走れ!移動図書館: 本でよりそう復興支援 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 287
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689108

感想・レビュー・書評

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  •  移動図書館、利用されたことがある方はどの程度おられるでしょうか。私も子どものころに何度か見た記憶はありますが、利用自体はあまりしなかったような。それでも、車いっぱいに積まれた本のイメージは鮮明に残っています、ワクワクした気持ちと一緒に。

     そんな、移動図書館を駆って岩手を走り回っている、とあるボランティア活動を追いかけたのが、こちら。

     “(東日本大震災という)こんな時だから、今、出会う本が子どもたちの一生の支えになる”

     東日本大震災後の2011年6月6日から、“本の力”を信じてプロジェクトはスタートしました。始めたのは「シャンティ」というNGO団体。今までは、カンボジアやタイなどで、文化教育に関連する難民支援の活動を行っている団体とのことです。

     スルッと入ってきたのは、こちらの一言。

     “ボランティアやスタッフは「触媒」であり、「主人公」ではありません。”

     主役はあくまで、現地で生きていく人々。かりそめの客であるボランティアは、あくまで地元の力を底上げするための支援に徹するべきだろうとの、考え方でしょうか。

     当時も、強い想いをもって現地入りしても、食事も寝る場所も考慮してこずに、反対に地元に迷惑をかけてしまったとの話を聞いたことがあります。こんな風に“救援が二次災害になってしまう”のでは本末転倒でしょう、、そのことを、説得力のある言葉で伝えてくれています。

     “本は、人と人とをつなぎます。”

     一見すると衣食住とは無関係にも思える“本”、そんな時でも人はどうして本を求めていくのでしょうか。「人とのつながりを求めて」「感情に溺れるために」「“いま”を忘れるために」「亡き人を思いだすために」「現実に戻るために」、そいて「“いま”を切り開くために」などなど、、人それぞれです。

     それだけ多彩な理由で人は本を必要とするのだと、あらためて。

     ん、“人に本を届けるということ”についてあらためて考えさせられました、私がどうかかわっていきたいのかとの点も含めて、、そんな一冊です。

    • 8minaさん
      ohsuiさん

      はじめまして。
      レビューを読んで考えさせられました。当時何も動くことができず、義援金をお送りすることしかできませんで...
      ohsuiさん

      はじめまして。
      レビューを読んで考えさせられました。当時何も動くことができず、義援金をお送りすることしかできませんでした。
      地域の図書館で、なくなった図書館のために、子供たちに絵本を贈ろうというプログラムに参加しました。少しでも喜んでいただけたら嬉しいですね。
      2014/01/25
    • ohsuiさん
      8minaさん

      はじめまして。
      私も結局は、金銭的なサポートしかできていません。
      現地にも行ければと、登録はしているのですが、なか...
      8minaさん

      はじめまして。
      私も結局は、金銭的なサポートしかできていません。
      現地にも行ければと、登録はしているのですが、なかなかタイミングもあわず、行けていません。。

      図書館関連だと、陸前高田の図書館の支援に参加させていただきました。

      皆さんの元気に少しでもつながればと、思います。

      2014/01/30
  • 東北各地を襲った大震災から3年以上の月日が過ぎていった。あの日、遠く離れた東京でさえも大きな揺れで自宅の本棚、戸棚からものが散乱。しかしながら、直後に飛び込んできた東北の事態に言葉を失いました。

    その後、多くの方が支援のために被災地に入りボランティア活動を開始。支援する側も受ける側も様々な思いで続けていらっしゃるのでしょう。

    シャンティ国際ボランティア会の鎌倉さんチームは、いち早く岩手地区に入り地域の方々が生活を再建していくなか、本を通じて皆さんを支えておられる。

    ライフラインも復旧していない状態で移動図書館を立ち上げ、本の力を信じて皆さんの待つ地区から地区へ本を届けている。苦しい状況の中でも、本を読むことによって自分の世界と時間を取り戻していいける本の力。

    当時、多摩地区の図書館でも、本を失ってしまった子供たちに絵本を届けるプロジェクトがあり、自分の子供たちが好きだった本を購入してお送りしました。

    シャンティの活動はまだ継続しておられます。広く海外でも活動される皆様をすこしでもご支援できればと思います。

  • 鎌倉さんに「READYFOR?のことも書きましたよー」と
    言っていただけてから、ずっと楽しみにしていました。

    なぜ人は本を読むのか、本がどれだけのものを人に与えるのか、
    それは知識や智慧だけではなく、人をつなぐもの、
    人の日常を支えるもの、人を人たらしめるもの。

    それが、本の力であることを指し示してくれた一冊でした。

    私自身、本が大好きで、本に助けられてきたけれど、
    あらためて、図書の必要性、図書を通した場作りの重要性を
    教えてもらいました。

    図書館プロジェクトが、今後も続くよう、
    READYFORの一員として気を引き締めよう。

    走れ!移動図書館を読んだら、図書館戦争が読みたくなった。
    「本を焼く国は、いずれ人を焼く」

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「それが、本の力であることを指し示してくれた」
      この本も、「復興の書店」も読んでてウルウルしっ放しでした。
      「それが、本の力であることを指し示してくれた」
      この本も、「復興の書店」も読んでてウルウルしっ放しでした。
      2014/03/14
  • それを読むであろう誰かのことを考えながら本を選ぶこと、
    本を介して人が集まる場所をつくること、
    自分はなんてすばらしい職業についたのだろうか、と
    久しぶりに感じることができました。

    分からないなら、想像せよ
    ないのなら、作ったらいい
    シャンティの方々の姿勢、見習いたい。

  • 次第に遠くなっていく東日本大震災の記憶。今度は南海トラフ地震が起こる可能性について色々な検証が行われていますが、ほぼ確実に発生するという計算らしく、発生した時の経済的損失は1000兆円を超えるそうですね。そうなったら日本は本格的に終わってしまう事になるんでしょうか。少子化で体力が無くなっている頃に発生するとしたら、中国や韓国の実効支配の可能性もあるのではないかと思うとひたすら悲しいし怖いです。
    さて、これはそんな震災の時に移動図書館を立ち上げて人々の心に寄り添った記録です。同じく震災と本の関係を書いたノンフィクション、名著「復興の書店」で既に読んでいましたが、人がいかに本を必要としているのか、食べ物だけで生きているわけでは無いのだという事が、この本でもよくよく見てとれます。
    本を読むことによって現在の状況から一時的にでも頭を切離し、リフレッシュする事が出来るというのは何よりも大きな効能だし、新たな事にチャレンジする事においても、入門書やガイドが有るだけで一歩踏み出す勇気にもなります。

    これだけ読んでいると、本が無い生活というのは考えられませんが、電車に乗っていると全然本を読んでいる人を見かけないのです。これは一体どうした事なのでしょうか。震災の時には一部の人だけが本を求めているたのでしょうか?それとも非日常に図らずも放り込まれた時に、日常を取り戻すために皆が本を求めたのでしょうか?
    もし皆が本を求めたとしたら現在デジタルで本を流通させる事がメインとなった時に、移動図書館どころか、インフラが無いが為に誰も本が読めないなんて未来がくるのでしょうか。デジタルコンテンツの脆弱さはちょっと想像すれば分かりそうなものです。何百年もの時を超えても残っているのは紙の本です。データは破壊されたら終わります。是非もう一度紙の本を見直すという点でも移動図書館に思いを馳せてみてください。

  • 手元において、わすれないようにしたい。
    図書館の力、本の力を信じられる一冊。

  • 震災後,しばらく文字を読んでも頭に入らない日が続いた。

    その後,ものすごく本を読みたくなった。

    少し日常が戻った気がした。

  • 何度も涙が溢れてきました。
    もしも、これがプロのライターによって書かれていたら、こんなに心が揺さぶられる本にはならなかったのではないでしょうか。
    著者は被災地の移動図書館事業に携わる女性。流麗な文章や凝った構成はありませんが、書くための取材では拾えないであろう、現場のむき出しの声が聞こえてきます。
    日常を取り戻すために本を読む、それがいかに大切なことか、しっかりと胸に刻みました。

  • 東日本大震災後、海外での経験を生かし移動図書館の活動を軌道にのせるまでの記録。

    プロジェクトの進め方や障害となったことなどが具体的にかかれ、ボランティアをはじめとして何か新しい企画をはじめるときの参考ともなる一冊。

    後半では、そのような過酷な状況でこそ実感できる本の力について書き連ねられていた。

    本の力を感じるとともに、支援することの難しさを考えさせられた。

  • スタンダードブックストア@心斎橋:【EVENT】4/6 12:00 トークライブ 鎌倉幸子×花井裕一郎 「本・図書館・まちづくり」#2 - livedoor Blog(ブログ)
    http://www.standardbookstore.com/archives/66142706.html

    うるうる、うるうるうる、、

    筑摩書房のPR
    「大好きな本
    流されちゃったけど
    ここでまた読めるよ!
    被災者の「心」の回復のために本が必要だ。人々へ本を届ける移動図書館プロジェクト。本の力を信じて行われているボランティア活動の始動から現在までの記録。」
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689108/
    走れ東北!移動図書館プロジェクト
    http://sva.or.jp/tohoku/

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