中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688194

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    自分とは何か。
    なぜ宗教は生まれたのか。
    人を殺してはいけない理由は何か。
    何となく幸福じゃないと感じるのはなぜなのか…。
    読めば聡明になる、悩みや疑問に対する哲学的考え方。

    [ 目次 ]
    1 自分とは何者か(神経症-私はなぜ哲学者になったか 欲望論哲学の出発点)
    2 世界はどうなっているか(宗教のテーブルと哲学のテーブル 哲学のテーマ-「神」と「形而上学」について 宗教と哲学の弱点)
    3 なぜルールがあるのか(大貧民ゲームで近代社会を体験する)
    4 幸福とは何か(ガウェインの結婚-「自分の意志を持つこと」)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 中学生が理解できる哲学の本だと思って読み始めたが時間がかかったぁ(汗)
    現代社会においては、自由すぎて何が「自由」なのか、豊すぎてどこに生きる意味があるのかも、うまくみえない。その環境で「自分の意思をもつこと」ことが、現代社会に生きる私たちにとっての最大のテーマなのだと。

  • とっつきにくい哲学をわかりやすく書いた本。著者によれば哲学も宗教の科学の違いは世界の説明の方式。その中で哲学は人々の異なる信念や価値観の中から共通項を取り出すような考えだと述べる。違う言葉でいえば、自己を押し付けるのではなく自己と他者と相互承認のうえに哲学は成り立つ。
    自分自身について自分で深く考える方法が哲学のエッセンスとも説く。各々は・・したい や ・・になりたい といった欲望を持つが、それは各々の自己ルールによって規定されている。自分の欲望や自己ルールを省みることが自分の意志を持つということである。

  • 分かり易く、読みやすく、面白い内容だと思います
    が、この内容が中学生から読めるかというと。。。
    そんな中学生がいたら驚異的だと思いました。
    息子が読めたらかっこいいなあと思いますが。

    フッサールやハイデッカーの現象学の立場から
    近代以前の神学・近代哲学・ポストモダン・現代哲学
    までの流れや、宗教と科学と哲学の整理。
    自己欲望と自己ルール、一般欲望。
    自分の意思を持つことの重要性。他者とのかかわり
    、形而上学の扱い。。。
    それぞれ分かり易く書かれてあります。ただ、大人が
    読んでも何度も読み返すか、そういう話に接し
    続けないとなかなか腹には落ちないのではと思います。

  • 以下、心に留った点
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    誰でも自分の心を内省して、ここまでは確実、それ以上確実なことが言えないという分岐点がある。誰でもそれを意識できるし、言うことができるという点に、「現象学」の確信がある。

    あるところから先は、決して確実なことがいえない…懐疑論、相対主義
    確実なことが言える…真理主義や客観科学主義
    現象学は正しい認識という問題をどの程度確信と納得の状態があるか、という枠組みに置き換えた

    事実を知るということと納得する自己了解するというのは本質が違う

    人間や社会の問題では、何が「真理」か誰が「真理」を持っているか、と考えてはいけない。たくさんの人間がそれぞれ自分の確信をもち、その確信を交換し合っている。そういった多様な確信が、どのような条件があればうまく交換され、共有されるのか、ということをはっきりさせることが認識問題の本質である

    ヘーゲルの「不幸の意識」理想には憧れるけど、自分は到底そこまではいけない。それで引き裂かれて挫折がおこる。
    =世界が壊れる経験
    そこからの世界の自己修復

    人間は希望や目標が明確になるほど、意味と価値の秩序がしっかりとして、そのことが時間のリアリティをますます濃くする

    竹田さんの「欲望論」
    事物の存在の性格や意味が、それに向き合う人間(主体)との関係によって変化することを、関係が相対的だという。
    欲望がなければ、世界の意味の秩序は形成されない。ただしまた、世界の秩序が形成されてはじめて、われわれは自分の欲望ののなんであるかを知る=欲望相関性

    2章 宗教も哲学も「世界説明の方法」

    宗教 人間は自我に存在の不安をもつ。それを克服するためにあらわれた
       物語がある。教祖がいて、「真理」に近づく真理のゲーム
       共同体の知恵。人間の生活が多様になることであまりうまく働かな   くなってきた。
       弱点 激しい競争と権威のゲームへの推移

    哲学 タレス 世界の森羅万象は「水」「アルケー=原理・起源」
       原理を提出する言語ゲーム
       方法の特質は概念を使うこと、原理を置くこと、再出発(幾度でも   新しい原理を提示できること) 
       これによってより「共通了解」に近い原理(キーワード)を推し進   めていく
       弱点 難しくなっていく
          懐疑主義(相対主義)物事は見方を変えるとなんとでもいえ                る。確実なことなど何もない  

    神の問題を通さなくても人間の問題を考えることができるようになった。(例えば、社会や人間欲望や実存)それが哲学において「神が死んだ」という意味

    自由の相互承認による宗教の受け入れ合う世界

    本質=イデア 「真理」とは違う。それぞれのものごとにあるもの
           一番大事なポイントをなんと言えばいいか

    アルケオロジー=考古学=起源の学
    アナクシマンドロス 無限なものトアペイロン
    アナクシメネス   空気プネウマ
    イオニア自然学派

    詭弁論
    ヘラクレイトス 「人は同じ川に二度は入れない」
    エレアのゼノン 「アキレスは亀を追い越せない」
             無限は何よりも大きいということではない

    第3章 ルール
    なぜ人を殺してはいけないか
    社会のルール 自分の自由を投げ捨てる行為だから(相互承認がなければ       確保されない)
    道徳的側面  見つからなければOK?自分は全うな人間だと自分自身に言       えなくなる

    自己とは何か?実存哲学 キルケゴール、ニーチェ、ハイデガー
    そしてヘーゲル
    自己価値の欲望 自己のルールの束

    他者との承認ゲーム。どのような承認ゲームを作ろうとするかは、その人の生への欲望にかかっている。それは、自己ルールによって決まる。

    母親からいわれるよいわるいが最初のルール。ということは、親のもつ教育の責任はとてもとても大きい

    第4章
    根本原因と派生原因。
    資本主義社会が悪いのではない
    資本主義社会は持続的に生産を拡大させる経済のシステムであり、それは同時にすべての人間に「自由」を解放する近代社会と切り離せない社会
    無限競争にならないウィンウィンゲームにいかにしていくか

    一般欲望 たくさん愛されたい、評価されたい、人の上に立ちたい、偉くなりたい…
    競争の中で実現される欲望である以上、ほとんどの人は挫折する
    そこで必要なのが「自分の意思を持つこと」ではないか?
    =自分の幸福の条件を、才能や運にゆだねるのではなく、自分でよくつかみ直すこと、言い換えれば、自分で自分の「自由の条件」を考え、作り直すこと

    ある欲望が本当に自分を生かすような欲望であるかを自ら考え直すことには重要な意味がある
    自分の感情は本当の自分ではないそれはファンタジーだ

    金岡新さん

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • 哲学入門ということで読んでみたけれど、わかったような、わからんようなもやもやした気持ちが残る。

  • 勉強になりました。

  • 自分で自己分析を続けていって、最後にその核心の部分にコツンと当たる。なるほどと思う。解離性障害をそこまで突き詰めていくには相当なエネルギーが必要だとは思うが、それができるのが哲学ということなのか。

  • ヘーゲルの人間社会観に基づく自由主義的社会理論や、資本主義の洞察など、竹田青嗣の哲学が平易な言葉で語られている。
    中学生には分からないかもしれないが、高校生や大学生の哲学入門としては良書だと思う。

  • 頭のよさそうな文章で、ときどきはっとさせられるフレーズがあり、興味深かったです。みなさんのレビューにあるとおり、中学生には難しいです。高校卒業したあたりでぜひ読んでおきたい本。

著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者。早稲田大学政治経済学部卒業。現在、早稲田大学国際教養学部教授。主な著書に、『プラトン入門』、『言語的思考へ』、『人間的自由の条件』、『完全解読 カント『純粋理性批判』』、『完全解読 フッサール『現象学の理念』』ほか多数。

「2017年 『ハイデガー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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