「研究室」に行ってみた。 (ちくまプリマ―新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 182
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689252

感想・レビュー・書評

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  • 著者は『夏のロケット』などの小説や、朝日の書評を書いたり多才な人。そのロケットの現場の人に取材したり、アフリカでバッタを追う研究者を訪ねてみたり。わかりやすく書かれているので、将来何になりたいかを気にする高校生にもいいと思う。研究者の最先端の現場、考え方、夢がわかる。良書。

  • この著者、『雲の王』の人だったか…
    小説自体は設定がすっきりしなくて微妙だったけれども、雲の話とかレーダーの話はおもしろかったんだよね。
    この本もおもしろかったので、山根一眞さんみたいに、こういう路線で行くと、いいんじゃないだろうかと思ってしまう。

    どの話もおもしろい。
    夢中になって何かをやっている人の話はいいなあ。
    ワクワクが伝わってくる。

    イナゴの被害などとして恐れられている群生相のバッタと、普通のおとなしいときの孤独相のバッタは同種だけど、群生相になったら顔つきも体色も禍々しく変わる、なんてのはTVでも見たけれど、実際に話を読むとまた細かく、色々なこともわかってきていて、知らないこともいっぱいだし。

    月の南極に行くために、地球の南極で月を想定するって話もいいし。

    超重元素、自然界に存在しない元素を作り出してしまう!という話は、元素とは何ぞやというあたりから話をしてくれて、すばらしい。
    原子核は陽子と中性子が核力で結びついているだとか。
    陽子は電子的にプラスなので(だから陽、なのか?)集まると不安定になる=原子番号の大きな元素は不安定で崩壊しやすい。
    原子番号とは原子に含まれる陽子の個数のこと。
    同位体とは、同じ元素だけれども中性子の数で重さが変わるので、重さの違うものが何種類も出来る。これを同位体という。
    とか、こんなの何度読んでも忘れてしまうのを、わかりやすく説明してくれている。
    ここらを考えるのに、
    「ええと…水分子というくらいだから、分子は原子がくっついたもので、原子はそれ以上分解出来ないと思われていたのでatomって名前だけれど、科学が進んだので分解できて……」
    なんて毎回考えるほどのレベルの私にもわかりやすい説明で、すばらしい!

    宇宙エレベーターの話は、元から好きなだけあって、ワクワクした。
    ああ、『楽園の泉』のタプロバニー国! 宇宙エレベーターがオーロラの中を通り抜けていった描写! 美しかった……
    大林組の考えた宇宙エレベーターは、
    火星の重力に等しくなる高度3900kmに火星重力センター
    月の重力に等しくなる高度8900kmに月重力センター
    を作って、それぞれに似せた環境下での実験をしよう。なんて計画もあって、楽しい。


    「宇宙エレベーターは可能である」の石川洋二さんのコメントがよかった。

    …略…
     人生の経験は、かK額に必要な魂を養ってくれる。…略…また、変化を恐れないこと。…略…三年も懸命に勉強すればその道の専門家になれる。十年ごとに専門分野を変えるのもよい。大変だけど、新しい景色が見ら得る。そして、他人と同じことをするな。ひとりでかき分けていく道に小さな宝石の原石が転がっている。
     最後に、なによりいつも笑顔をたやさないこと。笑顔には、科学の真実や、素敵な人々や、幸福や、人生の楽しみを引き寄せる力があるからだ。



    土が赤いのは酸化しているから、という話も、知らなかったので納得。
    土の入れ替わりが出来ないくらい、そこでは土壌の鉄分が酸化するほどの間、さらされているのね。それは植物も育ちにくいわけだ。

  • 研究者熱意やこだわりが伝わり、研究の面白さがわかる良本。

  • バッタを倒しに・・・つながり

  • ドキュメント、6人の研究者、前野ウルド浩太郎(バッタ博士)、高橋有希(宇宙)、飯田史也(バイオロボ)、森田浩介(超重元素合成)、石川洋二(宇宙エレベーター)、堀信行(地理学)。カッコでざっくり書いたが、そんな簡単にラベルできるものでもないが、後で思い出したりとっかかりによかろうと。前野先生の『バッタを倒しにアフリカへ』で言及されていたので読んだ。あのモーリタニアの件を別の視点でみるというのは面白かった。その他の研究者たちの話も面白い。特にこれからどんな分野に進みたいのか自分でわからない若者が読むにもとてもいいとおもう。本著に取り上げられている研究者の方々は華々しいが、この背後には累々と地味研究者のしかばねが、、、。ともかく、結構地味なラボが多いのでできるだけたくさん取り上げてほしいと思いました。

  • 研究の面白さを伝える良い本であった。
    昔、NHKので「爆笑学問」という番組がったが、それを思い出した。

    各章の最後にある「研究を志す若い人へ」というメッセージは、本当に若い人に読んでもらいたいし、自分が若い頃に読んでいたら、影響を受けていたかもしれない。

  • 大林組の宇宙エレベーターの話が面白かった

  • 科学

  • WEBナショナルジオグラフィックの連載の抜粋。加筆あり。

    サバクトビバッタ、宇宙開発、生物っぽいロボット、新元素を作る、宇宙エレベーター、地理学とは...どんな研究をしてるんですか?というインタビュー6本。最先端の研究をわかりやすく、丁寧に解説してくれている。「研究を志す若い人へ」という研究者のコラムもついているので、将来のことを考えはじめる学生さんには刺激になるかも。

    サイエンス系の読みものが好きなので、WEBナショジオのこの連載もずっと読んでます。毎回、世の中にはこういうことをやってる人がいるんだ、という驚きがあり、本に載っていない回も、どれも面白いです。

  • いやはや、久しぶりにメモをたくさん取りました。ひとに話したくなるエピソードの宝庫です。
    何より、著者の視点と構成が複雑なテーマをときほぐしてくれ、万人の知的好奇心をくすぐる。
    文系の方にもおすすめしたい。

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた ひろと)
1964年、兵庫県明石市生まれの小説家、ノンフィクション作家。東京大学教養学部卒業後日本テレビに入社し、記者として科学技術庁、気象庁を担当。
1995年『クジラを捕って、考えた』を執筆し、ノンフィクション作家としてデビュー。1997年日本テレビを退社後、1998年『夏のロケット』で第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞を受賞し、小説家デビュー。
その後も小説とノンフィクション二つのジャンルで活躍を続け、2000年『動物園にできること』で第31回大宅壮一ノンフィクション賞候補、2004年『せちやん 星を聴く人』で第25回吉川英治文学新人賞候補。2018年『我々はなぜ我々だけなのか』で科学ジャーナリスト賞、講談社科学出版賞をそれぞれ受賞した。

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