉への愛、Aマッソ加納の魅力がぜんぶ詰まった初エッセイ集が、書き下ろし「むらきゃみ」を加えてついに文庫化。
装画 hakowasa
カバーデザイン 佐藤亜沙美(サトウサンカイ)
感想・レビュー・書評
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日常の一コマを面白がって、これでもかってぐらい広げてく。エッセイっていうよりファンタジー読んでるみたいでワクワクにやにや楽しかった!
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Aマッソとの出会いは、2015年にNHKで放送されていた『笑けずり』という番組だった。
無名な芸人がお笑い合宿しながら、有名な先輩芸人の講義を聞き、ネタで対決し、面白くない人から脱落していくという企画で、Aマッソは最終日まで生き残る活躍をしていて、当時からとにかく印象に残っていた。
無名な芸人とはいうが、いや、確かに当時は無名だったものの参加者10組の中にはとんでもない逸材がたくさんいて、「ぺこぱ」「(のちの)ひょっこりはん」「(のちの)岡田康太」「(のちの)ダイヤモンド小野」。2ndシーズンでは「男性ブランコ」「ハナコ」「オダウエダ」まで排出している。
そんな未来の逸材だらけの参加者の中で、加納愛子という人はとにかく異彩を放っていた。尖りに尖っていたネタの内容はもちろん、他のコンビが協力したり時にはケンカしながら必死にネタづくりしている中、むらきゃみが遊んだりぼーっとしてるのにはお構いなく、「それでええねん、相方は楽しく機嫌よく過ごしてくれてたら」という感じで心から嬉しそうに、ひとりでネタを黙々と練っていたのだ。
ああ、なんかいいコンビだな、と思ったし、(ネタは尖っているけど、)いつか売れてくれたらいいな、って直感的に思えた。
そんなAマッソが、数年を待たずして徐々に売れていくそこからのシンデレラストーリーは、この本を読んだ方ならすでに知っていると思う。あちこちでAマッソの名前を見るたびに、活躍を知るたびに、嬉しい気持ちになったし、ああやっぱりなって思った。
だからこの本を読んだとき、まっさきにあの時の「それでええねん」の笑顔が思い浮かんだ。ひとつひとつのエッセイはもちろん楽しいし、心地よい時間をくれた。それはきっと、あの笑顔がもつ彼女自身の魅力があるからで、そこから今のように売れるまでの数年間の彼女の人生に、どうしても思いを馳せずにはいられない。
とても素敵な、読んでいて幸せになれる、すばらしいエッセイでした。 -
朝井リョウさんが帯を書いていたので
気になり手にとった。
加納愛子さんのことが一気に大好きになった。
思わず笑って、意図せずふふっと声が漏れた。
本を読んで肩を振るわせたのは初めてかもしれない。それくらい面白くて不思議なエピソードが満載。加納さんのように、日常をこんな風に切り取れたら毎日がとても素敵だと思う。 -
加納さん(Aマッソ)の印象はアメトーークの本屋で読書芸人、ビビリな人、最近CM出てる、漫才もコントもYouTubeもラジオもやる大衆にもコアなお笑いファンにも人気な芸人というイメージだった。この本を読んで自分の脳内を文章化するのが上手なんだなぁ。という新しい印象も加わった。
一気に読み終わってしまうのが勿体無くて、時間をかけて読んだ。憂鬱な移動時間も楽しく過ごせる1冊。ちょっとご機嫌になって一歩一歩が軽く踏み出せる。階段を一段飛ばしで降りちゃう感じ!
お気に入りの話『拳銃!』『雑談もせずに、』『今日は機嫌が良くない一日やったわ』『ありがとーぅ』
最後のフワちゃんの解説にちょっと感動しちゃった。もし、自分が本を出した時めちゃくちゃ仲良しな友達に書いてもらえたら凄く嬉しいだろうなぁ〜。 -
つながりが予想外すぎるからすごく飛躍してる気がしてしまうけど、思考回路ほぼ全部書かれてるのが不思議。意味わからんけど分かるような変な感情になって、内容思い返せばやっぱり何も分からない。情報量多くてすごい頭回った感あるのに空っぽな感覚になる。コントもそうだけど意味わからない前提を受け入れて振り回されると謎の充足感得られる。
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自分では全然思いつかない角度からの言葉の羅列が次々と出てきて、ちょっとひねくれた感じとかフッと笑える感じがおもしろかった。
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初めてAマッソのコントを見た印象は
理屈っぽいけど面白い
加納の斜に構えたトークもやがてクセになって毎週聞く様になったヤンタン木曜。
エッセイも加納節満載で、ややこしいお笑い脳。
一番は書き下ろしの相方むらきゃみの改名についてのエッセイ。
やっぱり加納はAマッソが一番面白い。
夏の単独ライブが待ち遠しい。 -
加納さんと言えば__YouTubeの本ツイ!企画の印象が強烈で、この本を見た時もそれが真っ先に浮かんで購入。記憶に残るって大事!序盤から大阪出身なのに青森での青春話(妄想)をしててツボでした。ゆるさと独創性が相まった世界観好きです。
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日々の時間が無さすぎて困惑している。あれもしたい、これもしたい。方々に食指を伸ばし24時間を食い潰す。差し当たり本を読みたい。日中は仕事だし、結局読書は夜になる。というより、一日の大半の時間を仕事のごときのために費やさねばならない現状こそが、歯痒くて仕方がない。
「仕事と商売の違いは?」
職場の何とかいう研修を受けてきた同僚が、訊いてきた。まるで僕を試すかのように。きっと研修で、そんなやりとりがあったのだろう。
「“仕事”は生活上、見返りが無くてもやらなければいけないこと、いわば家事。無償での。自発的な。“商売”は需要と供給、見返りを得るための労働のこと。従業員と会社は労働力を売り買いしてるんだぜ。つまり会社での仕事は商売だよ」
僕が「だぜ」を言い切る前に、同僚は“きょとん”の看板を掲げていることに気づいた。訊く相手を間違った、みたいな。顔に出すぎじゃん。こんな問いかけで、僕が“しどろもどろ”になるとでも?
「さすがっすね…」
いや、何が“さすが”なものか。
「研修では、どんな答えだった?」
「えっと何でしたっけ…」
同僚のが、よっぽど“しどろもどろ”してた。
僕の仕事など取るに足らなくて、やりがいなども、とうに失せてしまったし。だからいつも早く帰りたい。さっさと終わらせて、とっとと帰る。いかに効率よく業務を仕上げるか、という一点についてのみの、日々のモチベーション。じゅうぶんだと思う。
帰宅後夕食を摂り、朝ドラの録画などを観たりした後、おもむろに文庫本を手にするも、読むぞ、の気合いとは裏腹に、数分後には眠気に支配されてしまう。夜の読書は睡魔との戦い。そして毎夜の無条件降伏。なかなか上手いこといきません。
もう風呂入って寝ます。
『イルカも泳ぐわい。』
思いがけず、愛しい本にめぐり合うことができた。ほのかな切なさ。笑いという癒し。「誰かのための芸人」きっと今夜も、著者の懐の深さに救われて、健やかに目を閉じる。良いっすね。好きです。無条件降伏に悔いなし。これだから読書は、たまらない。 -
今も昔も全て含めて、これだけ話のネタの引き出しがあるのすごい。いや、引き出しが多いというより、日常に対する見え方に独特なフィルターがかかってるのか、フワちゃんが言ってたように。
加えて、その思考回路を言語化する能力。文才ってこーゆう人のことを言うんだろうか。
こんな感受性持って生きれたら、日常も違った楽しみ方ができそう。
基本身の回りのことを書いてるから、展開という意味では面白いのそんなないなあ、って思ってたけど、「帰路酒」しっかりおもしろかった。
ただ、「イルカも泳ぐわい。」って加納さんの言葉ではないのね。いろんなメディア見てて、加納さん発祥みたいな見え方してたから少しモヤッとした。
「拳銃!」
「今日は機嫌が良くない一日やったわ」
「必要なのは才能じゃない、練習それだけ」
が好みでした。
著者プロフィール
加納愛子の作品





