中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688194

感想・レビュー・書評

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  • 人間の本質を考える方法が、哲学。人間は何のために生まれてきたのか、この問題が永遠にわからないたむ、ずっと考え続けることになる。だから、自分の意志が大事。

  • 哲学、宗教、科学の違いと価値、自分とは何者か、生きる意味、ルールとは何かなど、自ら思考することの大切さを説いた本。中学生向けに書かれていて平易な言葉で説明されていて、なんとなく分かっていたつもりになっていた事柄が、よりよく理解できたと思う。資本主義、宗教、科学のバランスが、最近なぜ崩れつつあるかということも、本書の説明で納得。「欲望はいつも必ず向こうからやってくる」「宗教最大のライバルは資本主義」「一般欲望だけでなく、固有欲望を持つことのススメ」

  • 語り口は軽妙だけれど、本当に理解するのには、ある程度の哲学的な問題意識と素養が必要。

    フーコーやレヴィナス、分析哲学への批判は、なるほどと思える。哲学と宗教の違い、科学との親近性も面白い。

    アーサー王伝説から自分の意志を持つことの重要性、そして最後のファンタジーと論としては面白いが、どこまでアクチュアルたりうるか疑問だ。

    ・人間は希望や目標が強く明確になるほど、意味と価値の秩序がしっかりし、そのことが時間のリアリティをますます濃くする。
    ・宗教には「ここに何かほんとうのものがある」という人々の信憑を土台にした「真理を求めるゲーム」という性格がある。哲学は、むしろ「普遍性を求めるゲーム」。
    ・宗教は、それが大きくなればなるほど、できるだけ重々しい「権威」づけを行い、この権威をみんなで厳かに守る「権威のゲーム」になる傾向をもっている。
    ・ルソー:財の蓄積のないところでは、戦争の理由がないはずだ

  • 著者がどのようにして哲学の道に入っていくことになったのかを振り返りつつ、著者自身の哲学をわかりやすい言葉で語っています。

    著者は、現象学を独自に受け継いだ「欲望論」ないし「エロス論」と呼ばれる立場を標榜しています。本書の後半では欲望論の観点から、われわれがこの社会のなかで「幸福」を追求することの意味について解き明かそうとしています。とくに、自己自身の欲望のあり方と社会のルールを編みなおしていく可能性を示すことに、著者の努力が傾けられているように思います。

    ただ個人的には、著者やその盟友の西研らが、ここで語られているような考え方を「元気の出る思想」として提出していることには、おめでたさを感じてしまいます。むしろそのような仕方で自己と社会に関する理解を編みなおしていかなければならないことに倦怠感を覚えてしまいますし、それが現代思想の流行を支えた心情的な背景になっていたような気がするのですが。

    ところで、著者は『現代思想の冒険』や『言語的思考へ』(ともにちくま学芸文庫)などでくり返し現代思想への批判をおこなっていますが、本書でも随所に現代思想に対する不満が述べられています。ただ、個人的には著者の現代思想批判には納得できないところがあると感じています。本書ではレヴィナスやその影響のもとにある他者論について、「まずいちばん注意すべきは、哲学的な装いをとっているものの、この「他者」の考えの核にあるのは、不遇な立場にある他者へ憐憫、道場、そして利他的なものを生活の基本にしようという、古くからの人間観だということです」と述べ、またそうした他者論を一種の「ロマン的思想」と特徴づけています。しかし、レヴィナスをはじめとする現代思想の他者論は、まさにそうした他者の理解を批判するというモティーフをもっていたのではなかったかと思います。

    おそらく著者自身も、その程度のことは十分に承知しているはずです。そのうえで、著者自身の欲望論の観点から、現代思想の他者論を導いている「本質」を観取した結果、それは一種のロマン主義にほかならないと結論づけているのだろうと思われます。

  • 自分の意志を持つとは

  • 中学生からの、というタイトルだけど、中学生、読むのかなあ。
    哲学はなんぞやを知るのに、非常に役立った。宗教と哲学の違いとか、わかりやすい。下手にニーチェとかから入んないほうがいいな。
    1章は著者の体験談で、主観ありまくりで、失敗したかなあと思ったけど、あきらめないでよかった。

  • 人間社会は自己ルールに基づいた個と他者との承認ゲームである。自己ルールは自身の生い立ちや欲望と深くかかわっており、欲望の実現のためには他者との承認ゲームを勝ち進んでいかねばならない。資本主義では”金”がゲームの勝敗を握っており、欲望のまま金儲け一辺倒に走ると、ゼロサムゲームへと発展。8割が負け組みとなる世界を創ってしまう。そもそも欲望を作り出す自己ルールは家族や社会が作り出すものであり、我々がもっと豊かな価値観を目指した場合にはWinWinゲームが出来るのではないか。そのような提言を感じました。

  • まえがきには本の構成が簡潔にまとめられていました。
    後半は例などを用いて説明されていたので読みやすかったと思います。
    ただ"中学生からの~"と言うには、前半は少し難しいかも。

  • 書いてあることはかなり難しいかも。宗教は「権威」のゲームになっていく傾向がある、哲学はどんどん難しくなっていく傾向がある、というのはいい対比だと思う。

  • 「自己ルール」を再確認し「一般欲望」を吟味することが自分の意志を持つことにつながる.

    →世間で言われる成功なんてほんの一握りしかできないんだからそれを追い求めてもよっぽど才能ない限り心体おかしくなるだけ.
    自分の中で折り合いをつけることが大事.

著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、『プラトン入門』、『言語的思考へ』、『人間的自由の条件』、『完全解読 カント『純粋理性批判』』、『完全解読 フッサール『現象学の理念』』ほか多数。

「2017年 『ハイデガー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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