西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
4.09
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本棚登録 : 1469
感想 : 117
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688767

作品紹介・あらすじ

名画にこめられた豊かなメッセージを読み解き、絵画鑑賞をもっと楽しもう。ヨーロッパの中高生も学ぶ、確かなメソッドをベースにした新しい西洋美術史の教室へようこそ。

感想・レビュー・書評

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  • 原田マハさんを読んでから、絵画や美術のことについて知りたいと思うようになり、手に取ったのが本書です。
    知識ゼロからでも読める、とても親切な入門書でした。

    絵を見るときに「なぜその作品がその時代にその土地で描かれたのか」「なぜその様式が流行したのか」といったことまで考えてみたことはなかったなぁ…と思います。
    今までは高校の世界史で「この時代の美術はこれ」と覚えたくらいしか絵に興味を持っていなかった私にとって、ある作品を通してその向こう側にある歴史や社会を知る、という視点が新鮮でした。
    また、当時は絵を買う人のために描く時代であり、現代のように趣味で自分の好きな絵を好きなように描くことができるというのは、実は贅沢なことなのだなぁと感じさせられました。

  • なぜその作品が描かれたのか、描かれた当時はどのような社会だったのか、なぜ人々はその作品を美しいと思ったのか…美術作品を前にしてなんとなく眺めるのではなく、自分で考えて深く味わう楽しみを教えてくれる本。昔は識字率が低く、絵画によって物語を伝えていた。絵の中で描かれているのは誰かを示すアトリビュートなど、知らないままでは理解することができない点は絵も文字も同じ。学んで初めて意味が分かり、作品をもっと深く楽しむことができる。

  • 絵を読むには、その時代背景やキリスト教の知識がかなり欲しいのだと知りました。
    自分は美術に関しては完全に初心者で、現状後半の美術史の列挙はあまり頭に入ってきませんでしたが、キリスト教や西洋の歴史も少しずつ勉強していきたいという意欲が湧いてきました。

  • 「どんな人がなんのために描かせたのか」「なぜその題材に需要があったのか」って視点は美術鑑賞する上で今まであんまり気に留めてなかったけど、そこを意識すると今までよりもっと美術館が楽しくなりそう!
    パトロンがついたメディアとしての美術品って視点で、今まで見てきた絵画や彫刻をもう一度見てみたくなってきた。

  • この先生のゼミ絶対面白そう
    美術史ってこの時代はこういう作風が流行ってて〜ってそういうの覚えるようなことかと思ってたけど、むしろこの作品にはこういう作成背景と社会的背景があってっていうのを資料を基にしながら読みといていくことなんですね
    アトリビュートとかシンボルとかもっと知りたい
    絵を読みとけたらもっと面白いだろうな

    1章の伝達ゲームを実際にやってみたけど、言葉で説明するの難しかった

  • 中高生向けのちくまプリマー新書なので、読みやすい。
    美術作品はただ眺めるだけでもいいのだが、作成された時代背景や、作家がどんな影響を受けたのかを知ることで味わいは格段に増す。そのことを再確認する良書。

  • プリマ文庫って、高校生向けなのか。どうりで、ものすごく分かりやすく、美術史の美術の味方がかかれている。

    歴史も美術館も大好きな私にぴったりな本。装丁もステキ。

  • 著者の熱心さ、読者に対する真摯さがあちこちに滲み出ている。

  • 第一に言えるのは、この本の中では、絵画や彫刻といった美術作品を、「アート」ではなく歴史を探る「資料」として扱っている、ということ。

    つまり、古墳やミイラ、ラスコーの壁画のように、その事物が生まれた時代や社会背景を読み解く鍵として、美術作品を見ている。

    その上で、この本の中では、絵の背後に潜む社会背景を読み解く術の一端を解説したり、実際に例を出して読み解いてみたりしている。

    このあたりの解説は非常に分かりやすくて、入門書としての役割を十分に果たせていると思う。

    ただ、美を楽しみ、感動することを目的とした人が最初に読む指南書としては適していない。

    どちらかと言えば、歴史が好きで、遠い昔にロマンを感じられる人が楽しめるものだと思う。

    というのも、主眼が作品そのものを楽しむのではなく、作品を使って歴史を探ることに置かれているから。

  • 絵画を読み解くことで、社会の様子や人々の考え方、価値観がわかるということを、時代時代の作品を取り上げて、優しく開設してくれている西洋美術史のまさに入門書。

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著者プロフィール

池上 英洋(いけがみ・ひでひろ):1967年、広島県生まれ。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。現在、東京造形大学教授。専門はイタリアンルネサンスを中心とする西洋美術史、文化史。『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」では日本側の監修者となった。『錬金術の歴史』(創元社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『西洋美術史入門』、『西洋美術史入門〈実践編〉』、『死と復活――「狂気の母」の図像から読むキリスト教』(筑摩書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(東京堂出版)など著書多数。


「2024年 『パリ 華の都の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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