生きものとは何か (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 145
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683441

作品紹介・あらすじ

生物の最大の特徴はなんだろうか?地球上のあらゆる生物は様々な困難(環境変化や地球変動)に負けず子孫を残そうとしている。生き続けることこそが生物!?

感想・レビュー・書評

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  • ものを食べることも、自分で増殖することもしないウイルスって生きものなんだろうか? と思っていたところにこの本を見つけたので読んでみた。名著「ゾウの時間 ネズミの時間」の本川先生だし。

    結論から言うと思っていたのと違った。生物学というより、哲学?に近い感じ。アリストテレスから道元まで引用する知的冒険。それはそれで面白い。分裂して増殖する微生物と、有性生殖をする人間を含む多細胞生物を同じ軸で考えれば、「私」の遺伝子を受け継いだ子孫は「私」の一部だと考えてよいのではないか、という提案はちょっとおもしろいと思った。生きものとしての「私」の再定義だ。
    残念ながらウイルスが生きものと言えるかどうかはわからないままだった。

  • 生き物とは何かを考えることは自分の成り立ちを考えることだ。

  • 世界と自分を知るための生物学
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480683441/

  • 生物学の泰斗だけあって幅広い知識を分かりやすく解説している.生物は子というコピーをつくることにより、体を更新しながら続いていく.これを伊勢神宮方式と呼んでいるがうまい表現だ.p114で紹介のあったエッセイ Sushi Science and Hamburger Science は非常に楽しめた.時間環境について議論している第九章 生物のデザインからみた現代文明 は視点がユニークで考えさせられた点が多くあった.

  • 生物の目的は?から始まって、生物にとっての時間とは?アリストテレス、アウグスティヌス、カントの哲学にまで話が及ぶこの本は生物学の奥深さを体感させてくれる。五感とは別に時間を感じる感覚がある。それが生物によって異なるということは新鮮だった。それがエネルギー消費量に相関するということも人間の老若と結びつけると面白い!2017年のノーベル賞という概日時計の考え方は初耳で、人間は平均24時間15分というのは驚くべき興味である。

  • やはりひどい。生物は科学でありながら目的を追求することが許される、という無意味なテーゼを正当化するために、アリストテレス等々、哲学者の名を借りた衒学書だろう。科学(物理、数学)に対する著者の稚拙で無思考な単純化が、生物学というか、著者のアイディアの優位性の根拠として主張されているところがいくつかあり、赤っ恥である。
    『ゾウの時間…』の現在的な焼き直し・書下ろしに過ぎないが、動物の時間の章だけが読みごたえがある、ここだけ切り取って出版されればよいかと。

  • 今までの本と同じ内容。
    文明批判、老人批判は気になる。

    総まとめとしては、良いかも。

  • 帯には「生物学入門の決定版!」とある。ちくまプリマー新書である。油断していた。ちょっとこれはいつもと違うぞ。なんだか哲学っぽい。そうこうしているうちにアリストテレスが出てくる。並行して「天然知能」を読んでいる。どちらで読んだのかが分からなくなってくる。そして一気に5章で小学生向け。これはいいと思っていたら、またそのあとは専門的になっていく。数式も出てくる。数式にはそれほど抵抗はないが、やはり難しいのは難しい。時間の速さはエネルギーの消費量に比例する。近現代、大量のエネルギーを消費することで、一定の物理的時間の中に、大量の生物的時間を食い込ませてきた。太古の昔、ながらくは、時間はゆるやかに流れていた。生物としてのヒトはそこから大きくは変わっていない。しかし環境が大きく変化した。我々は現在の時間のスピードについていけていない。それがストレスとなっている。パソコンがなかった時代はよかった、と思う。パソコンが導入されて、ネットがつながって仕事は格段に増えた。我々の生活はキカイに支配されてしまった。ストレスの連鎖。そこから抜け出そうともがいている。やはり本書は「生物学入門書」とは呼べそうにない。ところで、248ページ見田宗介が三田となっている。訂正願いたい。

  • 2019.02.28
    池田信夫 blog : オスは何のために存在するのか http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/52025542.html

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著者プロフィール

生物学者、東京工業大学名誉教授。

「2019年 『生きものとは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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