みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT (ちくまプリマー新書 377)
- 筑摩書房 (2021年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480684035
作品紹介・あらすじ
恋愛における変なルール、個性を押さえつける校則、家族は仲が良くないといけない…。性の多様性を考えることで、「当たり前」から自由になれる。
感想・レビュー・書評
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私の狭い交遊範囲の中に、LGBTである人はいない。でも、それは知らないだけかもしれない、ということがここ数年でやっと分かってきた。
どういう苦しさを抱えてきたのか、どんなことが壁なのか、どんな社会が理想なのか・・・もちろんLGBTの人に限らず全ての人にとってそれらの答えは千差万別なのだけど、当事者でもある著者はできるだけ"個人の考え"になりすぎないよう、工夫しながら書いている。
個性、という側面から書かれた部分もあり、学校でのさまざまな制約や同調圧力によって"自分を押し込めなければいけない場面"があるんじゃないか、と問いかけている。LGBTでなくとも、自分らしさについて考えるタイミングは必ずある。その気づきから、他者への想像力も生まれるといいな、という流れの一冊。 -
LGBTに特化した訳ではなく、広く多様性とは?というテーマで呼びかけている。当たり前って何だろう、何をもって当たり前になるのかな。
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友だち、個性、家族など身近な悩みから考える入門書。著者はトランスジェンダー当事者だが、LGBT以外の多様な性についても触れている。「当たり前」に縛られた社会は息苦しい。もっと自由に生きたいと願う人にすすめたい。
BLや百合を当事者はどう思うかずっと気になっていた。「様々な人がいるので、ネタにされて嫌だと思う人もいれば自分もファンという人もいる。描き方によっても評価は分かれる」という答えが腑に落ちた。それはそうだよね、異性愛を扱った作品だって同じ。 -
367-E
進路・小論文コーナー -
個性に関する章が特に興味深かった。
障害は個性、なんて言う人はいるが、当人にとっては障害は障害である、という考えを持っている人が多数いるという現実が深く胸に突き刺さった。障害は個性、なんて薄っぺらいことは言わないように真剣に障害について考えようと思えた。
また、日本の教育上苦手を克服することに重きを置かれているが、得意をひたすら伸ばすのが現代では求められてると思う。苦手すぎるのはよくないが、ある一定くらいできたらいいではないか、と思えた。 -
知っているようで知らないLGBT
中高生への導入になるかなと思って読んでみたが非常に読みやすかった。身近な人ほど言いにくいことがあるし、他人事と思っていては決していけないと思う。どう向き合うか考えさせられた。 -
身近な人ほど言えない。
それは、性に関することだけでなく、悩みであったり不安であったり、自分の中でマイナスなことを親しい人に打ち明けるのは誰しも躊躇ってしまうだろう。私自身、厳密に言うとLGBTではないが、性に関してはかなりのマイノリティであり、読んでいてものすごく共感できた。親にはそれとなく伝えてみたが、理解はされない。親しい友人にはまだ打ち明けられていない。大切な存在だからこそ、否定されるのは怖い。
恋愛についても、同性を好きになると上記と同じようなことが起こる。生きづらい。だが、それもまた自分であるから仕方ないと割り切って生きる。そんな生き方も悪くないと思うのだ。 -
大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/683317 -
LGBTのことだけでなく、人と違うことについてわかりやすく書かれていた。
カミングアウトしてもしなくても暮らしやすい世の中になってほしい。
「障害は個性」ではなく「障害は障害」って言葉にハッとした。