- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480688859
感想・レビュー・書評
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アフガニスタンをパシュトゥン・ワリなのでアメリカという侵入者を排除ということから捉えていることは、他の本ではあまりないように思われる。さらにヨーロッパでのイスラムへの反感についてよく書いてある。さらにトルコでの地震の日本人ボランティアの被災についてのトルコ政府の行為をイスラムということから説明しているあとがきは傑出している。最初の部分は説明だけなのであまり面白くないが、後のほうにしたがって現在との関係が明らかになってくるので興味が湧くと思われる。
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【入手前のコメント】2012/10/5
日本人にとってイスラム世界というのは接点が無いと考える人が多いと思う。でも、イスラム人口は世界に16億人で増え続けていて、2030年には世界人口の4分の1を占めるそうだから、世界を知るにはイスラムを知らなくてはならないだろう。この本は日本人イスラム学者の書いた、イスラム文化からの視点で書かれた本だそう。 -
勉強になりました。
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イスラムはなぜ西洋的価値観と衝突するのか。
この本を読んで、ものごとの受け止め方、解釈が違うのだとあらためて痛感させられた。そしてイスラムとはこうだというわたしたちの思いこみがいかに多いか。とても面白い。おすすめ。 -
イスラム側から見たアラブ(イスリーム)の現状を分かりやすく説いた本。アル・カイダとタリバンの関係や、トルコとアルメニヤな確執など、日本のメディアでは報道されなイスラムの諸問題が語られています。
これを読むと改めて西洋世界、特にアメリカやフランスの傲慢さや好戦性について考えさせられます。 -
一般的な日本人であれば、どうしても西欧からの視点で、世界の物事を見てしまうが、この本は、イスラームからの視点で現状の国際状況をみるとどうなるか、非常に分かりやすく、かつ説得力のある内容で解説してくれる本。ナインイレブンのこともあり、どうしてもイスラム教徒を偏見視してしまいがちですが、彼らも我々と同じノーマルな人だということが、よくわかりました。
著者自身、トルコ語を話すということもあり、アフガニスタンのカルザイ大統領含め、イスラム圏の有力者たちの直接インタビューの経験が豊富で、彼らから見たアラブの春、シリア内戦、アフガン問題やトルコ人によるアルメニア人大量虐殺事件、ムスリムのヨーロッパ移民たちの見方なども非常に興味深い内容。
また、近代国家の概念、民族という概念の経緯等、知識人としての基本的素養を身につけていることもあり、イスラームからの主観に陥ることなく、冷静に世界情勢をとらえている所も好感が持てます。 -
イスラームやムスリムの考え方が分かりやすく書かれていて勉強になる。イスラームに人種や民族の違いは関係ないこと、イスラームと相容れない国民国家の理念のためにアフガニスタン情勢の収拾がつかないことなど、新たな視点を得られた。「おわりに」は感動的な内容。