よりみち部落問題 (ちくまプリマー新書 477)

  • 筑摩書房 (2024年12月9日発売)
3.33
  • (4)
  • (7)
  • (12)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 151
感想 : 16
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784480685117

作品紹介・あらすじ

私は被差別部落に生まれた。



自らの出自を考えずに自由に生きることこそが、

部落問題の解決ではないか。

そう考える著者がたどりついた地平は――。

被差別部落のみならず、あらゆる差別を考える一冊。



たまたま被差別部落に生まれたために、部落問題についてあれこれ思い悩んだ半世紀。記者として取材した差別、共同体の過去・現在・未来、今こそ語りあかす。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 解放令からはじまり、全国水平社の結成、部落解放運動、同和対策事業やその利権問題など部落問題について学べる一冊。

  • ふむ

  • 寺尾紗穂さんおすすめ

  • 部落問題がインターネットでとりあげられることでどのようになるのか、という現在の問題を提起している本である。今までの様々な部落問題はあるが、現在はどうなっているかで、かなり状況が変わっていることを示している。事実、YouTubeでは部落と言われる場所を動画で撮影したものが出回ってる状態であり、YouTubeの規制をかいくぐっって掲載されているのが現状である。

  • 途中、部落とは関係ない自分語りが多かったのではないかと感じたが、読み終わってみると、部落出身者という当事者の1人がどのように生きてきたか知るうえでは必要な記述だったし、何よりも最後の議論結論を深く理解するうえで必要なものであったかなと思う。

  • 内容の構成がめちゃくちゃで、一冊の本として何を伝えたいのか意味不明。

    もう少し論点を整理してから、本にして欲しい。
    途中で苦痛になり、最後まで読めなかった。

  • 生い立ちから現在までいろいろなところに「よりみち」しながらも、部落問題に当事者として関わってきた。筆者の誠実さが伺える。
    部落問題と言うときの「問題」は必ず差別する側の問題である。「形」としての部落がなくなっても、おそらく差別はなくならない。では、どう部落を残すか…。筆者の視点を大切にしたい。

  • 著者のエッセイ的な側面の多い本で、私の期待と違った。部落を「ルーツ」として捉え、残していくというアイデアは有意義だと思う。

  • はじめに
    本書では、部落問題に関する著者の個人的な経験と見解が語られ、その歴史的背景や社会的影響について深く考察されています。以下に、本書で強調されている主要な要点をまとめます。

    部落問題の歴史的背景
    - 江戸時代からの差別構造: 部落問題は、江戸時代以前の身分制度に端を発しており、賤民身分の廃止(1871年の「解放令」)があったにもかかわらず、差別意識は根強く残った。
    - 賤民制度の影響: 賤民は、居住地や衣服、髪型によって他の身分と区別され、社会的に賤視されてきた。江戸時代に確立された身分制度は、近代化の過程でも人々の意識を変えることができなかった。

    部落問題と個人の関係
    - 著者の成長過程と部落問題: 著者は、少年時代から青年期を経て、部落問題についての理解を深めていく過程を描写している。特に、解放学級の経験が重要な要素として挙げられる。
    - 差別を受けた経験の欠如: 著者は、部落に生まれ育ったが、差別を受けた経験がなく、部落問題に対する理解が乏しかったことを反省している。

    現代の部落問題
    - 差別意識の変化: 差別をなくすための運動が展開されている一方で、部落出身者に対する偏見や差別意識は依然として存在する。特に、結婚や就職において、部落出身者への差別が問題視されている。
    - インターネットの影響: 情報化社会の進展により、部落問題に関する情報が広まりやすくなったが、同時に差別的な意見も可視化され、問題が再燃している。

    社会運動と著者の取り組み
    - 部落解放運動: 全国水平社などの組織が、部落民の権利向上を目指す活動を行ってきたが、社会の認識は未だ十分ではない。
    - 著者の活動: 大学で部落解放研究部の活動を通じて、部落問題に対する理解を深め、社会的な意識を促進するための努力を続けている。

    終わりに
    - ルーツの重要性: 部落問題を考える上で、自らのルーツを受け入れ、理解することが重要であると著者は訴える。また、部落問題は特定の人々だけの問題ではなく、社会全体が関与すべきテーマであることを強調している。

  • 361-K
    閲覧新書

  • 【請求記号:361 カ】

  • 部落問題の歴史的背景や現状の課題を分かりやすく解説している。差別の根深さと、それに立ち向かうための意識改革の重要性を訴えている。

全14件中 1 - 14件を表示

著者プロフィール

角岡 伸彦(かどおか・のぶひこ):1963年、兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部を卒業。神戸新聞記者などを経てフリーに。著書に『ふしぎな部落問題』(ちくま新書)『ホルモン奉行』(新潮文庫)、『はじめての部落問題』(文春新書)、『被差別部落の青春』(講談社文庫)、『ピストルと荊冠――〈被差別〉と〈暴力〉で大阪を背負った男・小西邦彦』(講談社+α文庫)などがある。『カニは横に歩く――自立障害者たちの半世紀』(講談社)で第33回講談社ノンフィクション賞受賞。

「2024年 『よりみち部落問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

角岡伸彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×