しびれる短歌 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 225
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689160

作品紹介・あらすじ

恋、食べ物、家族、動物、時間、お金、固有名詞の歌、トリッキーな歌など、様々な短歌を元に歌人の二人が短歌とは何かについて語る。短歌の本質がわかる!

感想・レビュー・書評

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  • 東さんと穂村さんが気になる短歌を持ち寄って語り合った対談集。

    恋の歌、食べ物の歌、固有名詞の歌にトリッキーな歌…各章ごとにテーマに沿ったさまざまな短歌を紹介してくれます。
    ただ歌だけを読んだときと、その歌の詠まれた時代背景を知ったときで印象ががらっと変わる短歌があったりして、歌集を読むのとはまた違った楽しさがありました。
    短歌の余白は、詠われた情景や感情をより生々しく感じさせるなぁ…。

    本編だけでなく、付録もおもしろかったです。
    特に「歌人ってどうやってなるの?」の章では、お二人が歌人としてデビューするに至った道のりや短歌界の事情が書かれていて、初めて知ることばかりでした。
    歌集は名刺代わり、だから自腹で100万円を持ち出して歌集を作って、自分で配る…そ、そんな世界なのか…。

  • これは鑑賞する時のためにも
    作るときのためにもとても勉強になったよ。
    面白かった。

    今の若い人達が
    ハーゲンダッツのアイスを食べるときの気持ちと
    私が食べる時の気持ちは絶対違う。
    私の若いときはスーパーには売ってなかったし。

    同じように私がバナナと食べる時の気持ちと
    お婆ちゃんがバナナ食べる時の気持ちは
    絶対違う。

    きっと、平成の次の世代には
    スタバの立ち位置が変わってる可能性は大いにあるだろう。

    恋愛もセックスもお金も、
    家族の役割も時代によって大きく変わる。

    それでも変わらないものもやっぱりあって
    それがわかっていれば、
    短歌はもっと楽しめる、そう思った。

    うん、しびれるね。

  • これも短歌?と、先入観をぶち壊す
    セレクション。

    こんな歌あるよ、って周囲と話すのも
    楽しい。
    通して読むと、歌人に必要なのは
    人と違った角度から切り取る視点なんだな、
    と思った。

  • 生前は無名であった鶏がからあげクンとして蘇る
     木下龍也

     現代短歌がおもしろい、という大学生が増えた。なるほど、大喜利的な、思わず膝を打つ受け答えのような短歌が流通しているからだろう。

     たとえば掲出歌。命名によって新たな価値観が生まれ得ることを、やや冷めたトーンで歌っている。具体的な商品名=固有名詞の選択も、親近感を持たせている。

     一秒でもいいから早く帰ってきて ふえるわかめがすごいことなの
     伊藤真也

     乾燥わかめを戻しすぎた、という状況だが、助けを求めるほどの量ではないはずだ。けれどもそれを、同居人の帰宅をうながす話題に転化したところがおもしろい。

     こういった現代短歌が引用された「しびれる短歌」は、従来の短歌入門とは趣の異なる作品に出合える。「ちくまプリマー新書」という、初めて新書を読む若い世代向けのレーベルでもあり、先入観なしに短歌に親しむことができそうだ。

     しかも、若い世代の歌ばかりが引用されているわけでもない。
     
     くちづけをしてくるる者あらば待つ二宮冬鳥七十七歳   二宮冬鳥

     作者は、1913年(大正2年)生まれの医師。自分の筆名を詠み込み、既成の価値観にとらわれない、自由な発想を作品化したベテランであった。

     むやみに深刻ぶらない、重すぎないのが現代短歌だよ、というメッセージも伝わり、視野を拡張させられる新刊である。(2019年3月17日掲載)

  • 東氏と穂村氏が古今の歌をジャンルで分けてトークしながら紹介してくれる。
    やっぱり恋の歌は基本ですね。そこから派生した夫婦の歌の違いも面白かった。

  • ラジオで若手の作家さんの短歌を知り、そこから興味が湧いて手にとってみる。ツイートの140文字の制約なんてかわいいレベルの5・7・5・7・7。ひとつの言葉がもつさまざまな顔をみることになり、想像力も掻き立てられてすごいなと。

    恋愛や愛についての歌は、やはり女性のほうが滑らさがあっで、身体に関しての描写はとくによい。
    あと、時間や食に関する歌も面白いものが紹介されてました。気に入ったものをのいくつか共有。

    午後28時の人と隣合い電車にゆられてきる午後4時(亜にまさん)
    ・2回目の死を待つ肉のために鳴るタイムセールの鐘朗らかに(岡野大嗣さん)
    ・箸立てにまだ立ててある妻の箸かたりと動く箸取るたびに(岩間啓二さん)
    ・(7×7+4÷2)÷3=17 (杉田抱僕さん)

  • 現代短歌界をリードする二人の歌人が、短歌について縦横に語り合った風変わりな入門書

    《わざわざ言葉を型にはめてコンパクトな詩型にしたのに、それを何時間もかけて語りあって読み解こうとするなんて、なんとも奇妙で、非効率的なことだと思います。でも、なんというか、その奇妙で非効率的なことが楽しくて仕方がないんです。》──東直子「あとがき」より

    読者対象を中高生や学生に限るのはもったいない一冊はプリマー新書から

    書中に見つけた“しびれる”短歌をいくつか

    年下も外国人も知らないでこのまま朽ちてゆくのか、からだ  岡崎裕美子
    ほんとうはあなたは無呼吸症候群おしえないまま隣でねむる  鈴木美紀子
    午前2時裸で便座を感じてる明日でイエスは2010才        直
    奥村は源泉徴収でボーナスの四分の一を国に取られた      奥村晃作
    るるるるるるるるるるるるるるるるるどれがあの子の乗る一輪車    eh

  • おなじみの二人で短歌についていろいろ話すというもの。いろんな短歌があるよなーと思う。あとどうやったらプロの歌人になれるのか、というのが面白かった。自費出版で歌集を出さなきゃいけないなんて大変だよなー。

  • おなじみ東直子と穂村弘の短歌対談というか短歌漫談というか。東があとがきに書く通り、「わざわざ型にはめてコンパクトな詩型にしたのに、それを何時間もかけて語りあって読み解こうとする」という楽しさが全てであろう。同好の士が集って過去の名作や最近の話題作についてあれこれ意見を闘わせるのは、どのような分野であっても楽しいものだが、こと短歌となると、共有しているものが目の前の三十一文字で全てなのだから議論の親密さが違う。久しぶりに積ん読になっている『シンジケート』でも読むか。

  • しびれる短歌いっぱい載ってた。
    日常を五七五七七で表現できるっていいなぁ。

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著者プロフィール

1963年広島生まれ。歌人、小説家。絵本や童話、イラストレーションも手がける。「草かんむりの訪問者」で第7回歌壇賞、『いとの森の家』で第31回坪田譲治文学賞を受賞。歌集に『十階』、小説に『水銀灯が消えるまで』『とりつくしま』『さようなら窓』『薬屋のタバサ』『晴れ女の耳』、エッセイ集に『短歌の不思議』など。穂村弘との共著に『回転ドアは、順番に』がある。

「2019年 『しびれる短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東直子の作品

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