- 筑摩書房 (2025年2月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784480512871
作品紹介・あらすじ
双六、丁半、花札、富くじ……。賭博は古代より日本社会に存在し、貴族の社交の嗜みとして、武士の陣中の慰みとして、また庶民のエネルギー発散のはけ口として、あらゆる階層の人々を虜にしてきた。本書では、現在もなお残る定番の賭け事から、忘れ去られた昔の流行物、果てはイカサマの技術に至るまでの数々を紙上に再現。権力による禁圧の裏で新たな賭博が次々と生み出されてきた様を、豊富な図版とともに活写する。賭博という人間存在を語るうえで不可欠な現象に着目することで、時代の性格や民衆の感情の新たな側面が見えてくる。類書のないギャンブル日本史。 解説 檜垣立哉
感想・レビュー・書評
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1. 賭博の歴史的背景
- 日本の賭博は古代から存在し、文化の一部として根付いている。
- 賭博は社会の文化的、経済的な側面と密接に関連している。
- 賭博の形態は時代と共に変遷し、特に中国や朝鮮からの影響を受けている。
2. 賭博の形式と種類
- 古代の賭博: サイコロ、双六、囲碁などのゲームが存在。
- 弥生文化の影響: 賭博が人類文化の重要な要素であり、古代の賭博の痕跡が見られる。
- 平安時代の賭博: 文献に記された賭博の初期の例として、万葉集に見られる樗蒲がある。
3. 賭博に対する法制度
- 古代から賭博に対する禁止令が出され、賭博行為は厳しく取り締まられた。
- 例えば、持統天皇の「禁浙双六」の令や、賭博に関与する者への厳罰。
- 江戸時代には賭博が社会問題化し、規制が強化された。
4. 賭博と社会
- 賭博は庶民の娯楽であり、社会的な交流の場ともなっている。
- 賭博行為は経済活動の一部として機能し、社会的な欲求のはけ口としても利用される。
- 賭博に対する倫理観は時代や社会階層によって異なる。
5. 明治時代の賭博の変化
- 明治時代には西洋文化の影響を受け、賭博形態が多様化。
- 競馬や新たな賭博ゲームが登場し、社会全体に広がる。
- 賭博は経済的な側面だけでなく、社交的な機能も持つようになる。
6. 現代における賭博
- 賭博は日本社会において、娯楽の一部として位置づけられるようになっている。
- 公営賭博の導入により、賭博は社会的な制度として認識される。
- ギャンブルが一般的な娯楽として受け入れられ、社会的な抵抗感が薄れる傾向にある。
7. 結論
- 日本における賭博は、長い歴史を持ち、文化的、社会的な意味を持つ。
- 今後も賭博は社会の中で重要な位置を占め続ける可能性があり、その形態や受け入れ方は変わり続けるだろう。
- 賭博に対する理解と規制の在り方が、今後の社会においても議論され続ける必要がある。 -
理性的存在である人間が不可知な未来に賭けるという行為が、生きる為に不可欠な事というのが、人間の社会性を形作る基の一つになっている?
著者プロフィール
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