はじまりの数学 (ちくまプリマー新書 187)

著者 :
  • 筑摩書房
3.25
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本棚登録 : 95
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688897

作品紹介・あらすじ

どうして数学を学ばなければいけないのか。その経緯を人類史から問い直し、数学の本質を明らかにし、その面白さを体験してもらう。画期的に欲張りな数学の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 古代の数学を中心に。

  • 数学はなぜ必要なのか? 何に役立つのか?
    現代社会のあらゆる局面の根本には数学がある。何よりも「考える力」を身につけるために必要なのだ、と説く。
    まったくその通りなのだが、古代バビロニア、ギリシアの論理展開にもついていけず、考え抜く粘り強さもない。
    今の社会は反射的な対応を求める場面が多い。数学的教養がなければ、どんどん愚民に堕していくばかりか。

  • どうして数学を学ばなければいけないのか。その経緯を人類史から問い直し、数学の本質を明らかにし、その面白さを体験してもらう。画期的に欲張りな数学の入門書。

    p.186
    1.大事なのは知識ではなくて、考える力である。
    2.考えるのは楽しいし、わかればうれしい。
    3.数学を学ぶことは、人間が陥りやすい「直感の誤り」を防ぐのに役立つ。

    数学は嫌いという大人は多い。できる・できないがはっきりわかるので、少しでもわからなくなると嫌いになってしまう。また、個人差も大きい。日常生活には小学校4年生までくらいの算数で間に合うのに、高校までにかなりのレベルまで学ばなければならない。しかし、それにはちゃんと理由がある。というので本書を読んでみた。

     第1部では、エジプト、バビロニア、ギリシャの古代文明ではどんな数学が誕生し発展したのかが説明されている。そして、現代の科学技術はもちろん、経済学にも数学が使われている。国家として国民の「数学のレベル」をある程度高めておかないと、現在の生活水準の維持が難しいのだという。また、個人にとっては、急いで結論を出したり直感的な判断に頼らず、しっかり考える力を養うことが必要なのである。

     第2部では、「考える楽しさ」「わかるうれしさ」が具体的な問題を通して解説される。その中に「リボ払いの恐ろしさ」というのがある。無理なく返済できそうに見えるが、返せるお金も返さないことによって利息がふくらむので、カード会社にとって儲かる方法なのである。数学が賢い生活に役立つ1例である。


    ■目次
    数学嫌いはなぜ多い?
    第1部 数学とは、なにものか―数学の歴史(人類の曙
    エジプトと数学
    バビロニアと数学
    ギリシャと数学
    現代と数学
    日本人と数学)
    第2部 数学と、どうつきあうか―数学の面白さと効用について(できたよろこび、わかるうれしさ
    適切な表現で「わかる」ようになる
    論理的に考える
    手を動かすのはよいこと
    数学はしっかり使えば役に立つ)
    数学者は頭がわるい

  • 数学の歴史的な話が中心ではあるが、グラフ理論や論理がなぜ大事かをキチンと示しているところに共感が持てる。

  • 勉強になりました。

  • 読む前は単なる数学の紹介本かと思っていた。

    「はじまりの数学」というタイトルには、古代の数学(数学の始まり)と大人になってからの数学の適用(数学の入門)としての意味があると思われる。

    前半の古代の数学は、数学の歴史とトリビアであり、この手の本では定番の内容。本書独自の内容は後半部分かな。

    ケーニスブルクの橋や赤白帽子など扱っている題材は有名なものであるが、検証と解説の過程が丁寧でわかりやすい。この部分だけでもこの本を読んでお釣りが返ってくる。

    数学に興味がない人ほど読んでもらいたい。

  • 数学の歴史が紹介される前半の章は読み物としてへぇーって思えた。後半の具体的な問題は数学大苦手の俺には頭いたーくなる話。だったけど、何回か読み直して何とか理解できたって思ったら気持ちいい。ケーキの切り分け問題は最後までわかんなったからいつか再チャレンジしたい。大人の数学はゆっくりじっくり考えて、出来なくてもできるまで頑張ってもいいんだってこの本は言ってる気がするし。

  •  読んで良かった。新書コーナーで平積みされていたので。何となく。

  • 中公新書の『詭弁論理学』や
    童話屋で安野光雅・森毅と組んだ「美しい数学」シリーズの
    野崎昭弘先生の数学入門。
    前半はおおざっぱな数学史、後半は数学のおもしろさと効用について。序盤は風呂ぽちゃしたりもしてしばらく進まなかったけれど、
    中盤になってがぜんおもしろくなってきて一気に読了。
    ひとふでがき理論や紅白ぼうし問題、ケーキの切り分け問題など
    実際のケースをていねいに追いながら、
    数学的に問題をとらえ、推論する醍醐味をあじわえる。
    わたしはもともと数学と仲がいいほうなので、
    これが数学嫌いのひとのお役にどれぐらい立てるのかは
    未知数だけれど・・・

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著者プロフィール

野崎昭弘

一九三六年(昭和一一年)、神奈川県生まれ。五九年、東京大学理学部数学科卒業。六一年、東京大学大学院修士課程修了。東京大学助手、山梨大学教授(計算機械学科)、国際基督教大学教授(理学科)、大妻女子大学教授(社会情報学部)、サイバー大学IT総合学部教授を歴任。現在,大妻女子大学名誉教授。専攻、情報数学。著書に『電子計算機と数学』(ダイヤモンド社)、『πの話』(岩波書店)、『とらんぷ』(ダイヤモンド社)、『計算数学セミナー』(日本評論社)、『詭弁論理学』『逆接論理学』(中公新書)、『計算機数学』(共立出版)、『数学的センス』(日本評論社)、『トランプひとり遊び』(朝日新聞社)、『はじまりの数学』(ちくまプリマー新書)ほか。

「2021年 『まるさんかく論理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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