はずれ者が進化をつくる --生き物をめぐる個性の秘密 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 687
感想 : 69
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683793

作品紹介・あらすじ

「平均の人間」なんて存在しない。個性の数は無限大。生き物各々が異なっているのには理由がある。唯一無二の生命をつなぐための生存戦略がここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 生き物の話かなと思って読んだが、
    10代若者向けかなと思う内容でした。
    君は君の、生まれながらにそれぞれの個性があるみたいな。
    自分の子どもに読んで欲しい。
    読みやすい文体です。
    生き物が進化していった生存戦略みたいなことや、筆者は雑草の研究者らしいので、植物のこととかとても丁寧に書かれていて興味深く読んだ。
    それらに絡めて、人生を過ごす上でのアドバイスやヒントなどが書かれている。

    最後の方で。
    生きるって事は、ただそれだけの事。
    赤ちゃんから成長して大人になり、老人になる。そこにはなんの努力もなくて、意思もない。
    人間は脳が発達しているから考えすぎてしまって、生きにくいとか死にたいとか思ってしまう時がある。そんな時は一つ一つの細胞を考える。死にたいなんて言う細胞は私の中には居ない。心臓も肺も働くのをやめない。
    生きるってことは単純なこと。

  • 自然科学と思いきや、哲学・人生応援ブックでした。
    迷子になっている人が、この本と出会えるとよいな。

    Ⅰ時間目:「個性」とは何か?
    …オナモミの実には早く芽を出す種子と芽を出すのが遅い種子の二つが入っている。
    ←どちらもオナモミの戦略に必要。個性がいらない共通項と、必要な個性、なぜかを考えてみる。

    2時間目:「ふつう」とは何か?
    …人間は整理されていないものが苦手。自然のなかに「ふつう」も「平均値」もない。
    ←「ふつう」は考えることをストップしてしまうことなのかも。

    3時間目:「区別」とは何か?

    …「もともと分けられないものを分けようとするからダメなのだ。」チャールズ・ダーウィン
    ←まさかのダーウィン先生が!

    4時間目:「多様性」とは何か?
    …実は、ナンバーワ1しか生きられない。ただし、それぞれの環境や性質など、複雑なニッチのなかで。
    ←自分のニッチはなんだろうか。

    5時間目:「らしさ」とは何か?
    …「らしさ」の呪縛を解いたときに、自分を見つけることが出来る。
    ←レッテルは、可能性を封じてしまうのかも。

    6時間目:「勝つ」とは何か?
    …草いろいろおのおの花の手柄かな  松尾芭蕉
     一見敗者に見えるものが、進化への切符を持っていることもある。
    ←負けてもいいのだ。少しだけ、がんばろう。

    7時間目:「強さ」とは何か?
    …人間は、弱いから進化した。ネアンデルタール人は、賢く強い存在だったが、助け合うことがなかったために滅んだといわれている。
    …盛者必衰。塞翁が馬。

    8時間目:「大切なもの」は何か?
    …雑草は踏まれて倒れたら、実は起き上がらない。
     立ち上がらなくてもいい、伸びなくてもいい。
    ←じっとしててもいいし、どこに力を注ぐか考えてみる。

    9時間目:「生きる」とは何か?
    …生きることに力はいらない。
    ←空、見あげてみる!

    天上天下唯我独尊
    …意味を間違えて覚えてた…。某・星の戦士たちのマンガや神さま2人の休日マンガが悪いと思うの。

  • 978-4-480-68379-3
    C0245¥800E. 一般・新書・生物学

    ちくまプリマ―新書353.
    はずれ者が進化を作る
    生き物をめぐる個性の秘密

    2020年6月10日 初版第1刷発行
    著者:稲垣栄洋(いながき ひでひろ)
    発行所:株式会社筑摩書房
    イラスト:花福こざる
    -------------------------

    はじめに
    1 「個性」とは何か?
    2 「ふつう」とは何か?
    3 「区別」とは何か?
    4 「多様性」とは何か?
    5 「らしさ」とは何か?
    6 「勝つ」とは何か?
    7 「強さ」とは何か?
    8 「大切なもの」は何か?
    9 「生きる」とは何か?
    おわりに
    ----------------------------
    裏表紙より
    「平均的な生き物」なんて存在しない。
    個性の数は無限大
    唯一無二の命をつなぐために
    生き物たちがとってきたオンリーワンの生存戦略
    -----------------------------
    はじめにに
    本書は若い読者に向けて書いた筑摩プリマ―新書として
    ・植物はなぜ動かないのか
    ・雑草はなぜそこに生えているのか
    ・イネという不思議な植物
    に続く4冊目の本であり、独立した内容であるが、「個性」について説明するうえで、エピソードとして重複する部分がある。
    と、有る。
    ----------------
    植物とか生物とかに興味を持っていなくても、若い人でなくても楽しめます。
    ゾウリムシの実験も興味深かったです。居場所を間違えると滅んでしまう。人間は(私は)居場所を間違えてないかしら…?と。

  • 「生き物はみんなオンリーワンであり、ナンバーワンである」
    「生きたくない生き物はいない。ただ与えられた今を生きる」
    生き物から教えてもらうことがたくさんあった。
    生物学の本だが、まるで哲学書のような一面もあって面白かった。

  • 生き物の個性や進化について、動植物を例えとしながら、とても分かりやすく書かれている。

    人間の脳の限界、ジャガイモの悲劇、ニッチという考え方、敗者が進化する、等々とても興味深い。
    難しい言葉もなく、子供達にも読んでもらいたい作品。購入して時々読み返したい。

  • 古来より、生物は自分の命をつないで、現在に至る。
    その過程で、一番であるものだけが生き残って、バトンをつないできたわけではないことが、雑草から人類までの進化を見て、勇気をもらった。

    自分に自信がない、そんな若い子から、わたしのような人、たくさんいると思うが、ぜひ読んで欲しい。

    あなたは必要なんだよ、あなたはあなたのままでいいんだよ、という言葉の裏付けが、本書を通して感情論でない説明ができるし、納得した。

  • 多様性をテーマにする展示で出会った本。「七時間目 強さとは何か?」が印象的だった。

    john philip grimeという生態学者によると、植物が成功するための強さは3種類あるそうだ:
    ①競争に強い
    ②過酷な自然環境に耐えられる
    ③変化を乗り越える力。

    例えば、雑草は①②は弱いが③は強い。(森林だと他の植物との競争に破れるし氷山では耐えられないが、人に踏まれたり刈られたりしてもすぐ生えてくる!)

    ①〜③は動物にも言える所はありそう。
    競争や戦いに強いものが勝つとは限らないし。(例.チーターvsガゼル)

    人類は動物界において肉体的に最強ではないが、生き延びている。それは僕らが知性という武器を持っていたからだ。

    さらに人類の中でも、ネアンデルタール人ではなく僕らホモサピエンスだけが生き残った。ネアンデルタール人は僕らホモサピエンスより身体能力が高く脳の容量も大きかったというのに…。
    それはホモサピエンスが「助け合う」という能力を発達させたかららしい。

    ---

    僕は競争が嫌いだし(①)、長時間労働も耐えられない(②)。けれど変化を乗り越える力は意外とあるのではと期待してみたり、あるいは全く違う切り口の強さがあると妄想してみたり。
    自分の中に弱さがある限り、自分の新たなポテンシャルを探す旅を続けてみたくなるもんですわ。

  • 生物は必要のない個性を持たない。私たちの性格や特徴に個性があるということは、その個性が人間にとって必要だから。「違い」を大切にする。すべての生物がナンバー1になれる自分だけのニッチを持っている。持っている力を発揮できるニッチを探すことが大切。

  • 何でも「収斂」していることが良いような感じで生きてきたが、「外れ値」も意味があるのだと改めて思う。現代は「外れ値」をあまりにも排除しすぎかもしれない。

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著者プロフィール

静岡大学教授、みちくさ研究家
稲垣栄洋(いながき・ひでひろ)
1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院修了。農学博士。専門は雑草生態学。農林水産省、静岡県農林技術研究所などを経て、現在、静岡大学大学院教授。農学研究に携わる傍ら、「みちくさ研究家」として身近な雑草や昆虫に関する著述や講話を行ない好評を博する。著書に、『身近な雑草の愉快な生きかた』(ちくま文庫)、『はずれ者が進化をつくる』(ちくまプリマー新書)、『生き物の死にざま』(草思社)などがある。

「2023年 『面白すぎて時間を忘れる雑草のふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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