なぜ科学を学ぶのか (ちくまプリマー新書 335)

  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683601

作品紹介・あらすじ

科学は万能ではなく、限界があると知っておくことが重要だ。科学・技術の考え方・進め方には一般的な法則がある。それを体得するためのヒントが詰まった1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2021年11月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00546544

  • 「科学する」とは
    ①仮説を提案する
    ②実験・観察を行って仮説を検証する
    ③過不足なく検証できれば法則として採用する
    上記の過程をいう。
    この過程を色々な物事に当てはめて、科学的に考えるとはどういう事かというのを具体的に示している。

    また、最終章では今科学を学んでいる若者へ向けてのメッセージとなっているが、
    その全てが今のコロナ禍で自分が、そして世の中の科学者が科学的思考に基づいて色々な判断をしているかどうか自省する内容となっている。
    本書を読むと世の中で批判されている某専門家が科学的にはとても真っ当だということがわかる。

  • 【信州大学附属図書館の所蔵はこちらです】
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB29012410

  • 筆者は、科学に依拠する部分が多い時代だからこそ、科学がからむ問題に対して適切な決断ができるよう、科学(的な考え方や手法)の特性ゆえの限界や負の側面を知ることが大切とし、本書でそれらについて説明しています。

    ・科学では、現象のうち、調べたい事柄だけにしぼって問題を単純化した上で法則を導き出す方法(要素還元主義)をとってきた
    ・もちろんそれで解明が進んだ部分も多いが、それだけに、現実には、科学だけでは解けない問題もあり、それをトランスサイエンス問題と呼ぶ
    ・特に個人の特性に関わるようなことについては、科学では統計をとって確率としてしか結論をだせないことがある
    ・しかし現実には選択が必要なことも多いため、リスクの評価(許容可能なリスクの範囲を便宜的に決める)などの対応が必要。

    研究データの保存公開の重要性にもふれられていました。

  • 若い人達への科学啓蒙書。現在の文明社会を生きるには、科学的な見方・考え方を日頃から鍛える必要がある。様々な事象に対し科学的な考え方があれば、より良く生きることができるはずと言う。
    自分が若い頃は、好き嫌いは別として科学的な考え方を持つこと、勉強することは当然の事と思っていたが、こういう本が若い人向けに刊行されるということは、科学嫌いの子供達が増えているのかもしれない。様々な情報が氾濫して、メディアで流される情報が必ずしも正しいとは限らない。情報を鵜呑みにして失敗する人も多い。だからこそ科学的な見方を鍛える必要があるのだろう。でもそういう観点で読むと、著者がこの本に書いたことも多少見方が分かれるかもしれない。

  •  科学の魅力、大切さ、恐ろしさが、よくわかったのが、この本を読んでよかったと思いました。
     本書の第一章で、科学という分野の生まれ、名称が採用されたことにも触れ、続く第二章は連綿と地道に続けられてきた研究によって見えてきた地球の変化、宇宙の歴史も入門的に解説があります。
     第三章は科学の考え方。
     科学への興味を刺激するだけで終わらせず、四章、五章では、現代社会で「科学」が直面している政治・軍事・経済の面までも紹介されています。
     一冊での読み応えに満足しました。

  • 何も学んでおかないと、いざという時に勉強しようとしても間に合わない。
    1.なぜその事柄が起こったかの仮説を持ち、
    2.それが事実であるか事実ではないかを様々な証拠によって検証し、
    3.その事柄の背景にある、まぎれもない1つの確かな真実を発見する

    1.なぜそうなったのだろうと考え、
    2.道筋が経った推論を客観的にたどり。
    3.もっとも合理的と思われる考えを最終的な結論とする

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著者プロフィール

1944年姫路市生まれ。名古屋大学・総合研究大学院大学名誉教授。1967年京都大学理学部卒業、1972年京都大学大学院理学研究科博士課程修了、1975年京都大学理学博士。京都大学理学部助手を皮切りに、北海道大学理学部・東京大学東京天文台・大阪大学理学部・名古屋大学理学研究科を経て、総合研究大学院大学教授・理事の後、2014年3月に定年退職。九条の会世話人、世界平和アピール七人委員会委員。著書に、『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書、1996年)、『寺田寅彦と現代』(みすず書房、2005年、新装版2020年)、『科学者と戦争』(岩波新書、2016年)、『物理学と神』(講談社学術文庫、2019年)、『江戸の宇宙論』『江戸の好奇心』(いずれも集英社新書、2022年、2023年)、『姫路回想譚』(青土社、2022年)他多数。

「2024年 『新潟から問いかける原発問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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