世にも美しい日本語入門 (ちくまプリマー新書 27)

  • 筑摩書房
3.47
  • (22)
  • (29)
  • (61)
  • (7)
  • (4)
本棚登録 : 388
感想 : 60
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (137ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687272

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 10/08/02 この本は良い。鴎外の「即興詩人」を読みたくなった。

  • 巻末にある引用作品リストは、読書の参考になるかもしれない。
    著者はどちらも国文学や語学の専門家というわけでないこともあってか、本文は比較的軽い対談形式であり、日本語の美しさを示す例として取り上げられている作品も個人的な好みや経験に偏りがちに感じられる。引用される例そのものもそれほど多くなく、全体としては物足りなく感じられた。ただ、気軽に読めつつ、日本語について、日本語教育についてあらためて考えさせてくれる良書ではあると思う。

  • 極めて個人的な感覚だが、藤原正彦氏の物言いはあまり好きではない。理由は特にない。本当に感覚的な部分で自分とは合わないのだ。
    しかし、それでも本書の中で藤原氏が例に出す日本語には美しいものが多くて心を打たれた。
    逆に安野光雅氏は、人柄は知らなかったが、氏の描く絵が好きで勝手に好感を持っていた。
    だから、本書の中で安野氏が例に出す日本語には「さすが安野さん」という感じで大いに納得してしまうものが多かった。
    あまり好きでない藤原氏と、好感を持っていた安野氏が師弟(安野氏が藤原氏の小学校時代の図画工作の先生)というのは驚いたが、結局、美しい日本語は誰が触れても美しく感じるということがよくわかった。

  • [ 内容 ]
    七五調のリズムから高度なユーモアまで、古典と呼ばれる文学作品には、美しく豊かな日本語があふれている。
    若い頃から名文に親しむ事の大切さを、熱く語りあう。

    [ 目次 ]
    第1章 読書ゼミのこと
    第2章 国語教育の見直しを!
    第3章 日本人特有のリズム
    第4章 日本語は豊かな言語
    第5章 小学唱歌と童謡のこと
    第6章 文語体の力
    第7章 ユーモアと空想

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • この本の中で取り上げられていた本をメモしたので、見つけ次第読みたいと思っているところ。

  • 日本語がいかに美しく豊かな言語であるかわかる。

    子供の時からもっと文学に親しんでいれば、とも思う。

    いまからでも遅くはないか、落ち着いたら文学とやらを読んでみるか。

  • 2006年1月27日購入。
    2006年2月23日読了。

  • 鷗外読まなきゃはじまらない!

  • (2006.04.21読了)(2006.04.18購入)
    安野光雅先生は、藤原さんの小学校時代の図画工作の先生でした。この本の企画をした筑摩書房の松田哲夫さんは、藤原さんの小学校の四年後輩です。同じ小学校に通った人たちが協力して作った本です。(9頁)
    由々しき問題は、若者が美しい日本語、すなわち文学を読まなくなったことである。(我が家でも、息子は、古典文学でも読むけど、娘は、口語体の会話の多い現代小説は読むが、古典や会話の少ない現代小説は読まない。)
    美しい日本語に触れないと、美しい繊細な情緒が育たない。恋愛さえままならない。祖国に対する誇りや自信も身に付かない。深い誇りや自信は、祖国の生んだ文化や伝統、すなわち普遍的価値から生まれる。(11頁)

    ●「忘れられた日本人」宮本常一著
    「忘れられた日本人」を読むだけで、農村も戦前、皆、逞しく生きていた。おばさんたちは田植えをしながらエロ話をしあい、貧困を笑い飛ばしながら快活に生きていた。そういうことがわかって、皆びっくりします。(18頁)
    ●加賀千代女
    高校の頃、国語の時間に、加賀千代女の「朝顔に釣瓶とられてもらひ水」という句の意味を尋ねられました。「滑車の円、釣瓶の直線、朝顔のラッパ状曲線のなす幾何学的美しさを詠んだもの」と私が答えたら、・・・(26頁)
    ●漢字
    「鳩」という字と、「鳥」という字と、「九」という字。子供の前に三つ並べると、最初に読めるようになるのは「鳩」、その次は「鳥」で「九」が最後になるという。子供にとって字画数は関係ない、具体的なものはアッという間に読めるようになってしまうという。(35頁)
    ●「即興詩人」アンデルセン著
    これは、口語体(大畑末吉訳)で読むとたいしたことはなくて、文語体(森鴎外訳)で読むと実に美しいものになるという特別珍しい作品だと思います。とにかく波瀾万丈で、読み出したらやめられないし、日本語の美しさが誇らしくなるほどの作品です。(62頁)
    ●モラエス
    明治から大正、昭和の初めにかけて、モラエスというポルトガルの作家が徳島に住んでいました。彼は日本人は歌ばっかり歌っているというんですね。大工はトンカチを叩きながら歌う。お母さんは洗濯をしながら歌う。行商人は歌を歌いながらやってくる。子ども達は学校の行き帰り、歌を歌っている。こんなに歌ばかりを歌っている国民はいないとびっくりしている。(90頁)

    安野さんと藤原さんが、詩や童謡を取り上げながら日本語の美しさを論じています。小説類は出てこないのが残念です。藤原さんの「読書ゼミ」の話が出てきますが、物語は「即興詩人」ぐらいです。

    著者 安野光雅
    1926年 島根県津和野町生まれ
    画家・絵本作家
    ☆関連図書
    「わが友・石頭計算機」安野光雅著、ダイヤモンド社、1973.06.01
    「絵のある人生」安野光雅著、岩波新書、2003.09.19

    著者 藤原正彦
    1943年 満州新京生まれ
    数学者・エッセイスト
    ☆藤原正彦さんの本(既読)
    「若き数学者のアメリカ」新潮社、1977.11.20
    「数学者の言葉では」新潮社、1981.05.20
    「父の旅 私の旅」新潮社、1987.07.05
    「遥かなるケンブリッジ」新潮社、1991.10.15
    「父の威厳」講談社、1994.06.27
    「心は孤独な数学者」藤原正彦著、新潮社、1997.10.30
    「天才の栄光と挫折」NHK人間講座、2001.08.01
    「世にも美しい数学入門」小川洋子共著、ちくまプリマー新書、2005.04.10
    「国家の品格」藤原正彦著、新潮新書、2005.11.20
    「祖国とは国語」藤原正彦著、新潮文庫、2006.01.01

    (「BOOK」データベースより)amazon
    七五調のリズムから高度なユーモアまで、古典と呼ばれる文学作品には、美しく豊かな日本語があふれている。若い頃から名文に親しむ事の大切さを、熱く語りあう。

  • 途中で放棄・・・。

全60件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

安野光雅(あんの みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。

「2023年 『文庫手帳2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安野光雅の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×