映画 視線のポリティクス 古典的ハリウッド映画の戦い (ちくま学芸文庫 カ-60-1)

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  • 筑摩書房 (2025年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784480512994

作品紹介・あらすじ

スタジオ・システムという強力な支配形態のもとにおかれた、古典的ハリウッド映画産業。利潤追求を至上命令とする製作会社によって俳優・監督・脚本家他あらゆる関係者が管理されるなか、激動期のアメリカで、いかにして映画は製作されたのか。監督と撮影所の対立、陸軍による検閲、自主検閲的倫理規定ヘイズ・コード、第二次世界大戦のプロパガンダ映画、それに携わった黒人映画作家……。複雑な力学が働く映画の生成過程に、文書資料や関係者インタビューなど一次資料を用いて実証的に迫る。映画学(フィルム・スタディーズ)という研究領域を切り拓いた画期的作品。 解説 板倉史明

感想・レビュー・書評

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  • 「映画製作倫理規定(プロダクション・コード)」全訳が読める

  • ハリウッドにあっても、映画は自由に作られていたわけではない、ということを押さえておく必要があるだろう。強制力を伴った自主倫理規定(ヘイズ・コード)により、シナリオは検閲され、公序良俗に反する内容は排除された。

    さらに第二次大戦が始まり、一部の映画人は軍に身を置き、プロパガンダ映画を作ることになる。その時、動員体制のためにあえて無視していた国内問題が意図せず顕になる。人種問題のことである。

    戦争中、男性客も海外市場も失った映画業界は、国内の女性客向けの作品を量産した。しかし、戦後まもない頃、家庭を顧みず社会的成功を追求した女性の挫折を描く作品が登場する。男性の労働社会への、女性の家庭への回帰をいち早く取り入れようとしたのである。

    映画の製作には、このような政治力学が働いていることを一次資料によって立証してゆく好著である。

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著者プロフィール

加藤 幹郎(かとう・みきろう):1957-2020年。長崎生まれ。筑波大学比較文化学類卒業、同大学大学院文芸・言語研究科単位取得退学。京都大学大学院人間・環境学研究科教授を経て、同名誉教授。日本映画学会初代会長。著書に『映画館と観客の文化史』(中公新書)、『日本映画論 1933-2007』(岩波書店)、『荒木飛呂彦論』(ちくま新書)、『映画とは何か』『映画ジャンル論』(ともに増補改訂版、文遊社)などがある。

「2025年 『映画 視線のポリティクス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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