たったひとつの「真実」なんてない: メディアは何を伝えているのか? (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689269

感想・レビュー・書評

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  • メディアは視点を変えることで、視聴者好みの報道を演出する。メディアばかりではなく、それを受け取る私達がしっかりしたメディアリテラシーを身につけることが必要だと感じた。

  • 最近気に入ってときどき読んでいる
    森達也氏の本。
    簡単なすぐに読める本ですが、タイトルがいい。
    『たったひとつの「真実」なんてない』
    平易な文書ですが、奥が深い文書だと思います。
    まったくそのとおり。
    またメディアの見方、リテラシーについて著者の
    考え方が分かり易く書かれてあります。確かに
    メディアはどんどん力を持っているように思えますし
    (昔もそうだとおもうのですが)高尚ではなく低俗
    になっていると思えます。
    メディアは絶対に必要なもの。でも高尚なものや
    中立的なものではない。低俗だなあと思えるのは
    それは、マス側がそういうニーズをもっているから
    鏡であること。
    だからこそその扱い方、見方、リテラシーが問われる
    ということ。
    (引用)
    ”時おり僕は、人類は何で滅びるのだろうかと考える。
    ①宇宙人の来襲
    ②隕石の落下
    ③氷河期
    あなたはどう思う?正解はもちろんわからないけれども
    僕は時々、人類は進化しすぎたメディアによって滅びる
    のじゃないかと考えている”

  • 一応、メディアの端くれの端っこの方で落っこちそうになっている者として、実感としてもよく分かる本でした。
    「たったひとつの『真実』なんてない」
    その通りと思います。
    メディアは最も良い場合でも、真実の一断面しか伝えることしかできません。
    それを「ウソ」だと云われても困ります。
    捏造は論外ですが、メディアは不完全な存在です。
    でも、なくなっては困ります。
    「ならば上手に使おう」という著者の呼び掛けに同意します。
    もし上手に使えないとしたら、それは最悪の事態を招くことさえあります。
    なぜなら、「国の形はその国のメディアによって変わる」からです。
    第2次世界大戦後、ニュルンベルク裁判で裁かれたナチスの最高幹部ヘルマン・ゲーリングは、「なぜドイツはあれほどに無謀な戦争を始めたのか」と裁判官に問われ、こう答えました。
    「もちろん、一般の国民は戦争を望みません。ソ連でもイギリスでもアメリカでも、そしてドイツでもそれは同じです。でも指導者にとって、戦争を起こすことはそれほど難しくありません。国民にむかって、我々は今、攻撃されかけているのだと危機を煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやりかたは、どんな国でも有効です」
    まるでいまのどこかの国のようで、いささか戦慄を覚えますが、指導者のメッセージを国民に伝えるのはメディアです。
    メディアが戦争の潤滑油の役割を果たすのは、近現代の戦争の特徴です。
    国民がもっとリテラシーを身につけて、メディアを使いこなす。
    国民のレベルが低ければ、メディアもそれに合わせるし、逆に高くなれば、メディアもそれに合わせざるを得ないのです。
    メディアに関わる者も、自覚を持たなければなりません。
    著者は「つまり胸を張らないこと、負い目を持つこと」と述べています。
    過度に卑下する必要はないとは思いますが、必要な心構えではないでしょうか。
    メディアについて考えたい方はどうぞ。

  • 見なくちゃいけないのは、その後ろにあるもの。

    オウム真理教のドキュメンタリーを作った著者らしく、メディアの報道姿勢や、視聴者の受け取り方をかみ砕いて書いてある。確かに、望まれているものを放送しないと、スポンサーが離れてしまう。だから、極端に言えば、面白おかしく、大勢の好むように番組を作る、記事を書く。それがたとえ戦争に向かって行っても。さらにメディアが発達していき、大手と個人に発信力の差がなくなっていけば、もっとカオスになるだろう。その時、示されているものの後ろにある、切り取られた、隠された情報に思いを馳せることができるように。

    こういう本を読むと、メディアを批判的に見ることは大事だと思い、けれどもこういう本を読まない人がメディアを鵜呑みにしていき、また先導していくのではないかと思い。トランプ大統領の支持者と不支持者の学歴とか収入とかそういうのの分析にもあったけど、いやそれ以前にバックボーンが支持政党の差につながるのは当然のことではあるのだけれど。

  • 「いのちの食べ方」で結構衝撃を受けたので他の本も読んでみました。

    メディアは真実を伝えているのか?またメディがもつ影響力とは?

    読む進むほどに考えさせられる内容です。

    この本のタイトル通り「たったひとつの「真実」なんてない」ということをまざまざと突きつけられる本でした。

    ステレオタイプにならない為にもおすすめの良書です。

  • メディア・リテラシー(情報の読み書き能力、意訳として「読解」と「アウトプット能力」とも言えると思う)から、メディアがどう情報を編集し演出しているかなどを、平易で読みすい文体で、しかし、しっかりした質感の深さでもって読者に説明し、ではメディアとどう付き合うべきかを問いかけてきます。テレビ、新聞、SNS、などなどから発信される、巷にはびこる情報がどうつくられていて、どういう性質で、といったことにはあまり注意をむけない人は多いのではないか。著者は情報の四捨五入という喩えを用いて、切り上げられる情報と切り下げられる情報とがあるのだ、と説明します。また、客観的で中立的な情報などないということも、本書の中で説き明かしてくれる。さらに、メディアと、メディアの受け手である僕らとの共犯関係についても、戦前の日本が戦争に向かった例を出すなどして、腑に落ちる形で教えてくれます。ここがもっとも大事なポイントでした。真実はひとつ、とするから間違うのであり、物事の真相はいろいろ複合的な要因に拠っていることがほとんどです。そうしたことを踏まえて、メディアに接し、情報を扱う。メディアが進化し多様化する中で、それに振り回されず、欺かれず、真に受けず、そして間違って情報を咀嚼した結果、自らも過ちを犯してしまうことを防ぐ意味でも、本書に書いてある内容を、一度、自らに経験させておいたほうがいい、つまり読んで考えてみた方がいいと思うのでした。

  • 世界を信じるためのメソッドとほぼ同内容。こちらの方が図表が多くエピソードも多い。

  • 現代社会のメディアとの向き合い方を分かりやすく解いた本。
    現実とは常に多角的なもので、どの視点から誰が切り取るかによって大きく変わってしまう。また、マスメディアなどは視聴率やスポンサーの影響もあり、不用意な情報の切り方などをすることもある。我々は常にそれを認識する必要がある。
    活字メディアから映像メディア、そしてインターネットに移り変わるにあたって、よりメディアとの向き合い方が難しくなり、逆にプロパガンダが形成しやすくなった土壌ができているとも言える。

  • 大学時代のメディア社会の講義を久しぶりに受けた気分。これからの時代を生きてく上で、読んでおくべき一冊。

  • 「真実は多面体であり、たったひとつの切り口で見知ったことが全てのように捉えるべきでない。」と、本のタイトルを見ただけで、中身を読んだも同然の本でした。

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著者プロフィール

1956年、広島県生まれ。ディレクターとして、テレビ・ドキュメンタリー作品を多く製作。98年オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリー映画「A」を公開し、2001年には映画「A2」を公開。11年『A3』(上下巻、集英社文庫)で講談社ノンフィクション賞を受賞。現在は映像・活字双方から独自世界を構築している。16年、ドキュメンタリー映画「FAKE」で話題を博す。著書に『死刑』(角川文庫)、『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』(ダイヤモンド社)、『ニュースの深き欲望』(朝日新書)など多数。

「2018年 『虐殺のスイッチ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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