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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784480512703
作品紹介・あらすじ
民衆が歓喜のさまを表わす、素朴な感情表現としての踊り。そこに神事や仏教が融合し、発生したものが踊念仏である。一遍・法然研究の第一人者であった著者が、踊念仏という活動にスポットを当てることで、開祖の大きさを日本仏教史や民間信仰の体系の中で捉えなおしたのが本書である。古代における踊りの意味から掘りおこし、空也・一遍ほかの聖たちと踊念仏の盛興、他宗派からの批判、念仏踊や阿国歌舞伎など芸能に与えた影響、さらに後世の各地に継承された習俗にまで、幅広く目を配る。
感想・レビュー・書評
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空也・一遍のみならず、踊念仏の生まれる歴史的背景から、その誕生から発展、現代までの伝承をも視野に入れ、幅広く深く踊念仏の歴史を詳述する。踊念仏、日本史で習ったくらいでその実態をよく知らなかったのだが、本を読んで知識が増えれば増えるほど、やはり実際の踊念仏を目にしなければ何もわからないのではないかとも思ったな。もちろん一番見たいのは空也・一遍当時のそれなのだが、さすがにそれは無理というもの。踊念仏として現代に伝承されている芸能をいくつか拾ってみようと思う。
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念仏の力によって自他共に救済され、極楽往生を目指す
踊念仏の発生: 宗教的信仰に基づき、人々が阿弥陀仏の救済を求める行動として始まった
阿弥陀仏信仰: 極楽浄土への往生を目的とした念仏信仰が中心である
踊りと念仏の結合: 踊りと念仏が一体化し、信仰と娯楽の要素が融合
五会念仏の実践: 念仏の段階的な構成が記録され、宗教儀式の厳格さが示される
浄土信仰の大衆化: 念仏が広く民衆に受け入れられた背景
芸能化への変遷: 時代が進むにつれて踊念仏が宗教儀礼から娯楽へと変化
時宗の役割: 時宗の布教活動が踊念仏の普及に大きく寄与
一遍の思想: 一遍の自由な念仏観が民衆に共感を呼び広まった
宗教的厳格性と自由性の対立: 天台宗の厳格な念仏と一遍の自由な念仏の違い
踊念仏と死者供養: 死者を慰める目的で踊念仏が行われた
形式化の問題: 現代において踊念仏が形骸化していると指摘される
宗教儀式としての意義: 踊念仏は単なる行事ではなく、深い宗教的意義を持つ
阿弥陀仏の周回: 常行三昧として阿弥陀仏の周囲を回る儀式の記録
踊念仏の伝承: 踊念仏は日本各地で伝承され続けている
念仏の音楽的要素: 音楽とリズムが念仏の伝承に重要な役割を果たす
踊念仏と社会変化: 時代の変化により宗教的意味が変容してきた
踊念仏の装束: 特有の衣装や道具が踊念仏における象徴的要素
死者追善のための行事: 踊念仏は死者を弔うための行事として発展
天台宗と踊念仏: 比叡山などでの天台宗の伝統と関連
宗教と民俗の融合: 踊念仏は宗教儀式でありながら、地域文化とも融合している
著者プロフィール
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