子どもを守る仕事 (ちくまプリマー新書)

  • 筑摩書房
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683885

作品紹介・あらすじ

いま、「子どもを守る仕事」、すなわち児童福祉の仕事が見なおされています。日本の社会がゆがみ、その影響を無垢な子どもが受けているからです。本書では、保育士、教師、児童養護施設職員、児童相談所職員、里親、ソーシャルワーカーなど、子どもの成長に関わるすべての職業の魅力と意義、働き方を考えます。

感想・レビュー・書評

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  • ◯表題と佐藤優氏に惹かれて手に取ったものの、この本は一体何がテーマだったのか…?と思うような内容。
    ◯児童福祉に関係した職種は様々あり、それらの職種について解説及び連携について、児童福祉に関連の深い先生方からの現場に即した話が聞けるのかと思っていた。
    ◯しかし、内容の半分は先生方の現在に至るまでの経歴(もしもこの先生方の生涯が児童福祉の歴史だ、ということであればそれはそれで良いのであるが、そこまでの傲慢さはこの本にはないと思うと、何故ここにこれだけのページを割くのか…?)、その後の展開は、みなキリスト教とだけあって、やけに宗教的な精神からの福祉に対する姿勢が描かれている。悪くいうつもりはないのであるが、なんと無く押し付けがましいのだ。
    ◯学ぶところもあった。福祉の基本的姿勢、傾聴からさらに深めての全てを受け入れる姿勢というのは、なかなか困難な境地ではあるが、福祉には重要なことだと感じる。
    ◯また、他にも得た点といえば、政府の方針で児童福祉施設から里親への転換を進めているが、この本では先行するイギリスの事例を踏まえて、施設の良さを説明している。なるほど、さもありなんと感じる。しかしやや先生方に配慮したのか、と穿った見方もしてしまった。
    ◯結論から言うと、やはりある程度内容を確認してから読んだ方が良かったと感じてしまった…

  • 「子どもを守る仕事」をテーマに、
    日本の戦後の復興期から今日まで長年、
    社会福祉の道を歩んできた遠藤久江さんのオーラルヒストリーを
    佐藤優さんと池上和子さんによる対話的聞き取りを
    基軸にしつつ、そこから投げかけられた
    現実と課題を検討したもの。

    本当、身近にこういう子どもたちがいなくて
    あまり真剣に考えてこなくて申し訳ないです。
    こういう仕事に携わっている方々
    本当に凄いと思います。
    自分は税金払って協力です。
    それしか能力ありませんので。

    ひとつ理解できないのが、P140にある
    1995年と2018年の統計によると正社員は
    わずかしか増えていない、とあるのですが
    私には減っているように見えるのです。
    (総務省「労働力調査」)

  • 「『子どもを守る仕事』の領域が広がっている」幾らでも人が必要ってコトですね。

    筑摩書房 子どもを守る仕事 / 佐藤 優 著, 遠藤 久江 著, 池上 和子 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480683885/

  • 岡山孤児院を作った石井十次さんを評した言葉、
    「対象に近づいて一緒になることと、大局に見るということが自分の中で内的に統合できた珍しい人だ」
    という言葉が印象に残った。
    「社会福祉の仕事は、たった一人の命と生活を守る為に行動することと同時に、社会全体に働きかけることが大事だ」という同意の文章が続いた。

    いつも意識して仕事をしていきたいことだなと思う。

  • ●わが国では社会的養護を必要とする子供たちへのしわ寄せがいっそう強まっている。
    ● 2015年の日本の相対的貧困率15.7%。子供の貧困は、13.9%。つまり17歳以下の子供のうち7人に1人が貧困であると言うこと。
    ● 2019年に虐待で亡くなった児童が54人もいる。

  • 369.4

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00608312

    いま、「子どもを守る仕事」、すなわち児童福祉の仕事が見なおされています。社会がゆがみ、その悪影響が未来ある子どもに及んでいるからです。本書では、保育士、教員、児童養護施設職員、児童相談所職員、里親など、子どものいのちと生活を守る職業の魅力と意義、働き方を考えます。(出版社HPより)

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/755635

  • 著者の佐藤優さんって、あのロシア通で元外交官作家のあの人と同姓同名なのかなと思ったら本人だった。佐藤さんは子どもの社会的養護のような分野にも関心があるようで、心理師の池上さんと二人して、その世界で長らく活動してきた遠藤初江さんのオーラルヒストリーを引き出すという趣向。
    3人が同じ方向を向いている鼎談は、そうですね、そうですねとスムーズに話が進みいまいち面白さには欠ける。ネームバリュー的には佐藤さんが突出していて、だから筆頭著者でもあるんだろうけど、やっぱり現場で経験を積んできた二人に及ぶものではないはず。それなのにいろいろ解説してくれたり持論をぶってくれるのはちょっと煩わしい。
    佐藤さんも遠藤さんもクリスチャンということもあるんだけど、「自力でできると思わないほうがいいですね。祈ることが重要なんです。」(遠藤、p.213)みたいな話で一致してるあたりはどうなんだろうと思った。確かに社会的養護の世界ってクリスチャンの人たち頼みのところがあるだろう。クリスチャンの人たちにとっては「祈り」ながらかかわっていくことが重要かもしれない。でも「クリスチャンの社会的養護」じゃなくて、社会的養護そのものがテーマなのだから祈りという概念はひとまずおいといたほうがよかったのではないだろうか。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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