世にも美しい日本語入門 (ちくまプリマー新書)

  • 筑摩書房
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レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687272

感想・レビュー・書評

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  • 日本語に対する愛着が痛いほど伝わってくる対談。根っからの文系人間を自認しているけど、この両者から見たらひよっこもええとこやな~、って反省させられることしきり。

  • 安野光雅(画家)と藤原正彦(数学者)による“世にも美しい日本語”に関する対談。

    プリマー新書なので、簡単で読みやすい。

    なんと、藤原正彦の小学校時代の図画工作の先生が安野光雅。(武蔵野市立第四小学校)そして、この本の編集者筑摩書房の松田哲夫も同様に安野の教え子。

    P10美しい日本語に触れないと、美しく繊細な情緒が育たない。恋愛さえもままならない。

    P11祖国に対する誇りや自信も身につかない。祖国がいかに経済的繁栄を続けても、いかに強力な軍隊を持っても、深い誇りとか自信はそこから生まれはしない。世界もそんな国や国民には、嫉妬や恐れを抱いても決して尊敬はしない。深い誇りや自信は、祖国の生んだ文化や伝統、すなわち普遍的価値から生まれる。文化には学問、芸術、そhして文学などが含まれる。

    P13数学でも抽象的なことを考えるときは、いつでも言葉とイメージとの間を行ったり来たり往復運動、振り子運動をするわけです。言葉は考える基地ですから。言葉に戻ってはまたイメージに行ってという、振り子運動を何度もする。そして、学問の進歩は、新しい語彙の獲得と言えるでしょう。(F)

    P28「本を読む」ということは、まず運動神経なんだな、とつくづく思いました。小学生のような柔軟な時代に、目の運動神経で文字を早く、いっぺんにパっと読めるように慣れていくということが大事ですね。(A)

    P35石井勲先生という、去年87歳で亡くなられた先生がいます。~漢字についていろいろなことを発見なさいました。
    例えば、「鳩」という字がありますよね。「鳩」という字と、「鳥」という字と「九」という字。こどもの前に三つ並べると、最初に読めるようになるのは「鳩」、その次は「鳥」で「九」が最後になるという。子どもにとって字画数は関係ない。具体的なものはアッという間に読めるようになってしまうという。(F)

    P70英米露などは、武力で日本を植民地化しようと思えばできたかもしれない。でも、江戸の町で本の立ち読みをしている庶民がいるのを見て、「この国はとても植民地にはできない」と思ったという話があります。当時の江戸の識字率は50%と言われ、最先進国の首都ロンドンの20%に比べても、圧倒的でした。文化の高さは防衛力にもなるということですね。(F)


    P71フィールズ賞受賞の小平先生はかつて「日本語はあいまいだから、数学を創るには有利だ」という趣旨のことをおっしゃいました。あまりぎちぎちしていない文だけ、想像がふくらむ、ということです。~~~~~~~たとえば「パクパク食べて、ガンガン飲む」とかね。こういうのは他の国にないんですよ。「すーっと来て、さーっと消える」とかないんです。にほんはこういうのがやたらありますよね。あいまいをいやがらない民族性だから、次から次へと言語を豊かにしてきました。

    P79私は基本的にどんな改革であろうと、伝統を傷つけるような改革は、まず待てと思うことにしています。どんな改革でも「まず待て」です。私はそれが、日本やヨーロッパのような歴史ある国々の、正しい態度と思うのです。アメリカのような新しい国は、なにをしても、それが間違っていれば「いけね」と言ってやり直せばいい。しかし、日本やヨーロッパやアジアの古い国々では、いったん伝統を壊すと、意外なところに失うものが現れるのです。(F)

    P80それで私なりに考えて、その国の言葉が美しいと言えるのは、その国の言葉で書かれた書物がどれほどあるかということなのではないか、いやそれにつきると思い至りました。(A)

    P100
    絵と音楽は違うものなので、歌詞の内容を絵解きしても始まらないし、もともとできない相談だと思った方がいいんです。(A)

    P104
    それで充分なんですよ。そもそもリズムに触れるだけでも価値がありますから。藤村とか白秋のすばらしいものは。感受性は変わり続けますから、いつかよく分かるようになる。~~~読む人間の年齢により、受け取り方が違う。読みとり方は人それぞれでよいのだから、若い時は若い感受性で読めばよい。だから、不快意味まで読み取れなくとも、読ませるのがいいと思います。(A)

    P107たとえ事実を書いても小説という以上は舞台のうえです。芝居はそのまま、舞台そのものです。うそなのに涙が出てくる。どうも、表現というものは、舞台の上に乗せる仕事といえそうですね。
    テレビの中も舞台です。だからテレビの中の嘘はこわいです。ドラマとコマーシャルとニュースが近藤してくるから。(A)

    P114ユーモアと冗談は紙一重で、相手を見て言わないと失敗することがあります。ユーモアトナンセンスは似ているようで違います。~~~悪口とユーモアは、反対の姿をとっていますが、悪口は自分と相手の間の距離を測るものさしみたいなところがあって、友達ならかなりのことを言っても許される。(A)

    P118ユーモアと独創性というのは非常に近いですよね。(F)

    P121弟に向かって一生懸命嘘をつく。~~~かなり大きくなってから、「お前、どう思ってた?」と弟に聞いたら「あの時くらい心豊かだったことはない」と言っていました。
    その時の私は、弟に話して聞かせたかった。嘘をつきたかったということだけではないんです。弟から反射してくる彼のリアリティを、自分のものにしたかった。そうして嘘の世界に入っていきます。僕もいっしょになって本当のように体験することができます。おとぎ話というのはそういうものですね。お話というのは結局、子どもに話し手聞かせているようで、実は自分が楽しんでいるんじゃないかな、という気がします。(A)

    P124そう言われてみると、恋はそもそも実体のない、はかない嘘みたいなものからはじまるのかもしれませんね。「嘘から出たまこと」ですね。嘘の種を一粒まくと、事実が実ってくる。私もそのあたりの手筈がわかっていたら、もっともっと豊かな人生が送られたかもしれないのにね。
    助けてくれ」と言うと、そこへ追い込まれる。黙ってちゃだめなんですね。「愛してる!」と言えばいい。言うだけで種が蒔かれる。


    広瀬中佐の歌
    https://www.youtube.com/watch?v=RlWMfRydU28

    美しき天然
    https://www.youtube.com/watch?v=ozsvybhrb8E

    唱歌・童謡
    月の砂漠
    みかんの花咲く丘
    鐘の鳴る丘

    あわて床屋
    からたちの花
    砂山
    里の秋
    初恋
    日本橋から
    春の小川
    赤い鳥傑作集
    赤トンボ
    シャボン玉
    われは海の子
    冬景色
    村の鍛冶屋

    唄の絵本~日本の唱歌より
    片想い百人一首
    大志の歌
    絵本歌の旅
    幼児は漢字で天才になる
    厄除け詩集
    戦没農民の兵士の手紙
    こがね丸
    海潮音
    日本書紀
    余は如何にして基督信徒になりし乎
    代表的日本人
    茶の本
    東洋の思想
    平家物語
    方丈記
    特命全権大使 米欧回覧実記
    漢文を学ぶ
    古今和歌集
    ニーベルンゲンの歌
    新古今和歌集
    家庭の算数・数学百科
    日本的霊性
    枕草子
    神曲
    カンタベリー物語
    二十四の瞳
    万葉集
    武士道
    きけ わだつみのこえ
    学問のすすめ
    福翁自伝
    デカメロン
    ハックルベリー・フィンの冒険
    銀河鉄道の夜
    忘れられた日本人
    山びこ学校
    全訳源氏物語
    即興詩人
    独逸日記・小倉日記
    即興詩人のイタリア
    新唐詩選
    徒然草
    戦艦大和ノ最期
    武家の女性

    読書は単に知識の材料を提供するだけである。それを自分のものにするのは思索の力である。

    Reading furnishes the mind only with materials of knowledge; it is thinking that makes what we read ours.

    ジョン・ロック(英国の哲学者 / 1632~1704)

  • 12.13.2014 読了
    師弟の対談。

    日本語教育を考えさせられる。

    とにかく鴎外と四書五経の勉強をせざるを得ない感じになる笑

    12.13.2014 読了

  • 安野さんと藤原さんの対談形式で日本語の美について書かれています。
    とても読みやすかったです。入門というよりかは、日本語の美を共有し合おうという内容で、読者自らが美を体験できる本ではありませんでした。

  • 唱歌や童謡、今の世まで残ってきた文学作品。
    意味もわからずただ覚えた(覚えてしまった)あの台詞が、今は自分の血肉となっていることが手にとってわかる。自分のためになることだったのだと。

    装丁はクラフト・エヴィング。

    (20131016)

  • イラストや絵本、本の表紙などでみんな必ず目にしている画家・絵本作家の安野光雅さんと、数学者の藤原正彦さんは、小学校時代の先生と教え子だそう。美術と数学の先生である師弟二人が、古典作品の中の日本語の美しさ、豊かさについて語ります。最初は意味がわからなくても、文語体や五七調のリズムに触れていると、日本語の美しさを深く味わえるようになります。若い頃から古典や名文に親しむことの大切さをやさしく教えてくれる一冊です。

  • 紹介された本は読んでみたいなーと思ったけれど、この本の内容は印象に薄い

  • 安野光雅と藤原正彦が武蔵野市立第四小学校の師弟関係、というのが面白い。

  • 面白かったです。

  • 結構まったり読みやすい!

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著者プロフィール

安野 光雅(あんの みつまさ)
1926年、島根県津和野町に生まれる。BIB金のリンゴ賞(チェコスロバキア)、国際アンデルセン賞、講談社出版文化賞、菊池寛賞などを受賞。1988年紫綬褒章を受章し、2012年文化功労者に選ばれる。
主な著作に『ふしぎなえ』「『旅の絵本』シリーズ(全8巻)」(福音館書店)、『本を読む』(山川出版社)、『小さな家のローラ』(朝日出版社)などがある。いまなお『旅の絵本Ⅸ』、『いずれの日にか国に帰らん』など新刊を続々刊行。ほかにも多くの書籍の装丁を手がける。
2001年、津和野町に「安野光雅美術館」、2017年、京丹後市の和久傳の森に「森の中の家 安野光雅館」が開館。

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