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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784480685001
作品紹介・あらすじ
「外国人にも伝わる日本語」を通じて
異なる立場でものを見る目をひらく。
「やさしい日本語」を知っていますか。
在住外国人の増加や多国籍化が進む社会において
伝わりやすさを目指した簡単な日本語のこと。
身近な言葉も別の立場から見ればむずかしい。
コミュニケーションのあり方を考える。
みんなの感想まとめ
異なる立場からのコミュニケーションの重要性を考えさせられる内容で、特に「やさしい日本語」が持つ意義が強調されています。日本語が母語の人々にとっても、わかりやすい表現が求められる場面は多く、漢字やあいま...
感想・レビュー・書評
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在日外国人だけでなく、日本語が母語の人に対しても、わかりやすい日本語は大切。ルビをふればいいわけではなく、肝心な事がきちんと伝わるようにするために考えられたのがやさしい日本語。
漢字が多いとか、あいまいな言い方や謙譲語、長い文章などが、やり玉に上がる。
また、やさしい日本語の歴史にも触れられていて、戦争中までさかのぼる。そして、震災。情報を入手できないと困るのは本人だけではない。結局はみんなが楽しく暮らすには、という事を考えて、編み出されたものということがわかる。
役所や学校、公共施設の人は文書を公開する前に必ずチェックするべき。
周りに困っている人はいないか?普段からわかりやすい文章を考える習慣をつけようと思う。
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昨年職場研修を受けた。公用文を簡単にしましょうというお題が、とても難しかったのを覚えている。やさしい日本語って、使いこなすのが難しい。これからは、道路標識や駅名標、看板に注目したいと思う。
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◆言葉のユニバーサルデザインとしての「やさしい日本語」|ちくまプリマー新書|岩田 一成 | webちくま https://www.webchikuma.jp/articles/-/3712
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とても興味深い内容でした。外国人は英語で対応するというなんの根拠もない常識が自身の中にもありました。確かに日本に来てるの日本語に全く知らないという無策な人はなかなかいないだろうという当たり前のごとに気付かされました。
一方、日本人にとっても「やさしい日本語」の大事であるということが分かりました。学校に携わる身として、保護者向けの文章や教科書の文章難度の話は一考の余地があるなと感じました。少し話がずれますが、学習指導要領で定められている国語において身につけるべき能力が、一部の子どもたちにとって苦しいものになっている現実があるように感じます。識字に対する誤解や国民の読解力の把握という本書の話からこの辺り違和感に繋がりを感じました。 -
SNSで「なぜ尖っている言語表現が蔓延っているのか」を考えていて、そのヒントになるかと思い読了。まず、日本語は国籍と使用者が一致している割合が高く、同調性が生まれるということ。どんな表現でも伝わりやすいからこそ、距離感や言い換えを気にしないのかもしれない。そして、「説明の詳しさ×説明のわかりやすさ=一定」であること。ストレートにいえば伝わりやすいし、柔らかい表現をすれば伝わりにくい。またSNSは基本書き言葉なので、発信者に伝え方が委ねられる。それで「これなら伝わるだろう」が伝わらないという事故が起きるのだろう。
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在住外国人が増え多国籍化・多文化共生が進む社会で少しずつ広がりつつある「やさしい日本語」。そのさらなる普及のためにハードルとなりうる論点を整理し、「相手に伝わるようにことばを調整する」という発想の意義をていねいに伝える一冊。
「外国人と話すときってどうしたらいいかわからなくてキョドってしまう」そんなふつうの日本人にとって助けになる知識やデータがまとまっていて、言葉の仲介活動(調整)の実態、社会や制度の問題点、さまざまな場面ごとの課題の違いなどがわかる。
外国人と話すと思うと難しく感じられるかもしれないし、現実の場面で逆効果な行動になってしまう人も多いけれど、相手によって言葉を調整するというのは実はそんなに特別なことではないし、これからの世の中「伝わらない、わかってもらえないのは、わからないほうが悪い」とばかり言っていられない(個人的にはひとの「読解力」は過信してはいけないし、読めない/伝わらないを前提にしたコミュニケーションがこれからは大事だと思う)。役所の文書や学校のお便り、医者の説明など、伝わる書き方話し方を工夫する意義を知る人が増えるといいなと思う。 -
「日本語不通の思い込み、英語必須の思い込み」にはっとさせられた。つい英語で話しかけてしまうけれど、まず日本語でというのは言われてみれば納得。
タメ口トークよりデスマス体、日本語に突然英単語を放り込まないなど、実践的にもとてもためになった。 -
本書は、「外国人対応=英語」という思い込みに疑問を投げかけ、「やさしい日本語」という現実的なコミュニケーションのあり方を示す一冊である。
在住外国人の約90%が日常生活レベル以上の日本語力を持つというデータから、英語に頼らずとも日本語で対応できる可能性が高いことが示される。一方で、英語偏重の背景には、英語教育産業や国際的な言語政策の影響がある点も指摘されている。
本書が強調する「やさしい日本語」とは、単に簡単な言葉にすることではなく、相手に合わせて伝え方を工夫することである。特に、タメ口よりも「です・ます体」の方が学習者にとって理解しやすいという指摘は実務的に有益である。
また、言葉だけでなく、落ち着いた態度や情報の整理といった要素も重要とされる。学校のお便りの構成や文字の使い方(ひらがなが最も読まれる)など、具体的な改善点も提示されている。
やさしい日本語とは、相手の立場に立って伝え方を設計する営みである。外国人が増える社会において、日本語そのものを見直す必要性を示した、示唆に富む一冊である。 -
著者の方の講演を聞いたことがあったため選んだ。専門用語にも解説があったり、身近なたとえが挙げられていたりと、分かりやすい内容だった。
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日本語指導をしてます。
とても勉強になりました。以前は海外の人には英語で話さないとと考えてましたが必ずしもそうでないと言うことが、改めてわかった -
「やさしい日本語」とは何かを分かりやすく紹介した一冊。「外国人には外国語で対応しなければならない」というのは思い込みであり、日本語の方が伝わりやすい場合もあるというのは目からうろこであった。
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■配慮とわかりやすさはトレードオフ(ポライトネス理論)
ポライトネス理論では、相手への配慮と分かりやすい話はトレードオフの関係にあると考える。ストレートな物言い(直言)は伝達効率が高い反面、相手への配慮に欠けることになる。ストレートな話は相手に対して無配慮になるが大変伝わりやすい。一方、離れていく方向に敬避的配慮(相手の領域を侵害しないようにしようとする気持ち)があり、尊敬語・謙譲語はここに当てはまる。
■詳細さと分かりやすさもトレードオフ
何でも細かいことを話すことが正確さを担保すると考えてしまうと話は長くなる。そして聞き手にとってはどうでもいい情報が増えて分かりにくくなる。「やさしい日本語」で説明するには、言いたいことの大枠をざっくり捉えた説明が一番伝わる。細かい情報を詰め込んでいくと分かりやすさから離れていくことを理解すべきである。 -
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910/イ
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とても読みやすい本。
「やさしい日本語」は、相手に合わせて日本語をわかりやすく調整したもの。
主に外国人を対象にするが、もちろん、日本人にとってもわかりやすい表現を目指す。
ところが、この「調整」が難しい。
日本人が「わかりやすくなる」と思っていることは、必ずしも効果的でなかったりする。
例えば、一音一音区切って発音すること。
なるほど、言われてみれば単語としてのまとまりがわからなくなってしまう。
配慮を優先すればあいまいになるし、では詳細に伝えればいいかというと、受け手の負担は増加する。
このジレンマは、自分にも経験があるところだが、ではどうすればいいかというと…実践から学べ、ということになってしまった。
まあ、うすうすわかってはいたけれど、やはり残念。
後半は書き言葉や公用文の問題、病院や学校のやさしい日本語、そして道路標識の表記の問題が扱われていた。
そのうち、自分にとって新しかった話題は、英語の難易度を数値化するFREという計算式のことだ。
以下の式で計算できるという。
206.835-1.015×(一文の平均単語数)-84.6×(一単語当たりの平均音節数)
標準的難易度(中2~3レベル)は、60~70。
どうやってこういう数式が開発されたのだろう?
日本語でもこういうものができるのかな?
最後の標識の話は、『街の公共サインを点検する』で読んだ話と重なっているが、「小樽港」の道路標識が30年「Otaru Poot」で、誰も気づかなかったという話が面白い。
それはさておき、以前職場でアカウントを作る仕事をしていて、ローマ字表記をどうするかで苦しんだ経験があるので、長音をどう表記するかの悩ましさはよくわかる。
ローマ字にアクサンのような長音符をつけたら、たしかに読みやすい。
とはいえ、PCで作業する際、長音を示す傍線をつけたアルファベットを使うこととすれば、入力がめんどくさそうだなあ、と思う。
かといって、「大岡」さんが「Oooka」となるのもどうかと思うが…。 -
以下、●:引用
●「やさしい日本語」は、相手に合わせてわかりやすく伝える日本語のこと。外国人を主な対象としている。例えば、相手にゴミ(特にビンやカン)の捨て方を伝えたいときに「資源ゴミの分別回収にご協力ください」と言って伝わらなかったとする。それなら、「ビンはここに捨ててください(ゴミ箱を指さしながら)」と言い換えてみましょうというもの。話し言葉でも書き言葉でも、わかりやすい言語を使いましょう、という社会運動が各地で進行中だ。
●金田一氏が強調するのは、日本語ほど国籍と使用者が一致する言語は珍しいのではないか、という点である。つまり、「日本語=日本国の言語=日本人」の構図が成立するというのだ。日本語は日本国内でどこでも通じる一方、海外では通じない。これは特殊な状況であるということを、金田一氏は様々な文献をひきながら論じている。(略)あくまでも他の言語と比べたうえの議論である。多くの言語はこんなに国教と話者が一致しないというのが趣旨だ。ここで表明されている国境と日本国籍と日本語使用者が一致するという考え方を本書では「日本語=日本人語仮説」と呼びたい。
●第一章で日本語=日本人語仮説を紹介したが、そこから派生する二つのステレオタイプが存在するのではないだろうか。一つは、外国人は日本語がわからないという思い込み、もう一つは外国人には英語を話さなければならないという思い込みである。どちらも長いので、本書では「日本語不通の思い込み」「英語必須の思い込み」と呼ぶことにする。両者は在住外国人の実態に合っていないことを本章では指摘したい。
●日本に住む外国籍住民の方は、日本語がいったいどの程度できるのだろうか。(略)2020年に国内で行なった調査では、自己申告ではあるが約90%の外国籍住民が日常生活レベル以上の日本語ができると答えている。(略)この調査結果に基づけば、「日本語ができますか?/大丈夫ですか?」との問いかけに、9割程度の確率で「(少しだけ)できます」といった答えが返ってくることになる。日本語不通の思い込みは、統計的に誤りだということになる。
●世界に英語がわかる人はどの程度いるのだろうか。(略)世界の英語話者はおよそ10億から15億と言われている。世界の言語話者数に関しては全数調査がないため、英語話者数も推測値でしかない。英語が国際語だと主張する人も、いやいやたいしたことはないよと主張する人も、根拠とする数字は10から15億だ。10億人にも伝わるなんてすごいことだ!というのも正論だし、世界には英語がわからない人が60億人もいるんだから英語があまり伝わらないよというのも正論だ。英語学者の江利川春雄氏は、「英語は決して「世界共通語」などではない。世界では約72億人の人口のうち、約60億人は英語が使えない。世界には6000を超す言語と、それらを話す多様な民族が共生している」と指摘する。仮にこの数字で計算すると、2割弱というのが英語話者の数になる。(略)外国人を見たら、「英語ではなく」、日本語で声を掛けましょう!という根拠はここにある。
●やさしく言い換えるための技術論
一つ目は、漢語は和語に変えるというもの。「切符はありますか?」を少し解説すると、乗車券という漢語を和語起源の「切符」に置き換えている。(略)二つ目は、尊敬語・謙譲語は使わない。「拝見します」という謙譲語を「見ます」に変えると、分かりやすい。(略)三つめは、実物を見せる。自分の切符か電子マネーのカードを見せるというところが大事である。
●駅名表示は基本的に地名にひらがなをふって、その読み方をローマ字表記するという方針で書かれている。つまり、一貫して日本語表示をするルールになっている。一方、道路は漢字に直接ローマ字をふるため、読み方をローマ字表記しているものと、意訳で英語にしているものが混在する。(略)言うまでもなく地名は固有名詞である。平和大通りは「ヘイワオオドオリ」と我々が呼んでいる場所であって、「ピースブルーバード」ではない。(略)第五章で紹介した通り、在住外国人の日本語読解能力については、5割の人が「よくわかる」と解答していた。(略)そして繰り返しになるが、英語はさほど万能ではない。そもそも固有名詞は英訳してはいけない。さらに英語よりも日本語がわかる人のほうが多いのだから、地名はそのまま日本語で表示すればいいのではないだろうか。その点においても駅名表示は優れている。駅のフォーマットは明治時代に作られている。一方道路は1945年に出た連合国最高司令部指令第2号に基づいて設計されている。要は、連合国軍が自分たちの都合で道路に英訳をつけたのだ。
【以下、参照】
「いつもの言葉を哲学する」→ニュースピーク
「日本語八つ当たり」→官製?「やさしい日本語」批判
「言語学バーリトウード」→”日本語は世にも曖昧な言語なのか””日本語は本当に非論理的な言語なのか” -
勉強になった。
やさしい日本語=わかりやすい日本語とすると、頷ける指摘ばかりだ。
数字の使い方もあるけど、世界で英語を使える人の割合とか、日本国内で暮らす外国の方にとって一番通用する文字は何なのか? などには驚かされた。
駅名の表示と道路標識が異なった表記方法になっていることも「言われてみればなるほど」。で、日本も実質的に移民を受け入れたからには、このあたりから統一した方がいいよね。
笑ったのは、お役所の文書は世界共通でわかりにくいらしい。正確に、間違えないように、誰からもケチをつけられない文章にしようとすると長くなるし難解になるのは、どの国でも無理なんだね。
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