たったひとつの「真実」なんてない: メディアは何を伝えているのか? (ちくまプリマー新書 221)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689269

感想・レビュー・書評

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  • 教材研究用

  • メディアは作り手の主観から逃れらない。だから受け手のメディアリテラシーが重要となる。
    森達也は高校の時に初めて読んだけど、定期的に読みたくなる。

  • メディアは視点を変えることで、視聴者好みの報道を演出する。メディアばかりではなく、それを受け取る私達がしっかりしたメディアリテラシーを身につけることが必要だと感じた。

  • 最近気に入ってときどき読んでいる
    森達也氏の本。
    簡単なすぐに読める本ですが、タイトルがいい。
    『たったひとつの「真実」なんてない』
    平易な文書ですが、奥が深い文書だと思います。
    まったくそのとおり。
    またメディアの見方、リテラシーについて著者の
    考え方が分かり易く書かれてあります。確かに
    メディアはどんどん力を持っているように思えますし
    (昔もそうだとおもうのですが)高尚ではなく低俗
    になっていると思えます。
    メディアは絶対に必要なもの。でも高尚なものや
    中立的なものではない。低俗だなあと思えるのは
    それは、マス側がそういうニーズをもっているから
    鏡であること。
    だからこそその扱い方、見方、リテラシーが問われる
    ということ。
    (引用)
    ”時おり僕は、人類は何で滅びるのだろうかと考える。
    ①宇宙人の来襲
    ②隕石の落下
    ③氷河期
    あなたはどう思う?正解はもちろんわからないけれども
    僕は時々、人類は進化しすぎたメディアによって滅びる
    のじゃないかと考えている”

  • 一応、メディアの端くれの端っこの方で落っこちそうになっている者として、実感としてもよく分かる本でした。
    「たったひとつの『真実』なんてない」
    その通りと思います。
    メディアは最も良い場合でも、真実の一断面しか伝えることしかできません。
    それを「ウソ」だと云われても困ります。
    捏造は論外ですが、メディアは不完全な存在です。
    でも、なくなっては困ります。
    「ならば上手に使おう」という著者の呼び掛けに同意します。
    もし上手に使えないとしたら、それは最悪の事態を招くことさえあります。
    なぜなら、「国の形はその国のメディアによって変わる」からです。
    第2次世界大戦後、ニュルンベルク裁判で裁かれたナチスの最高幹部ヘルマン・ゲーリングは、「なぜドイツはあれほどに無謀な戦争を始めたのか」と裁判官に問われ、こう答えました。
    「もちろん、一般の国民は戦争を望みません。ソ連でもイギリスでもアメリカでも、そしてドイツでもそれは同じです。でも指導者にとって、戦争を起こすことはそれほど難しくありません。国民にむかって、我々は今、攻撃されかけているのだと危機を煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやりかたは、どんな国でも有効です」
    まるでいまのどこかの国のようで、いささか戦慄を覚えますが、指導者のメッセージを国民に伝えるのはメディアです。
    メディアが戦争の潤滑油の役割を果たすのは、近現代の戦争の特徴です。
    国民がもっとリテラシーを身につけて、メディアを使いこなす。
    国民のレベルが低ければ、メディアもそれに合わせるし、逆に高くなれば、メディアもそれに合わせざるを得ないのです。
    メディアに関わる者も、自覚を持たなければなりません。
    著者は「つまり胸を張らないこと、負い目を持つこと」と述べています。
    過度に卑下する必要はないとは思いますが、必要な心構えではないでしょうか。
    メディアについて考えたい方はどうぞ。

  • 良い本は何度読み返しても良い。2023年6月

  • メディアはすべて、事実と嘘の境界線上にある。それをまず知ろう。ニュースや新聞は間違えないという思い込みは捨てよう。でも嘘ばかりというのは間違い。私たちに不可欠となっているメディアを正しく使う方法とは?

    目次
    第1章 自分の眼で見ることの大切さ
    ・北朝鮮はどんな国?
    ・メディアから受ける情報だけでは偏る ほか
    第2章 メディアは必要か?
    ・戦争がどのように始まるかを語り継ぐこと
    ・戦争が起きるときメディアはストッパーにならない ほか
    第3章 メディア・リテラシーとは?
    ・国家がメディアをコントロールするとどうなるか
    ・メディアは怖い。使い方を誤ると… ほか
    第4章 映像メディアを理解しよう
    ・テレビの副作用
    ニュースの順番を考えているのは誰? ほか
    第5章 事実と嘘の境界線上にある、それがメディアだ
    ・今見ているものは現実の一部でしかない
    ・メディアは最初から嘘なのだ ほか

    著者等紹介
    森達也[モリタツヤ]
    1956年広島県生まれ。映画監督、作家。明治大学情報コミュニケーション学部特任教授。テレビ・ディレクター時代の98年、オウム真理教の現役信者を被写体とした自主制作ドキュメンタリー映画「A」を公開。ベルリン映画祭などに正式招待される。2001年に続編「A2」が山形国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞・市民賞を受賞。11年著書『A3』で第33回講談社ノンフィクション賞を受賞

  • 小論文対策推薦図書 人文系

  • マスコミュニケーション学科なら読まなくては!
    とても読みやすかった。

  • 読み直したい

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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