大学でどう学ぶか (ちくまプリマー新書 482)

  • 筑摩書房 (2025年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784480685148

作品紹介・あらすじ

約80人の大学生の語りから導いた、

4年間を無駄にしない成長の条件



大学進学率が6割を超え、大学も学生も多様化している現代において、本書はすべての大学生の指針になる「学び方」を伝えます。キーワードは「アウェイの世界に飛び込む」と「教員の活用」のたった2つです。



【本書に登場する学生の声】

「10単位落として」「低空飛行の4年間でした」「教授との議論は“洗礼”でした」「法学には興味がないまま指定校推薦で合格して」「論文を100本弱は読んでいます」「先生には思いつきもしなかったことを指摘してもらえて」「楽単情報を先輩に聞いて履修」「大学生活はすべてラグビー中心です」「サークルが居場所でした」「先生の本はすべて読んだと思います」「卒業論文は書かずに卒業しました」「留学もゼミも挫折でした」「教授と喋ったことは一度もないままです」「4年で成長して自分の頭で考えられるようになりました」



【著者からのメッセージ】

「大学での学び方を説くのであれば、『大学で何を学ぶか』というタイトルにすることも考えられます。しかし、本書はあえて「どう学ぶか」という表現にこだわりました。それは、前述のとおり、大学生たちが取り組む活動も学ぶ内容もきわめて多様であり、「何」で論じるのは困難だと判断したためです。同時に、「何」では論じられなくても、「どのようなスタンスで活動を選び、向き合えばよいか」という切り口であれば、ある程度の指針がみえてくると確信したことも大きな理由です。」(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  •  6人を例にして、大学での学び方を問うています。
    本書の中で
    E大学は、エリート大学(関東)
    M1大学・M2大学は、中堅大学(関東)
    N大学は、ノンエリート大学(関東)としています。

     全体を読んで(わたしなりに)おおまかに要旨を書くとすれば、規模の大きいエリート大学では教員と学生との接触が少なく、それによって学問への興味を維持しにくくてサークル活動などに力を注ぎがちになり4年間を無為に過ごしたと振り返る学生が多い、ということでしょうか。
     それでいて、学(校)歴のチカラは依然あり(就職活動においていわゆる有名大学は有利)、大学進学後の「学び」の質とは無関係な次元で企業の人事活動が行われているというようなことも書かれている(ように思います)。

     個人の経験において、逸失した利益(つまり、大規模エリート大学に入っていなければ得られたかもしれない「学び」の利益)を把握することは難しいと思いますから、本書の学生個人の振り返りは参考程度に受け止めるのが良いかと思います。
     ただ、高校までの「答えが決まっている学び}(いわゆる勉強)と、大学からの「答えが決まっていない学び」(いわゆる学問)は、明らかに「学び」の質が異なるものだと思いますし、大学の教員が提供する教育(サービス)も高校や予備校とは異なります。
     
     この本では、「大学の教員を活用すること」と「アウェイの世界に飛び込む」(自分が詳しくない分野や方法に取り組む)ことを勧めています(と思います)。

     わたし(みのり)としては、「ひとつところに腰を据えてガンバって」みて、「あとはご縁の繋がり」を待って、繋がったものを楽しむ、のが良いのかな、と思っています。
     また、自分の興味を大切にして、若いうちに手当たり次第にいろいろやってみて、自分自身を広げながら自分の特性を知っていく「行動」に努めることをオススメします。(これは高校時代からやって欲しいのですが、偏差値重視の大学入試を乗り越えるためには難しいのかな)
     これによって得た自己像が就職活動に繋がれば、そこそこ仕事を楽しめる就職ができそうな気がします。(あくまで個人の意見です。)

     社会が求める人材が変われば、大学も変わらざるを得ないのでしょう。
     学習指導要領が変われば、大学入試も変わっていくでしょう。

     周りが変わっていっても、自分自身を貫いて欲しいな、と思うのは年長者のエゴでしょうか?
     少子化時代だからこそ、ひとり一人の個性が大切にされる社会になって欲しいな、と思っていますが、甘いでしょうか?
    いずれにしても、高校3年間、大学4年間なんて、流されているとアッと言う間に終わります。
    後悔先に立たず、後悔後を絶たずです。
     人生のお祭り期間である青春時代を無為にやり過ごすとあとの祭りになるかもしれません。。。

     ま、わたし(みのり)はいつでも青春、エバーグリーンですけどねw♡
     
     
    【目次】
    プロローグ
    大学教員は「大学での学び」をどう語ってきたか/教員と学生との距離/追加すべき2つのポイント/学生の語りから読み解く大学時代の過ごし方

    第1章 6人の物語――それぞれの4年間
    ◆マオの4年間
    両親と同じE大学へ/ちょっとサボった結果/ゼミ担当教員のことはほとんど知らない/ガクチカは軽音サークル/受験勉強だけだと思われたくない
    ◆ヤスシの4年間
    ラグビー中心の生活/「高校までと違う」学びとは/授業の取り方/ほかの課外活動には手を出さない/尊敬する人は、高校時代のラグビー部L監督
    ◆ワカバの4年間
    あえて自分に向かない領域を選ぶ/大規模授業を淡々とこなす/欧州留学/ゼミで伸ばした調整力/キーワードは「挫折」
    ◆メイの4年間
    軽い気持ちで訪れたオープンキャンパスが運命を決める/英語を活かす方向での進路を模索/キツかった1年生の春/国際平和構築ゼミ/多くの出会いのなかで知ったこと
    ◆カズヨシの4年間
    サッカーの夢を諦め、受験勉強へ/1年生からはじめた就活/O先生からの洗礼/ゼミより友人との読書会/自分を探すことができた
    ◆リョウヘイの4年間
    地方から指定校推薦で進学/やる気が起きなかった高校3年生の冬/友人作りに注力した1年の春/学びにエンジンがかかった1年秋――国際法模擬裁判大会への出場準備/キーワードとしての「国際」/大学教員に学ぶ/選び取ることができるようになった

    第2章 6人の物語を整理する
    アンケート調査にみる多様性① 学習意欲/アンケート調査にみる多様性② 授業以外の活動/どう選び、どう向き合うのか/ロバート・キーガンの構造発達理論/5段階の成長/6人のポジショニングと問いの設定

    第3章 アウェイの世界に飛び込む――成長の条件【その一】
    マオ・ヤスシに足りなかったもの/高校の輪切り問題がもたらすもの/自分にとって一番遠い世界に行きなさい/計画的偶発性理論/学ぶ大人が実践する越境学習

    第4章 教員を活用する――成長の条件【その二】
    ワカバ・メイとカズヨシは何が違ったのか/なぜ、大学教員なのか/変化と成長/カズヨシとリョウヘイは何が違ったのか/ORTのススメ/教員に話しかけよう/大学教員の引き出し/関心を研究テーマに導く

    第5章 学(校)歴の効果をどう読むか
    学(校)歴の効果/学び習慣仮説の紹介/学業での成功体験とフットワーク/助言と協力/過去の自分との相対化は大きなエンジン/高卒の経営者が教えてくれること

    エピローグ
    キーガン著『なぜ人と組織は変われないのか』の議論/「適度な葛藤」と2つの条件/学びを「強制」できない日本の大学/学生の主体性に依存/「大学でどう学ぶか」は与件ではない

    あとがき

  • 大学生活に「焦り」を感じたら ──濱中淳子著『大学でどう学ぶか』書評(評者:葛城浩一)|じんぶん堂 2025.03.12
    https://book.asahi.com/jinbun/article/15641370

    大学はなんのためにあるのか?――教員と学生のすれ違い|ちくまプリマー新書|濱中 淳子|webちくま 2025年2月13日
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/3784

    濱中淳子(はまなか じゅんこ)教授 | 早稲田大学 教育・総合科学学術院 教育学科
    https://x.gd/YOMOs

    研究者詳細 - 濱中 淳子
    https://w-rdb.waseda.jp/html/100001497_ja.html

    『大学でどう学ぶか』濱中 淳子 | 筑摩書房
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480685148/
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    (yamanedoさん)本の やまね洞から

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      学生の成長 理論で解説
      <鳥の目虫の目 常見陽平>「大学でどう学ぶか」濱中淳子著(ちくまプリマー新書 946円):北海道新聞デジタル 202...
      学生の成長 理論で解説
      <鳥の目虫の目 常見陽平>「大学でどう学ぶか」濱中淳子著(ちくまプリマー新書 946円):北海道新聞デジタル 2025年4月20日
      https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1149702/
      2025/04/28
  • 大学生6名の語りから読み解く「大学でどう学ぶか」。

    ちくまプリマーにしては歯応えあり。
    中学生には、ちょっとキツイかもしれない。

    ナラティブな手法を取ると、どうしても「その語りを代表として考えていいんだろうか」と思ってしまう。

    結論として「アウェーな場に飛び込むこと」と「教員を活用する(話しかける)こと」が挙げられていた。

    ちょっと理想的だなと思いつつ。
    でも、自分が大学で「成長」したとするならば、それは確かに教員のおかげだと思う。

    それまでの、ある種平均的な学びではなく、とにかく読むことと考えることを求められた。
    自分自身にも、それをやってみたいという「知的好奇心」や「レジリエンス」も、ほどほどにあったのかもしれない。

    そして、そのスタンスは今も自分の土台となっている。そう思うと、理想的ではないのか。いや、自分が理想的なのか(笑)

    「何を」学ぶから、「どう」学ぶかへ。
    問いをスイッチさせることも面白い。

  • ちくまプリマーはやっぱり最高。
    大学ってなんのために行くのか考えていたところに偶然出会い、勉強になりすぎて線を引きまくった。

    成長至上主義と思われるかもしれないが、やはり学ぶこと、そしてアウェイに飛び込み、大人たちと対話を重ねることは確実に自分を変化させ、より良い自分に改造してくれる。成長最高、成長最高!

  • 中高生向けの本らしい。
    それを知ってて読んだ。
    自分の仕事に役に立つかもしれないと思ったから。

    正直高校生でも少し難しいんじゃないかと思う内容だったけど、一方で親世代が読んでも面白いと思った。

  • 自ら主体的に学ぶ姿勢が大切。日本の大学は予算が足りないからこそ。また、アウェイのコミュニティに飛び込んで、凝り固まった価値観を破壊することも大切

  • 普段同じ仲間といたら、視野が凝り固まる。視野が広がらないと、自分の強み、弱み、社会の葛藤不合理に気付くことができない。

  • 「大学でどう学ぶか」というタイトルなので、大学に進んだ、あるいは進む前の高校生が主に読む本なんだろう。大学教員を活用する、アウェイに飛び込む。煎じ詰めていえばこの二つのアドバイスに集約される。先行研究や、インタビューの実例をもとに示されていて、「うんそうだよね」と説得力を感じつつ読むことができる。

    で、この本は実はそのまま大学教員の心得の本としても読むことができる。大学教員が大学生に対してやることは、「大学教員を活用してもらえるように仕掛けをつくる」「アウェイに飛び込んでもらえるよう色々うながす」ということだ。

    いちおう大学教員の端くれである僕は、果たしてそれができているだろうか。一応、アウェイづくりにはいそしんでいるつもりだが、僕の場合日本史というドメスティックな学問をしているだけに、海外に連れて行って色々異文化体験するとかいう「アウェイぶり」にはかなわない。どうしたらいいんだろう。と呆然と立ち尽くさざるをえないのである。まあ、やれることをやるしかないのだが。

  • 筆者による学生へのインタビュー結果をもとにしたケーススタディと発達心理学の理論を踏まえた学び方の助言。大学進学を考えている中高生と大学生向けだが、大人の学び直しについて考える上でも導入によい。とにかくわかりやすく平易な文体なのでサクッと読める

  • 大学生に高校時代から大学受験を経て就職までのライフストーリーのインタビューをキーガンの発達論のステージで分けたものである。結論としては、大学での教員との長い接触が関係し、さらに有名大学に入学するための受験勉強を集中的に長時間行っているという横並びの学校歴が関連するということであった。大学でのアルバイトとサークルからみるとまた違った面が見えてくるかもしれないが、教育社会学的な研究でひとりひとりのインタビューから論を組み立てるとこうなるということである。

  • 「教員を活用する」「アウェイに飛び込む」究極的に伝えたいのは、この2つ。

    この2つは、必ずしも能動的である必要はないが、その方が確率は上がると思う。行動に移すのが、難しい場合はまずは自分の考えを周りに話してみる。そうすると、そういう機会を引き寄せることもできると思う。入学した大学が重要ではなく、大学やその環境をどう位置付けて、どう振る舞うのか大学院進学に際して改めて考えるきっかけになった。

  • 啓光図書室の貸出状況が確認できます
    図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50385893
    他校地の本の取り寄せも可能です

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000074884

  • 配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
    https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=10283570

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00665341

    アウェイの世界に飛び込むこと、教員を活用すること――約80人の大学生の語りと理論から導いた、大学4年間を無駄にしないためのたった2つの成長の条件。
    (出版社HPより)

  • 大阪樟蔭女子大学図書館OPACへのリンク
    https://library.osaka-shoin.ac.jp/opac/volume/712967

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著者プロフィール

濱中 淳子(はまなか・じゅんこ):1974年生まれ。東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻博士課程修了。博士(教育学)。リクルートワークス研究所、東京大学高大接続研究開発センター教授などを経て、現在は早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専門は教育社会学。著書に『検証・学歴の効用』(勁草書房)『「超」進学校 開成・灘の卒業生』(ちくま新書)、編著に『大学入試改革は高校生の学習行動を変えるか』(ミネルヴァ書房)『〈学ぶ学生〉の実像――大学教育の条件は何か』(勁草書房)などがある。

「2025年 『大学でどう学ぶか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

濱中淳子の作品

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