「叱らない」が子どもを苦しめる (ちくまプリマー新書 449)

  • 筑摩書房 (2024年2月8日発売)
4.27
  • (57)
  • (36)
  • (17)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 773
感想 : 65
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784480684745

作品紹介・あらすじ

叱られないのに、学校がつらい

「叱らない」教育に現役スクールカウンセラーが警鐘を鳴らす一冊。なぜ不登校やいじめなどの問題は絶えないのか。叱ること、押し返すことの意義を取り戻す。



現在、不登校状態の子どもは小中学校合わせて約三〇万人。これまでは「無理させず休ませる」支援が主流でしたが、それだけでは改善しない事例が増えてきていると、現役のスクールカウンセラーが警鐘を鳴らします。



*本文より一部抜粋*

カウンセリングで多くの家庭を見る中で「褒めて伸ばしている」つもりが、いつの間にか「子どもの問題を指摘しない」「ネガティブなところを示さない」という形に変質してしまっていることがあります。本来、「褒めて伸ばす」とは、「ネガティブな面は見せない」ということではないはずです。ポジティブなところだけを伝えて褒めるのに、ネガティブなところを無かったかのように振る舞うということは、子どもを根っこの部分では弱い存在だと見なしているのです。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近の「叱らない」子育て、教育に違和感を感じていたので、同意することがたくさんあった。
    なんでも言いなりや、ひたすら褒めて伸ばすというのはもちろん良くない。でも上手に叱ることも難しいので、匙加減が大事だなと思う。
    そういえば、子どもが小さい時に鬼から電話がかかってくるアプリを私も使っていた。
    叱らずに怖がらすって、ダメなやつだ…
    対して、「悪い子はいねがー」のナマハゲはOKっていうのは、理由を読むと納得。
    きちんと訊くこと、伝えること。面倒くさがらずにしようと思った。

    • きたごやたろうさん
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本はオイラの考えと全く同意見。
      水は高い所から低い所へしか流れません。
      みん...
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。

      この本はオイラの考えと全く同意見。
      水は高い所から低い所へしか流れません。
      みんな平らにしちゃったら流したいものも流れません。
      例えばかけっこ。
      みんなで手をつないでゴール。
      これは教育と言えるのでしょうか?
      とても読んでみたい本のアップをありがとうございます。
      2025/02/24
    • ねこさん
      きたごやたろうさん、こんにちは♪
      「みんなで一緒にゴール」ってありましたね。子どもの運動会ではまた順位が復活してたので、試行錯誤してるところ...
      きたごやたろうさん、こんにちは♪
      「みんなで一緒にゴール」ってありましたね。子どもの運動会ではまた順位が復活してたので、試行錯誤してるところなんでしょうか?
      みんなが叱らない世の中にモヤモヤしてた私には、面白い本でした。
      2025/02/25
    • きたごやたろうさん
      ねこさんへ

      平成のゆとり世代が相対的には失敗に終わったから、令和に入った今試行錯誤してるんじゃないでしょうか。
      ねこさんがその世代だ...
      ねこさんへ

      平成のゆとり世代が相対的には失敗に終わったから、令和に入った今試行錯誤してるんじゃないでしょうか。
      ねこさんがその世代だったらごめんね。
      オイラは超競争世代とでも言うのかな。団塊ジュニア世代ですから。
      とにかく勉強。とにかく良い大学。そして良い会社。
      そんなレールとバブルがギリギリ弾ける前の世代なので。
      あっ。
      ゆとり世代が失敗というのは言い過ぎかな。
      宮藤官九郎さんのゆとり世代ですが何か?じゃないけど、この世代でもすごい人いっぱい出てるもんね。
      オイラも教育を勉強して端くれとして、そして次のバトンを渡す子どもたちを見て、ボーっとだけど、考えることあるなぁ。
      2025/02/25
  • 夏休みが目前ですが、年度が変わって子どもたちを叱ることが多くて、どうにかならないかと考えていた時に出会いました。

    思い通りにならないと耐えられない心は、「叱られる」こと「押し返される」ことの経験が少ないために生まれる。
    ということが知ることが出来ました。

    私が関わる子どもたちの中には、どうして叱られているのかわからない、と言うか「こんなことで叱られるの?」という表情をする子どもがいます。なので、こちらが叱るポイントというか、「今どきはこういうことはどうでも良いことなのだろうか」と思いながら接しています。
    でも、子どもたちの今後を考えると譲れないものは譲れないので、しっかりと伝えていきたいです。

  • 一般的な子育て本かと思い手にしたけれど、不登校や問題行動のある子どもの現状と対応について書かれた本でした。

    現状も対応もなるほどと共感できる部分は多い。でも、私自身長いこと子育てし学校に関わることも多く、かなり多くの事例を見てきた。
    そのせいか、この本に書かれていることが目新しい考えということもなかったかな…

    近年のいじめ対策基本法や多様性の受容推進などの対策の中で、それはおかしくないか?と思う様なことがたくさんある。
    そんなおかしなルールがある限りモンスターペアレントや我慢ができない子どもはドンドン増殖して、不登校は増えるし学校はトラブルだらけになると思う。

    その辺をもう少しなんとかしなければ、増えていくトラブルに学校も対処しきれないのでは?
    と常々思っているのだけれど、そこには触れられていなかったな…

    結局は親がどう振る舞うか、が子どもの成長を左右するのだろうと思うけれど、親がどう振る舞うべきかを学ぶ機会はない。
    高校や大学で、親学とかの授業があればいいのにな〜

  • 読了。学校に適応できなくて、不登校になってしまう子どもたち。ゆっくり休むことで復活できる子もいるかもしれないが、単純に休ませればいいということではないよなぁと、思いっきり共感でしました。子どもだけの問題でなくなってくるから難しい。

  • 幼児教育関連の仕事をしていて、最近叱られない子供が増えているのを感じています。

    この本は不登校といった問題を抱えたお子さんとの関係について書かれています。
    仕事では、幼稚園や学校以外でもっと学ばせたいというご家庭のお子さんたちがいらっしゃるので、不登校といった問題はないのですが、読めば読むほど、その子の性格や家庭状況によって問題の出方や接し方は変わってくるのではないかと感じ、本当に子育てって難しいなと思いました。
    子育てには正解はなく、やはりいろんな壁や問題にぶつかって、親子で向き合って、時には他人の手を借りながら乗り越えていくしかないんだなと思います。

  • 世界は私たちが生まれるずっと前から存在しており、私たちに合わせて設計されていない、その通り過ぎる。

  • 子供と毎回ゲームのことで喧嘩になることがいけないことだと思っていたけど、お互いに行きすぎない程度に押し合うことは子供が世界からの押し返しを経験することにもなるし、まだ仲直りのきっかけがお互い掴みやすい小学生のうちは、面倒がらずに、このゴチャゴチャしたやり取りをした方がいいのだとホッとした。
    叱りすぎないこと、思い通りにいかないときの対応の手本を親が見せることを忘れずにいたい

  • 私は、「正しい叱り方」がわかりません。
    小さい頃は、母に感情的に叱られることが多かったと記憶しています。ただ、叱られすぎたせいか、親の顔色をうかがい、怒られないように行動するようになっていました。自分の行動の何が悪かったのかまでは、あまり考えられていなかったと思います。

    そんな幼少期の自分の姿が正しかったとは思わないからこそ、子どもに対して感情的に叱りたくないと強く感じています。しかし、いざ叱る場面になると「正しい叱り方」がわからず、その場しのぎでやり過ごしてしまっていました。

    ところが、子どもが2歳後半にもなると、無理なことでも自分の意見を押し通そうとする場面がかなり増えてきました。きちんと対応できるようになりたいと思い、本書を手に取りました。

    最近では「褒める育児」がよく取り上げられるようになり、私のように叱ることに抵抗を感じる親が増えているそうです。
    しかし、そうした社会環境の中で叱られずに育った子どもたちは、自分のネガティブな面を受け入れられなかったり、過度な万能感を抱いてしまい、不快な感情を処理できなくなってしまうことがあるようです。その結果、小学校の早い段階から不登校になる子どもも増えてきているといいます。

    子どもが学校などの社会に適応していくためには、親がネガティブな面も恐れずにきちんと伝えることが大切だということが、本書を通してよくわかりました。特に未就学の時期から、親子で不快な感情を受け止め、整理していく経験を積むことで、子どもは「あなたは大切な存在だ」というメッセージとともに、自分のネガティブな面も受け入れやすくなるのだと分かりました。

    叱ることは、子どもから反発を受けることもあり、正直なところ面倒だと感じることもあります。
    それでも、子どもが将来、社会に出たときに適応できず苦しまないためには、親が叱るべき場面でしっかりと向き合い、子どもを納得、説得させることが必要だと実感しました。

    なお、本書では「何歳から叱り始めるべきか」といった明確な年齢の記述はありませんでした。
    そのため、我が家では、3歳くらいまではできる限り本人のやりたいようにさせてあげて、それ以降は社会のルールを少しずつ教え、身につけていってもらえたらいいなと思っています。

  • タイトルから、「子育ての指南書かな?」、「イチローも『最近の子どもは大変だ。なかなか強く指導されることがないから、よほどのガッツがある子しか成長していけない』と言っていたな」、「経済学者の成田さんも、子ども時代に否定されることの経験は重要と言っていたな」など思いながら手にしました。そうしたことも含みますが、本書の大筋は、不登校を取り巻く環境の変化についての指摘でした。スクールカウンセラーと心理学の先生との共書です。

    【はじめに】
    「褒めて伸ばす」が定着しているが、それは万能ではない。「褒めて伸びるものもあれば、それでは伸びないものもある」「適切に叱ることで、子どもの成長を促すことができる」 
    【第1章 子どもの不適応が変わってきた現代】
    ・時代によって不登校の原因は変遷してきた。〔戦後〕病気や経済的困窮→分離不安(親から離れて過ごすことの不安)→「学校恐怖症」→「登校拒否」→〔1960年代〕低学年から高学年、中学生へと拡大:心理的つまずき→〔1975年以降〕受験などの教育体制の問題「不登校」→『登校刺激を与えず待つことが大切』支援方針→ひきこもり
    ・「学校には行くべき」価値観をもつ児童にとって、不登校は「抑え込んだ気持ち」が症状として表れたもの=学校を休むことが有効⇔「学校に行くべき」価値観をもたずに欠席+教育機会確保法(2016年)=やりたくないことはやらない
    ・小学生59人に1人、中学生17人に1人が、不登校(1年間に30日以上欠席)
    ・この10年で不登校の小学生は4.9倍、中学生は2.1倍
    ・社会的学習(他の人がやっているのを見て自分も真似る)も要因
    【第2章 成長に不可欠な「世界からの押し返し」の不足】
    ・不適応の特徴の一つ「思い通りにならないことに耐えられない」
    ・基本的信頼感(世界に対して安心できるという実感)+能動的な力の感覚(積極的に世界に働きかけていく力)+「世界からの押し返しの経験」が子どもには必要。適切に叱られる、諫められることによってもたらされる「子どもの心の成熟」も絶対に必要。
    ・「思い通りにならない環境に出会った時の不快感」を親子の関係性の中で納めていくという作業は「子どもが幼い時期の方がやりやすい」→社会的な存在として成長
    ・「〇〇が怒るから」という他力本願ではなく、共感的に受け止めつつも親自身が押し返すことが大切。
    ・学校も含めて、その子どもの発達段階に応じた「自然な枠組み」を提示するべき。
    ・子供時代に押し返された経験がないと、大人になって押し返すことができない。
    ・「ネガティブな自分」に出会った時に、それを回避したり周囲のせいにしたりするのではなく、それも「自分の一部だ」と認める「こころの強さ」が必要。
    ・「理解できた時の喜び」が学びの意欲として機能するのは、「未熟であることへの不全感」を感じている人⇔自らの未熟性から目を逸らす人にとって学校は「耳にしたくない情報を与えられる場所」
    ・社会全体的に、子どもの万能的な自己イメージを下方修正する機会が少なくなり、「ネガティブな自分」を共有する経験がない。その経験不足から、自己イメージが棄損されることへの回避(人のせいにする、問題から目を逸らす)に走りやすくなる。
    ・「他の児童が叱られているのを見て怖がって学校に行けない」のは、「自他の境界線の薄さ」や「こころの奥底にある自信のなさ」が本質的な原因の時が多い。本質的な改善が必要。
    ・保護者自身が、子どもの不穏感情と向き合うことが苦手であるということが大きな原因。
    【第3章 子どもの「不快」を回避する社会】
    ・△幼少期の万能感に親が共感的に反応しないことで自己愛が適切に発達できず未熟?⇔◎「世界からの押し返し」の経験が少なく自分の不穏感情と付き合うことが難しくなった。
    ・子供の不快を見分けることが重要。「要らない不快」は不要。「成長のための不快」は必要。
    ・自分の+-両面を肯定できることが「自己肯定感」。親は子どものネガティブな面をきちんと「押し返し」つつ、「そういうあなたが大切だ」と伝えることが大切。
    ・児童期の子どもが身に付けるべきは「協力・競争・妥協」(米精神科医ハリー・スタック・サリヴァン)。
    ・「自分に合わせて環境を変えろ」ではなく、本当の個性は「他の人と同じことをしていても滲み出るもの」であり環境に関わらない、もしくは環境をも自分で変える。
    ・「自分のことをバカにする」と思う人は、同じ状態の他者をバカにしている人。
    ・親が課題の分離をきちんとしておかないと、子どもは干渉を不快に思いつつ、全ての課題は親が抱え込んでくれると思ってしまう。
    【第4章 子どもが「ネガティブな自分」を受け容れていくために】
    ・「弱くてダメなところのある自分」も自分自身の一部であると認め、受け入れることができる状態を目指して支援をする。
    ・子どもに「ネガティブな側面」があったとしても関わり続ける、子どもが「ネガティブな自分」を感じている時の不穏感情を大人との関係性の中で納めていく(ごちゃごちゃとしたやり取りを根気強く続ける)ことが大切。その時大人に大きな負担がかかるので、こうした親の窮状を支援することも大切。
    ・「思い通りにならないこともある」というメッセージを、折に触れて言葉で伝え続ける。
    ・子どもたちがこの世界で生きていくのに必要なのは、この世界と折り合いをつけながら「うまく巻き込まれていくこと」
    ・10歳前後を境に「ネガティブな自分にむき合わせる」というアプローチがやりにくく、またその効果が出にくくなる。
    ・子どもにネガティブな側面があってもそれを認め、「それを含めたあなたが大切」と伝え続けることが大切。
    ・カウンセラーは、まず「ネガティブなことをやり取りできる関係性を構築すること」が一歩。「あえて触れない」と「触れる覚悟がない」は天地の差。伝えにくいことは「一般論で言えば」と前置きする、相手の発言に「びっくりするという反応」で違和感を伝える、等の手法がある。
    ・問題のある親は、家庭での対応を変えず、学校のせいにすることが多い。学校に罪悪感や無力感を覚えさせる、「子どもが望んでいる」と訴える等。学校の枠組みを明確に示し、情報共有して社会的に適切な対応を心がける。
    ・「〇〇してはダメ」ではなく「私は〇〇してほしい」というI messageを送る。他人の言動を変えるのは難しいが、自分の言動を変えるのは比較的簡単。
    【第5章 予防のための落穂拾い】
    ・ゲーム内のキャラクターを自身と同一視することで「万能的な自己イメージ」を満たしている場合、家庭で適切な制限がかけられるかが重要。「万能的な自己イメージ」によってゲームにのめり込んでいる子どもほど、傍若無人に振舞い、家族との関係性が遠ざかっていることが多い。親は「好き放題させてしまっている」という状況に目を向け、その中から少しでも押し返せるポイントを探し、親子のコミュニケーションを復活させることから支援を開始する。
    ・「発達障害だから合理的配慮をする」ではなく、様々な要素を見極めて適切な「押し返し」をすることが大切。
    ・家庭内のルールの設定も大切だが、それをどのようにして関わっているかも考えて支援。家庭ルールに「通常から逸脱した緩さ」があるから改善しないことも多い。
    ・①10分を超えて叱らない、②人格を否定しない、③他の子どもと比べない、④子どもはすぐには変わらないし、親の思い通りにもならないと考える。

  • 最近不登校の子どもが増えているのは、褒めて育てる子育ての弊害によるものである。親が子へ間違いや苦手を指摘しなくなり、個を重視するあまり、子どもが社会に適応できなくなってきている。

    親は子どもを不快にさせないことが重要なのではなく、不快(思い通りにならない)になった時にどうやっておさめるかを、幼児期に教える必要がある。

  • 最近教育関係の本をよく読んでいたが、、、この本、きたー。
    正直タイトルには違和感があった。叱らないが子供を苦しめる?
    最近は褒めて伸ばすのが主流、いいんでないの?と思うことが半分、
    確かに今の風潮、ちょっと違うんじゃないか、と思うこと半分。

    読み始めるといきなり登校拒否、不登校。
    時代遅れの学校なんざ行きたくなかったら行かなくてもいい、そう思ってた。
    しかし読み進めるにつれ、、、そればかりではない。
    子供の時からなんでも思うようになる、と思わせてしまうことが
    どんなにリスクがあるか。どうにもならないことがあることを知るのも必要。
    ・・・そりゃそうだな。不快だから、と、自分の我儘だけ通していたら
    生きてはいけない。
    社会に適応することが必要だと。
    社会に振れず、親の庇護のもとであればごり押しできても、
    そんなの通用するわけがない。
    まして親にも反発し家庭内暴力になるような子は、その後社会では生きていけない。

    この本は発達障害にも触れている。
    不適応と発達障害の区別は難しいと。
    発達障害は周りの協力がなくては今の社会環境で生きていくのは大変。生きづらい。
    しかし不適応は、、学べる。親が辛抱して学ばせる。
    学ぶってのは暗記じゃない。社会で生きていくことだ。
    それを子供の不快を無くす、という安易な方に走ってはいかんのだと、、

    いい本だ!

    はじめに

    第1章 子どもの不適応が変わってきた現代
    1 不登校の歴史を振り返る
    まだ説明可能だった不登校/説明ができない不登校の出現/不登校の多様化・あいまい化/不登校はどんな子どもにも起こるが……

    2 「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」はなぜ効果的なのか?
    不登校の子どもたちは強い登校圧力にさらされてきた/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針について/「学校には行くべき」と反する気持ちを抑え込む子どもたち/抑え込んだ気持ちが悪さをする/「登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる」という方針の有効性/「学校には行くべき」という価値観の意義とその変化/意味がないというわけではないけれど……

    3 従来のアプローチでは改善しない事例の出現
    従来の不登校支援において大切なこと/従来のアプローチでは改善しない不登校の出現/本書で目指すこと
    コラム 不登校はなぜ増えているのか?

    第2章 成長に不可欠な「世界からの押し返し」
    1 思い通りにならないことに耐えられない子どもたち
    「思い通りにならない場面」への強烈な拒否感/「思い通りにならないことを受け容れる」ために必要な経験/不快感を関係性の中で納めていくこと/「世界からの押し返し」が少ない子どもは不適応になりやすい

    2 「世界からの押し返し」になっていない大人の関わり
    「世界からの押し返し」を外注する/子どもの現実を「加工」する/子どもの環境を「操作」する/不快感から目を逸らすための「仲良し」/「押し返し」ができない教師

    3 ネガティブな自分を受け容れられない子どもたち
    私に「✓」を付けないで!/不登校の主因になり得る「ネガティブな自分を認められない」という特徴/学びの前提は「未熟であることへの不全感」/子どもたちが抱く「万能的な自己イメージ」/こころの奥底にある自信の無さ

    4 学校で見られる具体的な不適応パターン
    環境に対して過剰に適応しようとする/他の子どもが叱られているのが怖くて学校に行けない/他者を低く価値づける傾向と絶え間ない自己否定/苦しい状況を「操作」する/子どもの問題を抱えられない親の反応
    コラム 反抗期って必要?

    第3章子どもの「不快」を回避する社会
    1 何が子どもたちの不適応を生み出しているのか?
    本書で「自己愛」という表現を用いない理由/従来の仮説との相違点について/社会背景が子どもたちの不適応を生み出している可能性

    2 子どもを不快にできない社会
    学校が変わることの意味/「要らない不快」と「成長のための不快」/「褒めて伸ばす」が変質してしまっている/「やりたいこと」と「できること」/社会の風潮が学校や家庭に降りてきている

    3 外界と調和することへの拒否感
    「なまはげ」が教えてくれる大切なこと/「外界と調和するつもりがない」というマインド/個性とは他者との関係の中で滲み出るもの/only one とoneof them

    4 外罰的な風潮の影響
    「恥ずかしい」から「怖い」への推移/他責的なスタイルで生きていくリスク/「自由」と「責任」の連動性を学ぶこと
    コラム それって誰の問題?

    第4章 子どもが「ネガティブな自分」を受け容れていくために
    1 「ネガティブな自分」を受け容れる
    支援の目標を考える/「ネガティブな自分」と向き合う/「ネガティブな自分」に向き合わせるための要点/向き合わせることが効果的なのは期間限定である

    2 親子関係をもとにしたアプローチ
    親子関係から始めねばならないが、母屋を壊してはならない/子どもの状態像に対する親の価値観を確かめる/親が子どもの心理的課題を「正しく認識する」ことの価値/支えとしての「甘え」/「甘え」と「甘えではないもの」の弁別が絶対に必要/支えとしての「安全な対話」

    3 本人との「付き合い方」
    カウンセリングに来ることの意義/カウンセリングでの本人との「付き合い方」

    4 学校との関係がこじれやすい家庭への対応
    どんな事例を想定しているのか?/学校とのやり取りで見える特徴的なパターン/学校での対応/経過や予後について
    コラム You Message とI Message

    第5章 予防のための落穂拾い
    1 その他の不適応との関係
    従来の不登校/ゲームにのめり込む/発達障害との弁別/身体症状との関わり

    2 支援の落とし穴と予防について
    見逃しやすい落とし穴/家庭でできる予防の例/学校でできる予防の例

    3 最後に大切なことを
    子どもたちに関わる大人たち/「誰が支援を行うのか」という視点
    コラム スクールカウンセラーは何をしている?

    おわりに

    引用文献・参考文献

  • こういう本を読むと、著者はさぞ立派な子育てをしているんだろうな…と卑屈になることがある。しかし本書は、「鬼から電話がくるアプリを使って、悪いことをした子供を怖がらせた」という著者のエピソードをダメな例として懺悔していて感動した。取り繕わず、自分の失敗を認められるのが真に強い人だと思う。また、「誰でも試行錯誤しているんだ」と親近感も出て、文章が心に響くようになった。

  • 社会に出ることを考えると、大人も叱り方を考えないといけないと思いました。時代や社会の雰囲気が強く影響しているなと思いました。

  • かなり具体的な内容で、全面的に納得です。

    自分と自分以外の世界を正しく認識し、調和していく必要性があるということですね。それができる人には当たり前のことでも、それが難しい親+その子どもの場合は、いろいろとこじらせていってしまうのでしょう。そこに気づいてもらうのも大変なことなのだと想像できます。能力の問題なのか、考え方の問題なのか、程度にもよるかと思いますが、、、

    予測力が足りない親も問題ですね。物事はそんなに単純ではないし、向き合っていく必要があると思います。「ほめて伸ばす」の解釈も、浅い解釈で何でもかんでも褒める、悪いことは指摘しない、でいいはずはないのに。

  • 特に小学生くらいの保護者なら、一つくらいは近しい経験を見つけられるのではないか。
    面倒になったり、ラクな方に逃げるように、叱らなかったり、ナアナアで終わらせてしまうことはあるだろうが、
    やはり意見を伝えるべきところではきちんと向き合うという、当たり前のことが大切だと気が付かされる。

    本書とは違うけど、子どもの叱り方って難しい。
    叱る側がヒートアップしてしまったり
    怒りの矛先のおさめ方、叱ることをやめるタイミング
    など、どうしたらうまくいくのかわからない。
    あ、私はいい子だったので叱られる経験があまりないからかな。それはそれで、良くないなと感じる。
    自分が不機嫌になることで、怒りを示せるかなと期待するが、実はそんなことは全くないんですよね。。

    著者はスクールカウンセラーなので、ちょっと叱り方を習いたい。

  • 子どもを叱ることがうまくできない、と悩んでいてこの本を手に取った。バイトで子どもに注意する機会があるけど、なんだか「ぱしっ」といかない。この本を読んで、私は子どもが不快になることを過度に恐れていたと気づいた。思い通りにいかず世界から押し返されることを小さな頃から経験するのは大事と知って、したいようにしてあげるだけが優しさじゃないとわかった。ネガティブな部分があるあなたでも大切だと伝えつつ、自分の中にある苦手やわからなさと上手に付き合えるようにお手伝いしたい。

  • 良書。新書ながらも大変読みやすかった。
    未就学児2人を育てる母として、大変惹かれるタイトルだったので手に取った。

    親として長年感じていた違和感(叱らない親が多いと感じるが、そちらと比べると我が家は叱り過ぎ?しかし叱ることをやめるとネガティブなことがあると、すぐに挫けてしまう子どもになるのでは?)が解消された。

  • 叱らない育児が主流の現代を生きる親世代へオススメ。「〈叱る依存〉がとまらない」という本とセットで読むとバランスが良い。

    子どもが社会化するということは、世界から押し返された経験を自分の中で昇華し、その上で自分を表現できるようになるということ。

    世界からの押し返しを経験せず、ネガティブな自分を受け入れずに社会化することは難しい。

    そのためには親が、社会から押し返されて不機嫌になっている子どもをなだめる必要がある。そうして、子どもは自分でなだめ方を学んでいく。

    「不機嫌になられるのが面倒臭い」と思っていた私が、「これも大切なプロセス」と思えるようになった本。

  • ・責任の範囲を自覚する
    ・心配ベースで伝える
    ・自身の未熟性から目を逸らす
    ・子どもが落ち込むからといって、
     子どもに伝えていることが不要とは限らない
    ・思い通りにならない環境に出会った時の
     不快感が親子関係の中で受け止められ、
     なだめられながら納めていく
    ・思い通りにならない場所での体験を通して、
     不快感を納め、環境との調和を経験していく
    ・その年齢に応じた責任を感じ、引き受けていく
     ことが社会的な成熟のためには欠かせない

    心理的衝撃を受ける経験の有無が
    大きな別れ道となる。
    もう一度読み返そう。

  • 現場で不登校の子どもたちとかかわる中で感じていた違和感の正体が少し見えたような気がします。

    「叱らない子育て」や「褒めて伸ばす」というキャッチーなフレーズだけが一人歩きし、「叱る=悪いこと」という誤解

    叱ることは、そのあと訪れるであろう子どもの不穏な感情とも向き合う覚悟がなくてはできないことで、ただそれを丁寧に行なっていくことで、自分自身で感情をコントロールできる人間になっていく。当たり前のことのように聞こえますが、前述した耳障りのよいフレーズを盾に、不穏感情を引き受けて来なかったツケが回ってきているのだろうな、と。

    さて、これをどう現場で活かすか、、、
    読み込んで、自分の目の前の状況とリンクさせていきたいです

全61件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

藪下 遊(やぶした・ゆう):1982年生まれ。仁愛大学大学院人間学研究科修了。東亜大学大学院総合学術研究科中退。博士(臨床心理学)。仁愛大学人間学部助手、東亜大学大学院人間学研究科准教授等を経て、現在は福井県スクールカウンセラーおよび石川県スクールカウンセラー、各市でのいじめ第三者委員会等を務める。

「2024年 『「叱らない」が子どもを苦しめる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

藪下遊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×