- 筑摩書房 (2025年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784480512857
作品紹介・あらすじ
近代日本の思想史に映し出された中国像とはどのようなものだったのか。本書は、江戸時代の儒者や国学者らの中国観から、明治維新・日清戦争を経て、民族を超えた全体を目指す東亜協同体論が構想されるまで、代表的人物に寄り添いながら、中国理解の変遷や思考のありかたを追う。畏敬や脅威、軽侮という感情の振幅のなか、他国を正しく認識しようと苦闘した日本人の足跡。そこから、われわれは何を学べるだろうか。国家を超えた理念を呈示することはできるだろうか。日中関係史の精緻な考察は、いまもって喫緊の課題である〈他者理解〉に向けて読者の再考を促す。学殖溢れる渾身の思想史講義。
感想・レビュー・書評
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1. 中国認識の起源と歴史的背景
- 近代日本の中国認識は、明治維新や江戸時代の学問から派生している。
- アジアや東洋という概念の歴史的由来と本質を明らかにすることが重要。
2. 江戸時代の学問の対比
- 江戸時代には、仰学(中国の学問)と国学(日本の伝統的学問)が存在した。
- 仰学は中国からの影響を受けつつ、日本の現実に適応した学問へと変化していった。
3. 中国への特別な感情
- 日本の知識人たちは、中国が儒教文化の発祥地であることから特別な位置づけをしていた。
- 中華観念と夷狄観念を通じて、自国と他国を価値的に区別し、優劣を見出す考え方が形成された。
4. 近代日本の中国観
- 近代日本の知識人は、中国に対しさまざまな評価を行った。
- 例えば、真淵や宣長は、中国の文化や思想に対して批判的な視点を持ちながらも、その影響を受けた。
5. 中国革命と日本の関与
- 孫文や康有為の革命思想が、近代日本の知識人に与えた影響。
- 日本での中国革命の理解とその後の動向についての考察。
6. 日本の中国政策とその矛盾
- 日中戦争やその後の日本の中国に対する政策が、帝国主義的な側面を持っていたことが指摘された。
- 吉野作造などの知識人が、日本の中国政策の矛盾を批判した。
7. 東亜協同体論の提唱
- 日本の知識人たちが、東アジアの統一や文化的連携の重要性を主張した。
- 近衛新体制との関連で、東亜の統一が世界の統一に寄与するとの考えが展開された。
8. 現代における中国観
- 現代の日本における中国観は、歴史的背景や思想の影響を受け続けている。
- 近代日本の中国観が、現在の国際関係や文化交流にどのように反映されているかが考察されている。 -
我が国にとって有史以来永遠の文明先進国であった中国。その認識が「西洋」の登場と近代化によって大きく変化していく。
主要な思想家をおさえながら江戸徳川期から昭和戦前期までを横断的に論じていて非常にわかりやすい。そのため中国観の変遷そのアウトラインを追いやすく、面白かった。
文庫サイズになって読みやすくなったのも良い。筑摩書房、gj
著者プロフィール
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