その情報はどこから? (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.37
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本棚登録 : 275
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683465

感想・レビュー・書評

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  • 情報の取捨選択についての1冊。
    教育に1人1台のタブレットが使われる令和の世に、本の世界のはしっこで仕事をする人間として、伝えていけることはなにかなあ、と。

    情報をアップデートし続けるのは大変だけど、今後はどれだけその波に乗り続けられるかがポイントになるなと思った。人間、常に勉強ということですね。

    中学生からぜひおすすめしたい、読みやすい1冊でした。スマホ、タブレットは使えて当然。そのなかから、情報で溺れる、惑わされることのないように。

    この本では触れられていなかったけれど、tiktokなどのフェイク動画系についても書かれている本はあるのだろうか?

  • ラジオの時代のオーソンウエルズ、ゲッペルスではないけれど、どの時代でもメディアの重要さとそれをめぐるあれこれと訳の分からない話はあるのだなあ。見抜こうと色々するのがリテラシーなのかどうか。うーん。

  • 子どもたちにはスマホを持つのと同タイミングで読んで欲しい本。だけど、低年齢で持たせてしまう大人たちほど手に取らなさそうだ。

    認知バイアスにしてもフィルターバブルにしてもそうだけれど、問題なのは子どもや若者ではなくて、何にも考えずに道具を買い与えたり、情報に触れさせたりしている大人世代じゃないのかな。「便利は正義」「双方向性万歳」という空気に流されて、自分の情報受容能力を過大評価してしまった世代のツケがその下の世代に回されている。

    例えば、ウィキペディアでコピペレポートを書いてしまう大学生の問題はもう随分前から指摘されていて、その対策アプリも出回っているのに、まだ書籍で取り上げられるくらいやらかしちゃう子がたくさんいるのか??とすれば、それは大学生の問題というより、レポートを書かせる先生方の指導不足じゃないのかなと。

    砂糖やガソリンと同じで、その便利さに飼い慣らされて容易に手を切れない存在になっているのが、情報端末。使いこなして賢くなったつもりがGAFAのハムスターになりさがっている現状を、自覚しつつ距離を図るか、無自覚なまま溺れるか。

    とりあえず、ん?これ、何次情報??どこ情報???何が目的???と突っ込みを入れるクセを身につけることと、人に喋る前に裏をとること。紙媒体の情報とのバランスをとること(ただし、紙媒体もやらかす時があるのを忘れずに。STAP細胞の時はひどかった)。コロナでインフォデミックが生じていることが指摘されている今だから、余計に大切なことだと思う。

  • 今さら誰もが承知していると思いますが
    ネットの情報は玉石混淆です。

    むしろ”石”の方が多いかもしれないです。

    それでも通常時は分別がつくかもしれない
    ですが、問題は災害などの緊急時です。

    いわゆる「デマ」に冷静に対処できる人
    がどれだけいるのでしょうか。

    普段から情報への感度を養うべき、と
    著者は警鐘を鳴らします。

    一方では面白い提言もあります。
    「ウキペディアタウン」というものです。
    その地域の住民が町歩きをして、その町の
    文化財や観光名所などの情報を調べます。
    そしてその内容のウキペディアを編集して
    その町についての情報発信をするのです。

    地域活性化にもつながるのでは、という
    提案です。

    ネット社会はこんな活用方法もあるの
    です。

  • 前半のトピックは記者さんならではのもので、大変勉強になった
    後半については、個人的には既に持っている問題意識ではあるものの、大変分かりやすい文章で中高生または大学生におすすめしたい内容

  • ウェブ経由で入手する情報について、そのソースや情報流通の仕組みをちゃんと知って選別・活用しようという内容。驚いたのは、SNSでの偽情報をもとに、それを信じた人が事件を起こしたりしている事例が実際にあるということでした。。最後には、信頼できる情報が得られる場所として図書館が紹介されていました。

  • 子供の課題図書だったのでついでに読んでみた
    昨今の話題がわかりやすくまとめられて読み易い図書でした
    著者と同年代と言うことで情報の液状化という表現には非常に共感した 広告の仕組みはもちろん理解しているものの非常に巧妙化していることに改めて気づかせられた

  • 大手新聞記者を経て現在インターネットのニュースサイトの記者である筆者が、私たちの行動や考えが知らず知らずのうちに偏ったインターネット情報に影響されていないかを問うて情報源をきちんと当たる大切さを記す。

  • ●ヤフーには1日4000本のニュースが配信され、目利き25人がトピックスとして80本程度選ぶ。
    ●新聞レイアウトは、トップ肩ヘソ。しかしネットでは並列化されてしまう。
    ●みんな本当に愚かなんだ。彼らはただ次から次へと転送していくだけで、誰もファクトチェックすらしない。
    ●トロールとは一体何者なのでしょうか?ネットスラングで、掲示板やSNSで虚偽や不快な投稿と言った、「荒らし」や「釣り」をする人のことを示します。かねてより、ロシアサンクトペテルブルクにはトロール工場と呼ばれる工作組織が存在すると報じられてきました。
    ●ネット上の「声の大きさ」と、現実にその声に賛同する「人の多さ」は、=と考えない方が良いのです。ネットではあんなに支持されているように見えた政党や政治家が選挙では全く票が伸びず…なんて事は実際にあちこちで起きています。
    ●「確証バイアス」は曲者で、ついニュースでも自分に都合の良い、耳障りの良いものばかり見てしまいがちです。自分の子供ニュースをひたすら集め、、、ユーザ同士でシェアし合い、独自のメディア生態系を作り上げていたのです。実は、各紹介やつをさらに加速させる装置がインターネットにあります。それが「フィルターバブル」です。
    ●確実さ、所蔵資料の安定性、を欠いたインターネットは、決して図書館にはなり得ない。

著者プロフィール

猪谷 千香(いがや・ちか):東京生まれ。明治大学大学院博士前期課程考古学専修修了。新聞記者、ニコニコ動画のニュース編集者を経て、2013年にはハフポスト日本版の創設に関わり、国内唯一のレポーターとして活動。2017年からは弁護士ドットコムニュース記者。『つながる図書館』(ちくま新書)、『その情報はどこから?』(ちくまプリマー新書)、『町の未来をこの手でつくる』(幻冬舎)、共著に『ナウシカの飛行具、作ってみた』(幻冬舎)がある。

「2023年 『小さなまちの奇跡の図書館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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