ウスバカ談義 (ちくま文庫 う-51-1)

  • 筑摩書房 (2025年3月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784480440105

作品紹介・あらすじ

戦後派の巨匠が贈る昭和のユーモア短編集

強烈な友人・知人たちとの奇妙な会話、突飛なエピソード、滲み出す虚無感。

生誕110年記念復刊 

解説・荻原魚雷



「相手をグサッと突き刺すような言葉は、お互いに本能的に避けるでしょう。それがルールというものです。あんただって誰かと喧嘩して、大バカと言われるより、ウスバカと言われる方がこたえるでしょう。」(「ウスバカ談義」)



「山名君の説明では、友達にもたくさんの種類があり、たとえば、善友、悪友、益友、損友、その他棋友、釣友などいろいろあって、山名君は私の益友をもって任じているのだそうである。(「益友」)



ウスバカと大バカの違いとは? 善友・悪友ときて、益友とは? 買ってきたタコは何故七本脚なのか? 主人公のもとをたびたび訪れては奇妙な問答を繰り返し、何かを押し付けたりやらせたりする男・山名君との珍妙なやりとりが絶妙な連作ほか、語り手と友人知人が紡ぐ物語10編。戦後派の巨匠にして、虚無と表裏のユーモアで独特な存在を示した著者、最後の傑作短編集。



カバーイラスト 樋口達也

カバーデザイン 明石すみれ

     (芦澤泰偉事務所)

感想・レビュー・書評

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  • ソフトに性格悪くて、ソフトに狂ってる人を描かせたらピカイチですね。

  •  今年に入って急に梅崎春生の作品が各社から次々と復刊されているのは、なにか理由があるのだろうか。あるのかもしれないけれど、彼の作品を読みたい者からすれば、理由がどうあれ、手軽に新刊書店で買えるのは嬉しい。この『ウスバカ談義』は、梅崎自身と思われる主人公のところに、夜学で美術を教えているということ以外はよくわからない謎の「山名君」が意味なく訪れてはおせっかいをやく、という作品が中心をしめている。帯にあるとおり「昭和のユーモア」がただよう。大笑いするのではなく、もちろん冷笑でもない。読み進めるうちに、なんだか胸のなかに静かに湧き上がってくるような面白さだ。『留守番綺談』と『Sの背中』が特に心にのこるのは、梅崎の、どこかとらえどころがない作品群の中心に、死があるのを意識させてくれるからなのかな。

  • 2025.4.15読了

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著者プロフィール

梅崎 春生(うめざき・はるお):1915年福岡市生まれ。東京帝国大学国文学科卒業。在学中に「風宴」発表。42年陸軍に、44年海軍に召集、暗号通信分遣隊長として坊ノ津で終戦を迎える。復員後、戦争体験をもとに『桜島』『日の果て』を発表、一躍第一次戦後派作家の代表的存在となる。『ボロ家の春秋』で直木賞、『砂時計』で新潮社文学賞、『狂い凧』で芸術選奨文部大臣賞、『幻化』で毎日出版文化賞。1965年没。

「2025年 『ウスバカ談義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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