翻訳ってなんだろう? (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 198
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683236

作品紹介・あらすじ

翻訳とは「深い読書」をすることだ! 誰もが知っている名作を紙上で翻訳しながら読み解く、まったく新しい「翻訳読書」のススメ!

感想・レビュー・書評

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  • 古典を実際に訳していくゼミのようすから、翻訳の多様性と読解力の重大性を考える。


    鴻巣さんがツイッターでもたびたび触れている「透明な翻訳」問題。欧米では「翻訳本だと意識しないで読めるほど文章がこなれている訳」を指すが、日本では「原文が透かし見えるような訳」を指す言葉だという。本書のなかにこの話がでてくるわけではないのだが、逐語訳が〈本物〉と評価されやすい日本の翻訳界において、鴻巣さんは原文が伝達しようとしているものを汲み取る努力を最大限した上で、エンタメとして受け入れられやすい訳文を目指している人なのだなと思った。
    そうした訳文を実現させるためには、訳者が踏み込んだ解釈を文章に反映させる必要がある。だから鴻巣さんは「よく読め」と繰り返し言う。読者としても、読んでいて違和感のある翻訳は訳者の解像度が低かったのだな、と訳者あとがきなどで納得するときがある。「訳すために読む」のではなく、「読むために訳す」という順序が大切なのだろう。

  • p.2018/6/5

  • 翻訳とは外国語で書かれたものを日本語に訳することだ。訳するとは何なのか?それは外国語で書かれたものを深く読み、掘り下げて、作家の意図を探り取らなければならない。翻訳とは訳をする作業なのではなく、読み込む作業なのだ。
    翻訳家であり、翻訳教室なども催している筆者が、10作品の例文を提示しながら、その訳し方を解説する。
    韻を踏んだ文章や、当時の時代背景や文化とは切り離せない登場人物同士の関係、辞書では同じ日本語になりがちな複数の英単語の使い分けによる違い、などなど、それは原文を読み込まなければ見えてこない。
    翻訳文学が好きな身としては、翻訳家の苦悩が垣間見えて面白かった。

  • 直訳ではなく,意訳でもなく,原文のニュアンスを可能な限りくみ取り,適切な日本語で表現する.
    このとても奥が深い作業のエッセンスが味わえるではなく,対象とした小説の優れた批評にもなっているように思う.
    1章「赤毛のアン」
    2章「不思議の国のアリス」
    3章「嵐が丘」
    4章「アッシャー家の崩壊」
    5章「ライ麦畑でつかまえて」
    6章「ピグマリオン」
    7章「灯台へ」
    8章「高慢と偏見」
    9章「情事の終り」
    10章「風と共に去りぬ」

  • ことば

  • 英語のニュアンスのあれこれはもちろん、物語の背景も読み込んで日本語に置き換える面白さ。英語がわからなくても、原作を読んだことがなくても、読み物として面白いと思う。

  • 翻訳ってすごい。紹介された小説が読みたくなりました。

  • 「あの名作」って、、、

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    翻訳とは「深い読書」をすることだ! 誰もが知っている名作を紙上で翻訳しながら読み解く、まったく新しい「翻訳読書」のススメ!
    http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480683236

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著者プロフィール

1963年生まれ。翻訳家、文芸評論家。英語圏の現代および古典文学の翻訳、新訳を手がける。訳書に、ブロンテ『嵐が丘』、ウルフ『灯台へ』、ミッチェル『風と共に去りぬ』、クッツェー『恥辱』『イエスの幼子時代』『イエスの学校時代』、アトウッド『昏き目の暗殺者』『獄中シェイクスピア劇団』『誓願』ほか多数。編訳書に、集英社ポケットマスターズ『ポー』など。著書に、『明治大正 翻訳ワンダーランド』『熟成する物語たち』『謎とき「風と共に去りぬ」』『全身翻訳家』『翻訳教室 はじめの一歩』『翻訳ってなんだろう?』など。

「2021年 『名場面で味わう日本文学60選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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