「おのずから」と「みずから」 日本思想の基層 (ちくま学芸文庫 タ-45-2)

  • 筑摩書房 (2023年1月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784480511553

作品紹介・あらすじ

「自(ずか)ら」という語があらわす日本人の基本発想とはどのようなものか。日本人の自己認識、超越や倫理との関わり、死生観を問うた著者代表作。===日本語において「おのずから」と「みずから」は、ともに「自(ずか)ら」とあらわす。成ることと為すこと、物と自己、自然と自由を意味するが、が截然と分けられず、両者には交差・共和・相克する「あわい」がある。そこに見られる日本人の基本的発想とは何であり、それはまたどのような思想文化を育んできたのか。本書は、思想・宗教・文学・芸能の諸領域を広く深く行き交いながら、日本人の自然と自己との相関的認識、超越と倫理との関わり、そして無常観と死生観を根源から問いなおす。倫理学者・日本思想史家である著者の代表作。 ===日本人の発想のかたち自然と自己の「あわい」を生き抜いた人々は何を体現していたか――。日本思想文化論の傑作 ===【目次】序I第一章「おのずから」と「みずから」――日本的「自然(おのずから)」と自己第二章無常と「おのずから」――日本人の現実感覚①第三章「古(いにしえ)」と「おのずから」――日本人の現実感覚②第四章宇宙人生の「不可思議」さ――国木田独歩の覚めざる夢第五章「おのずから」の捜索――柳田国男の「人生を自然の片端を観ずる練修」第六章近代自己から「おのずから」へ――清沢満之の〈内〉への超越第七章生と死の「曖昧」な肯定――正宗白鳥の臨終帰依第八章「空即是色」の荘厳――「おのずから」と「みずから」の「あわい」の輝きIIやまと言葉で哲学する――「おのずから」と「みずから」の「あわい」で考えるIII総括「おのずから」と「みずから」の「あわい」あとがき文庫版あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 私の知り合いが、昨年読んだ本で一番良かった、と絶賛していたので読みました。

    正直、引用が現代語じゃない物がほとんどなので、全然頭に入らなく、途中だいぶ飛ばしてしまいました。でも、やまと言葉で哲学する章は面白く読めました。

    この本を読み始めてから、別の小説や漫画で、おのずからとみずからの両方を想起させる言葉に出会うことが何度かありました。今までなら、なるほど、なんかカッコいいこと言ってるな、くらいに流していたところを、これが日本の精神性なのかなと思えるようになりました。

    最近で感じたのは、チ。という漫画の最終話に司祭が言った言葉

    奇跡とは、
    必然に満ちた領域で生まれる 偶然のことです。
    …と同時に 偶然に満ちた領域で 必然が生まれることです。

    もう一つ、別の小説でも以下のようなセリフがありました(audibleで聞いていたので正確なセリフではありません)

    何もないことが、何でもある

    私自身も、できるだけ何もないところから、自分の中におのずから湧き起こること(これやってみたいと思ったこと)にしっかり目を向けてたいと思っていたところなので、おのずからとみずからが一致していく感覚があることには共感できました。

    私がやっている自然農法と考え方が近い感じがしました

  • 「結婚することになりました」と、みずから起こしたじしょうをおのずから起こったことのように伝える…そんな日本人の感性をふかーく紐解いていてとても面白い。あくまで学術書なので検証が繰り返される点は少し読みづらく感じた。

  • 「おのずから」と「みずから」、そしてその「あわい」に日本の思想と文化の根本特性が現れている、とする著者の代表作。

    個人的には、豊かな説得力を持っていると感じるが、著者の思索そのものは、ここで論じられている西田幾多郎、九鬼周造、清沢満之などの深みに遠く及ばない。
    とはいえ、その着眼点の秀逸さと、適切な引用は、読むものを飽きさせない。

    私は西田幾多郎と九鬼周造の原典を読む機会を与えてくれたことに感謝している。

    西田は「日本文化の問題」から、
    「私は日本文化の特色と云ふのは、主体から環境へと云ふ方向に於て何処までも自己自身を否定して物となる、物となって見、物となって行ふと云ふにあるのではないかと思ふ。己を空うして物を見る、自己が物の中に没する、無心とか自然法爾とか云ふことが、我々日本人の強い憧憬の境地であると思ふ。」

    九鬼は、日本の思想文化の大事な要素として「自然」「意気」「諦念」の三つをあげている。「自然」という「おのずから」と、「意気」という「みずから」、そして「諦念」という「あきらめ」とが、われわれの発想の基本性格としてあるという。(「日本的性格」)

    後者の原典は、これから読むところだが、この二人の思想家の日本文化論はさすがに本質を抉り出していると感じさせられる。

  • 121.04||Ta

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著者プロフィール

竹内 整一(たけうち・せいいち):1946年長野県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科倫理学専攻博士課程中退。東京大学名誉教授。専門は倫理学、日本思想史。日本人の精神の歴史を辿りなおしながら、それが現在に生きるわれわれに、どのように繋がっているのかを探求している。主な著書に、『魂と無常』(春秋社)、『花びらは散る 花は散らない』『日本思想の言葉』(角川選書)、『「やさしさ」と日本人』(ちくま学芸文庫)、『ありてなければ』(角川ソフィア文庫)など。

「2023年 『「おのずから」と「みずから」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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