ぼくらの中の発達障害 (ちくまプリマー新書 189)

著者 :
  • 筑摩書房
4.11
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本棚登録 : 352
感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480688927

作品紹介・あらすじ

人とのやり取りが苦手だったり、こだわりが強かったり、発達障害とは病気なのだろうか?その原因や特徴、対処法などをよく知れば、誰のうちにもそれらがあることに気づくだろう。

感想・レビュー・書評

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  • 久々のこういう関連の本での良書だと思いました。
    私の息子は「広汎性発達障害」と言われています。
    でも親バカですが、とても素直でかしこく、やさしく
    人の痛みもわかっている気がするような、とてもいい
    子どもです。
    この本は、自閉症や発達障害の人の立場で書かれてあって
    とても参考になると思います。
    本人にもぜひ読んでもらいたいと思います。
    この本にも書かれてある通り、連続性(誰もが程度の差はあっても同様の悩みや感覚を持っている)と異質さ(その特性で生きづらくなった時はどうしようもなく深い痛手になること)の双方を持っている特性だと思います。自分にも”社会性の障害””コミュニケーションの障害””こだわり”が少なからずあるような気がします。
    いつも思うのは3つ。
    こういう特性を持っている人・子どもはとても、がんばっていて、とてもいい子が多く、魅力のある人が多いと思います。
    また、これらの特性に対する対応、接し方などは、障害のある人に対してだけではなく、すべてにおいて有用な対応だとおもうこと。
    さらに、自閉症や発達障害だけではなく、障害のある人はこの社会に対してのセンサーの役割を果たしているのではないかということ。

    この本からの引用
    ”人に対して内面を隠すという「自閉」は定型発達と呼ばれる人の中にあるものであり、逆に広汎性発達障害で、「自閉」を持つといわれる人の中にこそ、内面を隠さず人と繋がり情報を伝達する可能性がある”

  • 優しい気持ちで読み進められる本でした。
    著者が出会った人々とのエピソードと、それにまつわる著者の考え、思いが
    読みやすい言葉で、でも、わかりやすく、しっくりとくる言葉で
    書かれていました。

    発達障害の人、ではなく、その人個人として向き合っていくことについて、
    著者の姿勢が伝わってくるし、自分もこうありたいなぁ、と思いました。

    当事者向けの章も含め、今の自分にしっくりきたので☆は5つ。

  • 発達障害の解説はたくさんあるが、これが一番ピンとくる。誰にも発達障害の兆しがあるという観点が良い。

  • 「自閉症、アスペルガー症候群…発達障害とはどんなもの? その原因や特徴、対処法などを知れば、誰のうちにもそれらがあると、わかるだろう。

    人とのやり取りが苦手だったり、こだわりが強かったり、発達障害とは病気なのだろうか?その原因や特徴、対処法などをよく知れば、誰のうちにもそれらがあることに気づくだろう。」

    目次
    序章 「あの人」と僕は本当に違うのだろうか?
    第1章 発達障害ってどんなもの?
    第2章 社会性の障害とは何だろうか?―広汎性発達障害の特徴1
    第3章 コミュニケーションの障害とは何だろうか?―広汎性発達障害の特徴2
    第4章 こだわりとは何だろうか?―広汎性発達障害の特徴3
    第5章 「発達障害」を考える
    第6章 発達障害を持つ人たちへのアドバイス
    第7章 周囲の人たちへのアドバイス―発達障害という文化に敬意を払う
    最終章 君も僕も発達障害

    著者等紹介
    青木省三[アオキショウゾウ]
    1952年広島市生まれ。岡山大学医学部卒業。岡山大学医学部神経精神医学教室助教授を経て、川崎医科大学精神科学教室主任教授。臨床精神医学、特に精神療法、思春期青年期を専門としている

  • 発達障害について、易しめの手引書のような内容でした。
    発達障害の本人へのアドバイスと周囲の人たちの対処法と、両方載っているのが親切だと思います。

  • だれかの「生きづらさ」に目を向ける40冊

    所蔵状況の確認はこちらから↓
    https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001010280

  • 発達障害であっても、そうでなくても、人とのかかわりの中で大切なことを気づかされたというか、そうだよね、と改めて思い出させてもらえた。
    どんな相手であれ相手を尊重し、理解しようと誠実に向き合うことができたら、より良い関係を作ることができるのにな。
    これは、障害あるなしに関わらずなかなか難しい。

    発達障害の特徴のマイナスである部分が、状況によっては全く逆の作用をもたらすという文章にハッとした。
    コミュニケーション能力のみに惑わされず、その人の持つ本質を感じることができる人になりたい。

  • 誰の中にも発達障害の要素があり、濃くなったり薄くなったりしている。
    発達障害のチェックシートを見るといくつか自分に当てはまる。
    発達障害の人たちは、自分とは違う文化を持っている。
    障害を持つ人へのアドバイスや周囲の人へのアドバイスも書いてある。

    発達障害についてとてもわかりやすく書いてあると思う。

  • 5 子どものアセスメントにおける難題[岡田智先生] 1

    【ブックガイドのコメント】
    「精神科医によるものであるが、治療・研究対象ではなく、主観的、内面的に迫っている本。」
    (『ともに生きるための教育学へのレッスン40』66ページ)

    【北大ではここにあります(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
    https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001564757

  • 発達障害の当事者のみならず周囲の人も読むべき本。
    この本を読むと,いわゆる定型発達と呼ばれる人を含め誰もがその内に発達障害の特性を秘めていることがよく分かる。それぞれの「文化」が違うという表現をはじめ,大いに納得させられる中立的な見方を知ることができる。

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著者プロフィール

公益財団法人慈圭会精神医学研究所所長・川崎医科大学名誉教授

「2020年 『こころの科学215』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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