集団に流されず個人として生きるには (ちくまプリマー新書 421)

  • 筑摩書房 (2023年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784480684486

作品紹介・あらすじ

過剰に叩かれる宗教団体、危機を煽るメディア、ネットの炎上……集団は強い絆と同調圧力を生み、時に暴走する。そこで流されないためにはどうすればいいのか。

感想・レビュー・書評

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  • 人はなぜ集団化して暴走するのか――自由への不安・忖度・同調圧力|ちくまプリマー新書|森 達也|webちくま
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/3048

    森達也オフィシャルウェブサイト -トップページ-
    http://moriweb.web.fc2.com/mori_t/

    筑摩書房 集団に流されず個人として生きるには / 森 達也 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480684486/

  • 仕事をしていて慣れも出てきて集団に流されていることが多いと思い、どうやったら流されないのか気になりこの本を読みました。

    内容は、なぜ流されるのかを戦争などの過去の事例から解説したり、人間の心理的特性から解説したりと色々な視点、メディアによる集団化の視点があり、面白かったです。

    また、ネット社会の特性も書かれており、日本人の特性がよく出ていることもわかりました。

    集団に流されないようにする方法も書かれており、日々の生活の中で実践していきたいと思います。

  • すごい大事なことが書いてありました。わかってはいたけれど、集団の中で個を保つのはむずかしい。

  • “負の歴史を見つめること。記憶すること。そしてメディア・リテラシーを身につけること。メディアの弊害を覚えること。世界は多面的で多重的で多層的であることを知ること。集団に帰属しながらも、しっかりと一人称単数の主語を保つこと”

  • 思っていたのとは少々違っていて、どっぷりテーマについて語るというよりは、ディスカッションなのでサクッと読めました。

  • #集団に流されず個人として生きるには
    #森達也
    #ちくまプリマー新書
    #YA
    #読了
    難しかったが、自分にとって必要な本だと感じ読み続けた。予想以上にスケールが大きく素晴らしかった。やはり歴史と世界を見なければ。小集団であっても大きい集団であっても真理は同じ。集団は暴走する。自覚的になろう。

  • タイトルを聞いた第一印象として思い出すのは、梨木香歩「僕は、そして僕たちはどう生きるか」 (岩波現代文庫)。「群れが大きく激しく動く/その一瞬前にも/自分を保っているために」。

  • 書いてある内容は納得することばかりですが、独り語りのような文章のため、批判的な視点がほしいなと感じ、星を1つ減じました。ただ、この本のテーマが個人としての視点・主張ができるようにというものなので、あえて独り語り風にしているのかもしれないとも感じました。集団と自分を同化させて、強い言葉を好んで使う人が増えている時代、いろんな方にこの本を読んでほしいと思います。

  • 【一人称単数】
    群集心理について、有名な研究を紹介しつつ、世界や日本の実例に触れながら教えてくれる本。身近な経験にも重ね合わせながら読めると思う。

    ギュスターヴ・ル・ボンの『群集心理』が発行されたのは、1895年。

    当時の日本は、日清戦争の終わり、そして同年に韓国の王妃の閔妃をその宮廷内で暗殺する。

    『群集心理』では、多くの人が群衆の一人になった時、暗示を受けやすく物事を軽々しく信じる性質」を与えられるとする。(本文より)

    この本が出された後。逆に権威はこの作用を濫用して多くを成し遂げてきているのかもしれない。逆にそうして利用されてきた個々人は、この作用が示されているにもかかわらず、それに対抗するための思考、教訓からの学び、そして行動がまだまだ不足しているのかもしれない。



    歴史的出来事の例として挙げられていたのは、日本の満州事変、第二次世界大戦を始めたドイツのポーランド侵攻、そしてナチスによるユダヤ人虐殺、21世紀に入ってからのイラク侵攻、ウクライナ侵攻…

    人間の傾向として、不安恐怖を抱くと群れる、という。そして、群れは、異質を排除しようとする。

    群れることで安心を得ようとする人々の心理。これは、個々人にも経験があると思う。

    人は、時代とともにより多くの自由を得る一方で、自由は孤独と隣り合わせ。

    エーリッヒ・フロムによると、自由に耐えられないと権威に服従する。他者を排除する傾向にある。

    ジャニスが論じる「集団浅慮」では、人が群れたときに考えが浅はかなまま行動することをいう。

    ハンナ・アーレントは、そうした思考停止に警鐘を鳴らす。

    委縮、忖度、思考停止。有名な研究事例は、ナチスドイツ時代のアイヒマン、ヘス。



    著者は、特に日本は、群れる傾向が強いと考える。

    空気、世間という全体の動きに合わせる。

    震災で叫ばれた、キズナ。この語源はしがらみなどだという。

    群れること、まとまりを作ることで、同じ動きをすることを全体の流れとして決める。

    個人的にふと思ったのは、「社会人」になる時に多くの個人が皆に倣って不本意でも同じ動きをすること。自立、責任が求められる中で、多くの不安がある。だから、より周りに合わせようとする傾向が強まるのかもしれない。

    メディアはこの本の議論の中でも重要なポイント。市場原理と切り離すべきジャーナリズムはその役割と立場について、市場原理と切り離すべき、という。

    ジャーナリズムの自主規制が幻想であるとし、メディアは明確な規制がないことを恐れている点についても述べられていた。

    最近では、2022年12月に閣議決定された、敵基地攻撃に関する法案について。この件では、敵基地への攻撃を「反撃」と言い換えていると指摘。

    これまで戦争などにおいても、全体の統制を要する際に権威による言い換えが目立つ。

    全滅を玉砕、後退を転進、と言っていたのは最近よくいろいろな本でも触れられていた。

    そして今日も、この権威による群集心理の濫用が継続されていること。

    日本で特有の被疑者の実名報道についても書かれていた。

    これも、人間の善悪を分けるカテゴリー付けが強い、事につながりがあるのかもしれない。訂正可能性を許さない傾向。

    一方個人的に思ったのは、記者の実名投稿について。この本では触れられていなかったけれど、逆に記者個々人の名前が各記事に記載されないことが日本ではよくあるのではと思ったりしていて、これはどう関係するのかな。報道内容に対する責任の不在、みたいなのが起こりえないのかな、とか思ったり。

    SNSでも日本は特出してアノニマスなアカウントが多いという。だから著者は、一人称単数での発信、行動を奨励する。

    そして、ネット上でも、声の大きいものに巻かれるエコーチェンバーの作用についても注意を促す。

    結論として、

    今必要なのは、メカニズムを探る、歴史、教訓を学ぶ、一人称単数の主語を抜かないこと。個人名を出さずに投稿している私も、群れの中での安心感に浸る傾向が強い。

  • 負の歴史を見つめること。記憶すること。そして、メディアリテラシーを身につけること。メディアの弊害を覚えること。世界は多面的で多重的で多層的であることを知ること。集団に帰属しながらも、しっかりと一人称単数の守護を保つこと。

  • 361.453モリ
    集団は時に「同町圧力」を生み、暴走することも。立ち止まって「おかしい」と異を唱えることはできるか。
    メディアと社会と政治が三位一体であるという著者。この3つは互いに影響しあうという特性を持つ。
    現在SNSで気軽に情報を社会に発信できるがメディアをどのように使うかが重要だ。どのようにメディアを解釈すればよいか、歴史をふりかえりながら論じている。

  • とりわけ同調圧力の強い日本で、集団に帰属しながらも、しっかりと一人称単数の主語を保つことの難しさ。

  • メディア・リテラシーを持つことがいかに重要か、具体例をたくさん挙げつつわかりやすく説明してくれる本。

    視点や解釈の違い、情報はすべて誰かの視点であり解釈であることを意識してメディアに触れたい。

    メディアと社会と政治は三位一体

    ドイツの戦争のメモリアルディの日本との違いについても知った。戦争の始まりと自分たちの加害をメモリアルにしたドイツと戦争の終わりと自分たちの被害をメモリアルにした日本。

    一人称の主語を持つことの大切さ

    過ちや失敗の記憶を継承し、忘れないでいることの大切さ

    What are your thought and beliefs made up of ?

  • 負の歴史を見つめること。記憶すること。
    メディアリテラシーを身につけること。
    メディアの弊害を覚えること。
    世界は多面的で多重的で多層的であり、どこから見るかで景色は全く変わる。
    情報において事実はなく、すべては解釈だ。
    =情報の本質。
    集団に帰属しながらも、しっかりと一人称単数の主語を保つこと。

    これができたら世界が変わる。
    それまで見えなかった領域が見えてくる。


    集団化が起こる要因、その功罪を人類の歴史とともに分かりやすく教えてくれる1冊。

    特に日本は集団による同調圧力が強い社会だからこそ、周りに流されたり、メディアからの情報に振り回されるのではなく、自分自身の頭で考え、いろんな角度から物事を見つめることで、本質を見抜く力を鍛えていかないといけないのではないか?と著者は訴えかけているように感じた。

    情報を受け取る側だけでなく、誰もが情報を発信する側になれる現代
    自由と責任は表裏一体であることがよくわかる。
    「言葉」の裏側にある意図にもっと敏感にならないといけない。
    なぜ、その言葉が使われているのか?
    何を伝えようとして、何を隠そうとしているのか?

    鵜呑みにせず、クリティカルシンキングすること。

  • 2025/05/12読了

  • 小論文対策推薦図書 社会学系

  • 背ラベル:361.453-モ

  • メディアが機能不全を起こせば、悪い影響を与える。メディアと国民の同質化、その国民が選ぶ政治家も同じレベルになる。
    メディアが増えた。今後も加速する。
    上野の国立科学博物館。
    人間は群れたから成長できた。副作用がある。場の空気を読むのは本能。
    暗示を受けやすく信じやすい性質がある。
    集団は暴走する。
    断言と反復で戦争に導ける。
    自由の責任に耐えられない=フロム『自由からの逃走』
    放送禁止歌の規定はない。自主規制だけ。

    国別のキャラクターの証明=エスニックジョーク。船が沈没するときの飛び込ませるアナウンスの例。
    集団性は、マスゲームを見ても、どの民族にも共通する傾向だが、日本人は強いのではないか。

    世間、というのは外国語に翻訳しずらい。
    日本人の集団性は天皇制が影響を与えている可能性がある。
    人間は共同体に属さなければ生きられないが、帰属の度合いは考えるべき。
    不安が強くなったとき、強い力や有名人に惹かれる。思考が止まるから。
    SNSはエコーチェンバー現象が起こる。似たような思考の人が集まる。違う意見は聞きたくない。

    関東大震災で朝鮮人を虐殺した話と同じ。信濃毎日新聞、新愛知、で事実ではない号外が出た。これが関東に伝わって、朝鮮人がりが始まった。
    戦争がなくならないのは、闘争本能があるからはなく、自衛本能があるから。
    メディアは不安や恐怖をあおる。そのほうが売れるから。しかし、権力の監視も重要な役割。

    毎日新聞の沖縄返還協定の密約のすっぱ抜きは、事実よりも不倫スキャンダルによる情報入手のほうが注目された。情報源を守るというジャーナリズムのルールを守っていない。
    メディアの監視機能が機能するには、社会にも成熟が必要。
    不安や恐怖に関する遺伝子としてセレトニントランスポーター遺伝子がある。L型は楽観的、s型は悲観的、アジアはS型が多い。日本人は突出して多い。

    大杉栄、伊藤野枝の死、亀戸事件。

    熊本地震のときの動物園からライオンが逃げたというデマ情報の例。SNSで拡散した。
    イラク戦争のフェイクニュース=少女ナイラ、油にまみれた水鳥。
    フェイクニュースは衝撃的だからこそ広まる。

    戦争のとき新聞が恐れたのは真実を伝えたときの不買運動。
    反撃、と呼ぶか、敵基地攻撃、と呼ぶか。

    SNSはカスタマイズされている。
    すべての情報は誰かの視点である。世界は多層的であり多面的である。
    ツイッターは日本中心。アクティブユーザーの数はアメリカと同数いる。日本は匿名が好き。ツイッターは匿名が可能。匿名率は75%。
    報道では実名報道を優先する=メディアの競争原理。自分は隠したいが他者は知りたい。
    誹謗中傷は放置されるほうが多い。下手に反論すると火に油になる。
    日本は団体スポーツが得意。

    メディアと教育は不可分。どちらも同じくらいリテラシーが発展する。
    情報はすべて解釈。

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや) 広島県呉市生まれ。映画監督。作家。テレビ番組制作会社を経て独立。1998年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i―新聞記者ドキュメント―』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社) 、『死刑』(朝日出版社)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(ちくま文庫)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)、『集団に流されず個人として活きるには』(ちくまプリマー選書)、『歯車にならないためのレッスン』(青土社)、『COVID‐19』、『極私的映画論』(以上、論創社)など多数。編著に『定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会』シリーズ(論創社)など。2023年9月1日、関東大震災の5日後に千葉県の福田村で起きた行商団9人の虐殺事件をテーマにした映画『福田村事件』が公開された。

「2025年 『人はなぜ他者を差別するのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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