「ゆっくり」でいいんだよ (ちくまプリマー新書 43)

著者 :
  • 筑摩書房
3.80
  • (17)
  • (17)
  • (22)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 213
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480687456

作品紹介・あらすじ

知ってる?ナマケモノが笑顔のワケ。食べ物を本当においしく食べる方法。デコボコ地面が子どもを元気にするヒミツ。「楽しい」のヒント満載のスローライフ入門。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ゆっくり」でいいんだよ
    著:辻 信一
    ちくまプリマー新書 043

    スローライフの入門書

    かならずしも、スローがいいとはおもえませんが、たまには見方を変えてみるのもいいかと思います
    あせらないで、ゆっくりというのも、いいかも
    でも、ゆっくりと手を渡されても、どうしたらいいのかを考えてしまう

    気になったのは以下です

    ・時間というものは、ありすぎても、困るし、少なすぎても困る
     つまり、ひまをもてあますのも困るし、忙しすぎて時間が足りないのも困る

    ・ビジネスということばは、ビジー、つまり、忙しいということばからきている

    ・時計であらわされる時間というのは、地球のすみずみにまで広がった巨大なシステム
     一度それに組み込まれてしまったら、そう簡単にそこから抜け出ることはできない

    ・時間とは節約すればするほど、どんどん速くなっていく、すると人々は、ますます必死になって時間を節約するようになるのだった

    ・もう社会全体が今のスピードを基準にして動いている以上、そこからひとりだけ、抜け出すことはむずかしい
     後戻りどころか、そこにじっととどまっていることさえ、むずかしい

    ・持続可能な経済:破滅に向かって進んでいるデタラメな経済の代わりに、豊かな自然を保ち、人類の生存を続けていけるまともな経済をつくらなきゃいけない、ということ

    ・急速に進む生物種の絶滅という事態もまた、経済時間が引き起こすものだ。
     ひとつ、またひとつと生物の種が絶滅していく

    ・愛はゆっくり 人は愛なしに生きていけない

    ・チャウセスクの子ども収容所で、子どもたちの大量の死の原因は、愛がなかったからと結論した
     ルーマニアの子ども収容所はひとつの実験だったとみることもできる
     工場でモノを生産するように、人をつくることはできない
     それは人間というものが愛なしには生きていけない生きだから

    ・愛とは相手のために時間をむだにすること

    ・愛はスロー、つまり、ゆっくりとしたものなのだ
     時間がかかる、だから時にはめんどうくさい
     でもだからこそ、愛は愛なのだ

    ・人生は競争だ
     社会は競争によって進歩し、発展し、豊かになる
     というのも、人間が考え出した、競争物語というつくり話にすぎない

    ・なぜ生きづらいのか、それは人間が人間らしく生きることが難しくなっているから
     人間が人間らしく生きるための時間がもうあまり残っていないのだ

    ・人生には、はぶけないし、はぶいてはいけない時間がある
     その時間を守るためには、人にのろまといわれたり、スローとばかにされたりするのを恐れないこと
     愛はゆっくりでいい

    ・スローライフの入口、それは歩くこと、それもできればゆっくり、じっくり歩くこと
     目的地へとのびるまっすぐな道をはずれて寄り道をしたり、遠回りしたり、道草を食ったりすること

    ・そもそも、「ムダ」とは何か
     それは、「役にたたない」、「利益がない」ということ
     では、「役にたつこと」とは何か
     ある目的を達成するために必要なこと

    ・がんばらないで、ゆっくり ゆっくり歩けば、遠くまで行ける

    ・急がない、がんばらない
     日本ほど、人々が互いを急かせ、自分を急がせている社会もめずらしい
     いまでは、もう、なにをさがしているのか、わからなくなっている
     ぼくたちは自分は人にも、がんばれ、というけど、なんのために、なにを、どう、がんばるのか
     もう誰にもわからなくなっているんだ

    目次 * Contents

    第1部 時間がない―ファストライフの秘密
     第1章 きみと時間の関係
     第2章 時間ドロボーは誰だ!?
     第3章 時間戦争
     第4章 愛はゆっくり

    第2部 時間のくにへ帰ろう―スローライフへのカギ
     第1章 ナマケモノになる
     第2章 食いしん坊宣言
     第3章 たのしい引き算
     第4章 幸せはお金じゃ買えない
     第5章 遊ぼう、外にとび出そう!
     第6章 カナダの少女セヴァンの旅
     第7章 がんばらないで、ゆっくりと
     終わりに ハチドリのひとしずく

    ISBN:9784480687456
    出版社:筑摩書房
    判型:新書
    ページ数:176ページ
    定価:780円(本体)
    発売日:2006年09月10日初版1刷
    発売日:2020年07月15日初版8刷

  • 焦りを感じてしまうときに

  • 普段のせかせかした生活では、ついわすれてしまう大切なことを思い出させてくれる。

    より速く、より多く、より効率よく、より便利にと、掻き立てられるような社会において、そんなスピード感から救ってくれる感じがする。ゆっくりでもいいよと。

    ただ、人は社会という大きな歯車の一部のようで、なかなか1人だけゆっくりという訳には行かないかな〜と思った。

    けど、それでも自分のできる範囲で、スローライフを、zoonyライフを意識して生活したい。
    自分にとってはもちろん、環境そして、いずれは社会にとっても良い影響を与えるだろうから。

  • マイペースな自分を受容された気がして、モウレツに心が満たされた。

  • 題名が励まされているように思ったので選びました。

    • myknakaさん
      スローライフへのいざないですね。
      スローライフへのいざないですね。
      2020/05/31
    • myknakaさん
      今年はことに目に入るタイトルかもしれません。
      今年はことに目に入るタイトルかもしれません。
      2020/06/14
  • この本を読んだことで流れの速い社会にどうにも着いていけなくて、自分で自分を急かしてはテンパってしまう自分を許せた気がします。自分の生き方を見つめ直すキッカケになると思います。

  • 今だからこそ向き合いたい一冊。

  • 資料ID: C0032938
    配架場所: 本館2F新書書架

  • まぁそんな感じかしらね。

  • より『豊かに』生きようと、より人より『すぐれたい』と、必死に、あるいは無意識のうちに躍起になっている私たち人間―『進んだ』文明に生きる人々に、押し付けるでもなく、遠まわしに言うでもなく、のんびりと語りかけることの一つ一つが、本当に大切なことを教えてくれる。具体性には欠けたけど、自分の生き方を見つめなおし、自分を肯定できるように、もっと生きることに自由になれる本。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

福岡女子大学国際文理学部教授

「2024年 『捕鯨史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻信一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
ミヒャエル・エン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×