政治宣伝 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
4.00
  • (2)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 69
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480511508

作品紹介・あらすじ

レーニン、ヒトラーの時代を経て、宣伝は今どのような役割を果たすか。五つの定則を示し、デモクラシーに対するその功罪を見据える。解説 川口茂雄 ===ナチス・ドイツ占領期のフランス、プロパガンダが最も強力であった時代に青年期を過ごした著者は、民主主義のためにこそ宣伝が必要だと説く──。本書では、まずレーニン型・ヒトラー型それぞれの宣伝方式を検討し、「単純化し、敵を一つだけにしぼる定則」、表現を変えて繰り返す「オーケストレーションの定則」、同調圧力を利用する「全員一致と感染の定則」といった宣伝の諸パターンを示してその負の側面に警鐘を鳴らす。しかし同時に、宣伝は個人の意見の公表を促し、それを保護する役割をも担うとした。プロパガンダが忌避される現代において、その功罪を簡明に説いた名著。===「私をメディア研究に導いたプロパガンダ論の名著、待望の改訂版」───佐藤卓己===【目次】はしがき  第一章 風 土  第二章 宣伝の二つの源泉  第三章 レーニン型の宣伝  第四章 ヒトラー型の宣伝第五章 定則と技術第六章 神話、虚偽、事実第七章 世論と宣伝  第八章 デモクラシーと宣伝訳者あとがき解説 デマゴギーとペダゴジーのはざまで(川口茂雄)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  レーニンがボリシェヴィズムを建設し、ヒトラーがある時点まで勝利することができたのは、政治宣伝「プロパガンダ」のたまものであると著者は言う。宣伝は世論をつくりだし、変え、確実にする。

     レーニン型の宣伝、ヒトラー型の宣伝の特長を示し、豊富な実例でプロパガンダの方法等を明らかにしていく。

     ある意味、政治宣伝は世論誘導のための不可欠な手段となっているので、今なお意味のある著作だと思う。

  • 主にナチスが、政権を獲得し、勢力を拡大し、維持するためにとった様々な手法を体系的に説明している。ただし、レジスタンス側も同じような手段をとり、対抗していた。フランスらしいというのか、簡潔に概念を説明するワードに落とし込んで、切れ味の鋭い説明が続く。

  • 佐藤卓己のメディア論の名著30の1冊である。主にナチスの政治宣伝を扱っている。日本での応用としてかんがえられなくはないが、学部生にとっては卒論の参考になるかどうかは不明である。
     それよりは、メディアの歴史として時間に余裕があれば読めばいいと思われる。フランスでの名著であるが、日本で名著となるかどうかは不明。

  • ナチス・ドイツ占領期のフランス、プロパガンダが最も強力であった時代に青年期を過ごした著者は、民主主義のためにこそ宣伝が必要だと説く―。本書では、まずレーニン型・ヒトラー型それぞれの宣伝方式を検討し、「単純化し、敵を一つだけにしぼる定則」、表現を変えて繰り返す「オーケストレーションの定則」、同調圧力を利用する「全員一致と感染の定則」といった宣伝の諸パターンを示してその負の側面に警鐘を鳴らす。しかし同時に、宣伝は個人の意見の公表を促し、それを保護する役割をも担うとした。プロパガンダが忌避される現代において、その功罪を簡明に説いた名著。
    第1章 風土
    第2章 宣伝の二つの源泉
    第3章 レーニン型の宣伝
    第4章 ヒトラー型の宣伝
    第5章 定則と技術
    第6章 神話、虚偽、事実
    第7章 世論と宣伝
    第8章 デモクラシーと宣伝

  • 361.46||Do

全6件中 1 - 6件を表示

ジャン・マリー・ドムナックの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×