イスラームからお金を考える (ちくまプリマー新書 476)

  • 筑摩書房 (2024年12月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784480685070

作品紹介・あらすじ

イスラームには利子の禁止や喜捨の義務など信仰に基づいた経済の仕組みがある。今急速に発展しつつあり、世界の金融危機にも揺るがないイスラーム経済とは?



イスラームの世界では、助け合い精神で経済が回っている。お金を持っている人が持っていない人へ与える喜捨や銀行が無利子で事業へ出資し、儲けが出たら分配するムダーラバという仕組みだ。どちらも自分の利益のためにお金を使うのではなく、信仰に基づいた行動なのだ。現在の金融資本主義社会が抱える問題と限界を克服する、古くて新しい考え方、それが「イスラーム経済」だ。

感想・レビュー・書評

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  • 利子を禁じるイスラム金融に焦点をあてて、現代の虚業主体で不道徳な資本主義経済のあり方を問うている。シンプルな筋立てでわかりやすい。

  •  金儲け肯定の一方で利子禁止という教えの下、ムダーラバ、ザカート、ワクフ等を解説。実体経済から離れないのが特徴だ。
     本書で述べられているムダーラバと株式会社の、ワクフと信託の類似性を鑑みると、イスラーム金融と言えど一般資本主義との親和性も感じる。資本主義に信念の要素を入れる、ESG投資のようなものだろうか。

  • ふむ

  • イスラームの思想を根本にした経済運営のやり方を解説した本だが、資本主義が行き詰ってきた現代において、検討に値する多くのアイデアがあると感じた.ザカート、サダカ、ワクフと呼ばれる方式は無利子銀行のシステムとリンクして、経済的格差がこれまでになく顕著になってきた資本主義国が取り入れるべき考え方だと思う.思いやりの精神を基盤とした考え方の利点は、宗教的なわだかまりを超えて、これからの社会に広まっていくと思う.

  • イスラム主義に沿った思考様式についてとなると、いわゆるテロリズムにつながるものという感覚がやはり先立ってしまうのだが(ハマスについての新書など)
    成り立ちのなかでの商業的なバックグラウンドから通底しているエコシステムという点では、道徳的にも経済的にもなかなかどうして高邁な精神が根ざしていることが窺える。
    構成上、いくらか生じざるをえないであろう欠陥のようなものについては触れられていないが、マルクス主義が資本主義に対立する形で成立しやがてソ連消滅の中で霧散していったのと比較して、イスラム的な経済機能が(我々に意識されることもなく)資本主義の骨子の一部となり、また一方で21世紀の世界金融危機の処方箋として機能していたなどの穏当な事実からは、この分野の研究を進めることが大いに実りあるものと思せられる。

  • ●イスラームを宗教としてだけでなく、社会文明として捉えて、イスラーム特有の経済の仕組みにスポットを当てる。無利子銀行なるものを初めて知った。

  • わかりやすく面白い。
    利息をとってはいけない、イスラームの教えに対してのイスラームの銀行のしくみなど。

  • イスラムの文化について、平易な文章で、わかりやすく学ぶことができた。
    イスラムと私たちの文化の考え方には似た部分もあり、確かに「遠くて近い存在」なのだと感じたし、今の不安定な金融資本主義よりも無利子銀行のような仕組みが、他の文化圏にも広まっても良いのではと思った。
    ただ、イスラムは文化としてコーランの教えが根付いており、それが縛りにもなっている(銀行預金の利子も受け取れない等)ため、西洋との文化の差には衝突も生まれるのだろうなとも思った。

  • 【請求記号:332 ナ】

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著者プロフィール

長岡 慎介(ながおか・しんすけ):1979年生まれ。東京大学農学部卒業。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。修士(経済学、東京大学)、博士(地域研究、京都大学)。イスラーム経済の思想および実態を中東と東南アジアでのフィールドワークを通じて解明しながら、そのポスト資本主義的可能性について探究している。著書に『現代イスラーム金融論』(名古屋大学出版会)、『イスラームからつなぐ2 貨幣・所有・市場のモビリティ』(東京大学出版会、編著)、『お金ってなんだろう?――あなたと考えたいこれからの経済』(平凡社)など。

「2024年 『イスラームからお金を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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