- Amazon.co.jp ・本 (156ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480687807
感想・レビュー・書評
-
学校の課題で途中を読みました!最後まで読んでみたくなるような本でした。感想↓
昔からの作法を年配の人より若い人が気にしていると言うのが興味深かった。確かに小説などの部活動でそのような場面が出てくることもある。その理由が、社会経験をまだ重ねていないからだと言うことで、少し納得できた。確かに中学生や高校生などは社会的なことに接する機会はあっても自分がその中に実際にはいないので、分からないことも多いだろう。しかし人との関わりが一番重要などは中高生や社会人なりたての若い人なので、人との繋がりについて考え直す機会を設けたり、実際に経験して、サポートもしてもらうことが必要なのではないかと思った。それが今足りていないから、悩んだり爆発してしまったりすることが社会問題になってきているのだろう。私も今一度人間関係を見直し、特に人との距離感などが掴めていない部分があると思うので、他人や自分が辛い思いをしないようにしていきたいと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「愛せない場合は通り過ぎよ」ーニーチェ
仲良くできる人や、気の合う人がいたらそれは当然のことなのではなくラッキーなことなのだという認識が重要 -
こういうことで悩んでいる人も多いのだろうなぁ、と思った。私はどちらかというと一人でいるのが好きなので、遮断してしまっているのかもしれないが。
友だち関係に悩んでいる中高生、教育関係へ進みたい大学生には是非読んでおいてほしい。 -
夫の薦めで読みました。
自己啓発本は苦手なので、評価低いです。
中高生向けとありますが、
出てくる単語が難しいものもあり
中高生が読むとは思えませんでした。
考えが変わり楽になる人はいると思います。
元々の自分の考えに似ていた為
新たな発見というより、
考えを具体的に文字におこされたような感覚でした
友だちと適度な距離をとるには
具体的はどうしたらいいのかというところまで
書いてあると尚良いなと思いました。 -
疑いもしてこなっかった友達という存在のありかたを、社会に出た今改めて考える機会になった。職場の人間関係に対するとらえ方もかわり、なんだか楽になった。
-
前半は退屈だったが、後半に入るとハッとさせられる部分がたくさんあった。「自由はルールのないところでは成立しない」とか「自分のことを丸ごとすべて受け入れてくれる」なんていうのは幻想だ、とか、「いじめはよくない」ではいじめはなくならない、「誰かをいじめると、自分がいじめられるリスクが生まれる」ことを理解させるべきとか。
「みんな仲良く」を学校で強制するのは無理があるというのも、納得した。気の合わない人とはうまく距離を保って共在することを学ぶべきだと。 -
人との距離感。
大事ですよね。接客業してると特に。当たり前ですが。
この本は中学生?を対象に書かれてるみたいなのでまず読みやすいです。大人が読んでも共感できること多かったです。
同調圧力、フィーリング共有関係。
確かに学生の時は多少僕もそういうの気にしてたと思います。
最近その辺を気にしてなさ過ぎてちょっと問題かなと思ったりもしますが…。
「1年生になったら友達100人できるかな」とかまさにですよね。
まるで友達多くなかったらダメかのような。
友達少なかったら問題あるかのような。
学校に通う前からもうそういう考えを押し付けてる気がします。
実際友達と呼べる人なんて5人いるかいないかぐらいだと自分は思ってます。
自分は友達1人って人もいると思います。
全然良いと思います。
ただそういう「友達」と呼べる人に対してもあくまで他者ということを前提に付き合うことが大切です。
題名が友達幻想なのでちょっとショッキングですが、友達を作ることなんて無意味という内容ではありません。
友達と呼べる人に対しても自分のことを100%受け入れてもらえるという考えをやめよう、他人との距離感をもっと考えようと主張している本です。
学生の方や組織の中で働く方々にオススメかと。 -
副題の通り、「人と人の〈つながり〉を考える」内容でした。
大人が読んでもおもしろい!と思います。
否、大人だからこそ、いろんな場面と出会ってきているからこそ「そうだよね」と思える表現と出会えるのではないかと思います。
人と人との距離感に目を向けることの大切さや、気の合わない人と共存していくためにどうしたらいいかなど、人づきあいに苦しさを感じた場面を想像しながら読んだのですが、いろいろ整理されて気持ちが楽になりました。
自分以外はみんな「他人」。だから、「作法」が必要だし、求めすぎないことも大切なんだよなぁ、と思いながら読みました。
個人的には「貨幣」の考え方の説明が一番「!」でした。
時々読み返したい一冊です。
-
菅野仁(1960~2016年)氏は、東北大学文学部卒、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学、青森公立大学経営経済学部助教授、宮城教育大学教育学部助教授等を経て、同大学教授、同大学副学長。専攻は社会学。
私は新書を含むノンフィクションを好んで読み、興味のある新刊はその時点で入手するようにしているが、今般、過去に評判になった新書で未読のものを、新・古書店でまとめて入手して読んでおり、本書はその中の一冊である。(本書は2008年出版)
本書は、2008年に、(ちくまプリマ―新書から出されているように)友だちとの関係に悩みを持ち始めた中・高校生に向けて書かれたものであるが、近年になって注目されるようになり、様々なメディアで取り上げられ、中学から大学の課題図書や入試問題文としても繰り返し使われるとともに、社会学的知見から他者との関係を説いたものとして、老若問わず読まれているという。
著者が言いたかったことをシンプルにまとめれば、現在の日本においては、同質な人が集まった集団というのは極めて限られているのであり、同質性の高くない集団(=異質な人の集まった集団。現在の中学校や高校はこちらに属する)を上手く運営するためには、「みんなで仲良くする」という発想を止め、必要最小限のルールを決めた上で、異質な人とは一定の距離を置くことを良しとし、全員が共存・並存できるようにするべきで、それを、中・高校生本人のみならず、教師・親を含む社会全体が理解する必要がある、ということである。
そして、それは、(会社等の)大人の集団では、異質な人と共存することが求められるのに対し、中学校・高校では、異質な人と共存することが想定されていない、という著者の現状認識がベースとなっており、その指摘は極めて的確であるが、敷衍すると、日本の社会は、大人の集団でさえも同質性が暗黙に求められ、よって同調圧力が強いものとなっていて、それは、日本人の特性(それが良いものか悪いものかは別として)と言えるものなのかも知れない。これは、かつて、西洋史学者・阿部謹也が「世間」と呼び、評論家・山本七平が「空気」と呼んだものであるが、それゆえに、本書は、若者だけではなく、大人にも読まれているような気がする。
また、以下のような示唆に富む指摘も多い。
◆教師に対して、「生徒の記憶に残るようなりっぱな先生をめざすことは、必ずしも必要ない。・・・ふつうは生徒たちに通り過ぎられる存在であるくらいでちょうどいい」。
◆大人であることの重要な要素のひとつは、「人間関係の引き受け方の成熟度」、即ち「親しい人たちとの関係や公的組織などで、ある役割を与えられた中で、それなりにきちんとした態度をとり、他者と折り合いをつけながら、つながりを作っていけること」である。
◆「君たちには無限の可能性がある」とばかり教えるのではなく、「人には誰にでも限界がある」「いくら頑張ってもダメなことだってある」ことを教えるべき。
◆「ムカツク」「うざい」「ていうか」「チョー」「カワイイ」「ヤバイ」「キャラがかぶる」「KY」等の言葉は、他者との関係が深まらない、コミュニケーションを阻害する言葉であり、危険である。
若者に限らず、大人が読んでも気付きの得られる一冊と思う。
(2022年7月了)