- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480689528
感想・レビュー・書評
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寄稿文を一冊にまとめたものなので、章ごとに独立した感じなので、通読すると少し疲れるかも。旅行の時に線路が通っている近くの地名を見るのが好きという程度のライト層の自分には少々マニアックすぎる部分もあったが面白く読めた。
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地名の奥深さが分かる本。
地名を紐解いていくと、それぞれの土地の歴史や風土、当時の時勢や事情が見えてくる。
自分の住んでいる町がどんなところだったのか、調べてみたい。 -
○目次
第1章:山と川 -地形にちなむ地名
第2章:命名それぞれの事情
第3章:ことばと地名
第4章:歴史を映す地名の移ろい
第5章:生活の地名 -地名のある暮らし
第6章:地名は階層になっている
あとがき
本書は日本土地家屋調査士連合会の機関紙『土地家屋調査士』に連載されたコラムを加筆・修正の上、まとめたものである。
特に土地家屋調査士向けのコラムということで、古い歴史地名(小字など)や郡名の変遷など、仕事柄勉強になる話が多かったように思う。
専門的な話以外にも、一般の方が興味を惹かれそうな地名に関する小話も沢山ある。
小字についての行政的対応や、昭和・平成の大合併、昭和37年の住居表示法などの説明箇所は門外漢にとって凄く端的にまとめられており理解もしやすいので、是非手元において置きたい一冊である。 -
今尾さんの地名本は、本当に人柄のよさが溢れんばかりだ。すでに何冊も地名本を出しているので、 おそらく今回新書にしたのは、気軽に知って欲しい、でも基本は押さえて欲しい、という双方の折り合いを懸命に探し当てた、今尾さんの誠意なのだろうと私は想像した。
まず、地名本ではあまり見かけない、地形形成から始まるのがいい。たいていは、県別や地域別にばっさり切られ、ひどいものだと印象の良くない漢字別にいたずらに列挙されているだけで、由来すら浅いままに放置されているものまである。
私が地名に興味を持ち始めた時も、地形形成から水源や土地利用、漢字伝来、神仏信仰、時代や文化などの人の生業、そしてその地名に根ざす人びとの欲や願い…といった地形から人びとの文化の順で追っていったからかもしれない。そんな私の雑記帳と全く同じ順で記されている本書に驚くとともに、ニンマリとしてまった。
だがこの並びでの問題は、流行や好字化、合併といった、人びとが起こす時代の流れによって地名が言いかえられた場合、旧地名と新地名をひもづけしにくくなる危険性をはらむことだ。本来は同じような状態をもとにする地名なのに、時に全く違う扱いを受けてしまうことがあるのだ。
50音順で拾うと大分ひもづけされるが、それでも各地域での読みかたや方言で、50音内での離れた記載に踏みとどまるならまだしも、取捨選択されて抜け落ちることも多く、完全網羅はさらに難しくなる。
その歯がゆさとのすり合わせは、今尾さんに限らず、今後出版されるだろう地名本の課題ではないだろうか。
この本の個人的な楽しみ方は、かたわらにグーグルマップの航空写真を開きつつ、双方を行き来することだ。上空から眺めることで、地名の由来がぐっと身近にわかりやすく感じられるのだ。
例えば「鼻」といった、半島の先にあるような地名は、上空からみると本当に鼻のような出で立ちなのだ。地名を名付けた昔の人びとの感性には、本当に感心するばかりだ。 -
著者は、テレビ朝日で放送されている「タモリ倶楽部」にも出演したことのある人だ。そんな著者が地名に関して書いたのが今回の本。
ブラタモリですっかりおなじみになった「段差」と言う言葉。何しろ「ダンサー」と名乗る方がいるくらいだからなあ。その「段差」に関して、色々地名がついていることが分かる。
地名の安全性に関して、著者は、何とか丘、何とか台とついているからと言って一概に安全なあb書とは限らないと指摘している。一時期、週刊誌で「住んでも安全な地名」なんて言うような特集を組んでいるのをちらっと見たことがある。ここ数十年のうちに「台」や「丘」と名の付く場所に化けた可能性が考えられるからだ。回転寿司で人気のある魚が実は別の種類の魚だったというのを聞いて驚いたことがあるが、そんなかわいいレベルでは済まない。
この本に目をざっと通してブラタモリを見るとまた違った楽しみが出てくるかもしれないと思ったそんな1冊だ。 -
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