〈自分らしさ〉って何だろう?: 自分と向き合う心理学 (ちくまプリマー新書 236)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689405

感想・レビュー・書評

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  • 思春期特有の「自分らしさとは?」の疑問への向き合い方を教えてくれる本。
    その時期に自分を客観視することで自信がなくなってしまったり、逆に「こんなもんじゃない」と出来ない自分を認められなかったりというのは、成長過程で自然なことなんだと改めてわかった。
    大人になってからもこういう考えの中二病みたいな人がいるけど、然るべき時にしっかり悩んでおくって大事だなと思う。

  • <〇〇らしさ>って、人だけじゃなく、組織でも、国でも使うけど、一体何って感じ。ユニーク性だったり、オリジナリティなんだろうけど、こんだけ情報が溢れている時代にあって“真の〇〇らしさ”ってあるのか・・・
    とはいえ、本の内容は非常に面白いです。
    自分を見ている自分と、自分から見られている自分がいて、自分を見ている自分が意識高い系だと、見られている自分が不甲斐なく劣等感に苛まれる・・・とか、そもそも持って生まれた”〇〇らしさ“というものはなくて、オギャーと生まれた時から、周りの人との関わりや環境によって、少しずつ自己が形成されて行くとか。
    結局は、いろんなコミュニティに関わって、いろんな人と話して自己理解、自己認識、自己受容していくしかないんだなあと思いました。

  • 中高生向けですが、その親としても読むと得られることが多い。

    高校生になったら、ないものを補い、全て「バランス良く」じゃなくて、あるものを伸ばして「とがる」という発想が必要

    というところに強く共感。

    社会のルールを守りつつ、個性、自分らしさを見つけて欲しい。

  • 『<自分らしさ>て何だろう?』(著:榎本博明)


    付箋部分を抜粋します


    ・自分っていうのは、最も身近な存在であるはずなのに、その姿を捕まえようとすると、手の中をスルリとすり抜けていく(p8)

    ・僕たちは社会的比較によって自分の特徴を知ることができるのだ。人と比べてもしようがない、人との比較なんかにこだわる
     必要はない、自分らしくあればいい、などと言われることがある。でも、自分が劣ることがあっても落ち込まないようにすることが
     大事なのであって、人と比べること自体が悪いわけではない(p30)

    ・僕は、自己分析テストや職業適性テストを作ってきた側の人間だからよくわかるのだが、その類のテストをいくら受けても
     自己分析が深まることはない。それは、ダイエットしようとして何度も体重計に乗るようなものだ。大事なのは、測定する
     ことではなく行動することだ。行動することで測定値は変わってくる(p41)

    ・何でもそうだが、やってみて初めてわかることがある。逆に言えば、いろいろやってみないことには、自分というのはわからない
     ことだらけなのだ(p42)

    ・鏡としての他者をもつこと
     社会学者クーリーは、自己というのは社会的なかかわりによって支えられており、それは他者の目に映ったものだから
     「鏡映自己」と呼ぶことができるという。・・・中略・・・他者の反応によって、自分の人柄や能力がどのように評価
     されているかがわかり、自分の態度や発言が適切だったかどうかを知ることができる(p47)

    ・周囲からどんな視線を投げかけられているか。それによって僕たちの行動は大いに縛られていることがわかる(p57)

    ・自分の中に息づいているだれかのために頑張るのだ。もちろん自分のためでもあるのだが、自分だけのためではない(p69)

    ・日本文化のもとで自己形成をした僕たちの自分というのは、個としてあるのではなく、人とのつながりの中にある。
     かかわる相手との間にある(p75)

    ・状況に応じて新たな価値観や仕事に柔軟に自分を適応させていく。しかも、いい加減とか中途半端というのではなく、それぞれの
     時点では自分が傾倒する役割に没頭し、全力で立ち向かう。ただし、そこに自己のアイデンティティを限定せずに、別の可能性にも
     自己を開いておく。気になることには目を向ける気持ちの余裕をもつ(p104)

    ・今の時代に求められるのは、個人をひとつの道に封じ込めるような固いアイデンティティではなく、さまざまな可能性に開かれており、
     試行錯誤や方向転換を続けても壊れないような、いわば柔らかいアイデンティティをもつことなのではないだろうか(p108)

    ・人生の転機ということがよく言われるが、それは自己物語が破綻し、機能不全に陥ることを指している(p137)

    ・青年期や中年期が危機となりやすいのも、それまでの生き方を再点検し、ときに大きくな方向転換をしていく必要に迫られる、
     つまり自己物語の大幅な改訂が求められるからだ。そのような意味で、人生の危機とは、現実の出来事そのものの危機というよりも
     そうした出来事を意味づける自己物語の危機ということができる(p140)

    ・人が悩むとときだれかに話したくなる、つまり聞き手を必要とするのも、自分の抱える経験を再評価したいから、それによって
     行き詰っている自己物語の書き換えをしたいからといえる(p150)

    ・クーリーが自己というのは人の目に映ったものという意味で鏡映自己だと言ったように、自分らしさに気づくためには鏡となるような
     他者が必要なのだ(p154)

    ・新たな自分を見てみたいと思うなら、習慣化したかかわりの世界から思い切って飛び出してみることだ(p163)

  • 141.93||E63

  • 「思春期になると誰しも“自分らしさ”の問題に頭を悩ませる。答えを見出しにくい現代において、どうすれば自分らしく生きていけるのか。心理学者が自分自身と向き合うためのヒントを説く。」

    目次
    第1章 なぜか自分が気になる(自分を見つめる自分がいる;第二の誕生 ほか)
    第2章 なぜ、こんなに人の目が気になるんだろう?(人の目がどうも気になる;鏡としての他者をもつこと ほか)
    第3章 自分がわからない(自分が何をしたいのか、よくわからない;自分を見失いがちな青年期 ほか)
    第4章 自分らしさはどうしたら手にはいるのか(自分はどんな生き方をしているか;自己にまつわるエピソードに着目する ほか)

    著者等紹介
    榎本博明[エノモトヒロアキ]
    1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師

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  • 141-E
    閲覧新書

  • とてもわかりやすくかったです。プロテウス的人間のところが印象に残り、こんな生き方もあるんだなぁと勉強になりました。

  • 鏡映自己、社会的自己。

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著者プロフィール

榎本 博明(えのもと・ひろあき):1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。心理学博士。川村短期大学講師、 カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在MP人間科学研究所代表。産業能率大学兼任講師。著書に『〈自分らしさ〉って何だろう?』『「対人不安」って何だろう?』『「さみしさ」の力』(ちくまプリマ―新書)など。

「2023年 『勉強ができる子は何が違うのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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