みんなの道徳解体新書 (ちくまプリマー新書)

制作 : Paolo Mazzarino 
  • 筑摩書房
3.71
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本棚登録 : 210
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689696

感想・レビュー・書評

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  • 『道徳』不信者には溜飲が下がる本。
    面白過ぎたので、ご飯を食べながら読んでました。

    『道徳』というより『道徳教育』に対するきな臭さと嘘臭さを、ドライすぎるように見える論理で看破していく様が気持ちよかった~。
    自分の考えと違うところももちろんあるのだけれど、言ってることは概ね賛成です。

    以下、気になった所二ヶ所を要約して書き出し。

    「現代人は道徳的ではなく、昔の人は道徳的だった、という説は眉唾もの。データによると犯罪率は昔の方が高く、残虐な事件も多かった。むしろ現代の方が道徳的。」

    「道徳は善悪の正解が決まっている教科。「なぜ?」を許さない。学問の基本は「なぜ?」からはじまるのに。」

    道徳の定番‘美しき自己犠牲’のおはなし、『泣いた赤鬼』についても容赦なきダメだし。あそこで終わるのはほんとうの道徳ではないと...感動して泣いていた自分が恥ずかしくなるくらい的確な指摘だった。

    最後に究極の『道徳』、「なぜ、人を殺してはいけないのか」の質問に答えられない大人たちが多いのはどうしてか。
    そして著者が考える『答え』とは。
    ...うーん、今まで話に聞いてきた中では一番納得できるかな。
    現実的だと思う。

    このちくまプリマー新書は中高生向け。
    この本こそ来年からの『道徳』の授業の副読本にしてほしい(^-^)

  • はあ、面白かった。
    道徳の教科書のエピソードに突っ込みを入れる第三章では吹き出した。
    道徳を教科にするというのは本当にとんでもない話で、教師もそれを望んでいるとは思えない。日本政府(自民党)は何を考えているのか、考えたらぞっとする。
    道徳の教科書には、まあちゃんとした物語もあるのだろうけど、基本的には道徳的な読み取りができるように書かれたもので、文章としてはB級もいいとこ。
    こんなのを読んで、感想を言い合ったり作文を書かせたりするくらいなら、授業を「読書」として、文学の一級品に触れさせた方が、読解力も上がるし、人間としても磨かれると思うが。
    日本文化に対する誇りを~とか言ってるんだから、それこそ日本文学の名品でも読ませたらいいんじゃないの。小学一年生にだって、詩を読ませればいいじゃないの。本当に「道徳」って無駄だと思わざるを得ない。

  • 笑った。予想外は教材にいい話があったこと。第四章おすすめの名作。特に「ともに生きたい」(学校図書4年)。多様性の尊重に行きつくのがいい
    memo木村草太http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47434

  • 道徳教育のいかがわしさを、ばっさり切っている本です。特に最終章の、大人は「なぜ人を殺してはいけないのか」に答えられないのか、に対する指摘も鋭く納得できるものでした。

  • ツッコミが的確で、テンポも良いので、するする読める。
    「教員」という立場からしか道徳を考えたことがなかったけれど、普通の(?)大人が考えると、確かに変な事も多いよなあ。大学の時は感じていたはずなのだけれど。忘れていたことを思い出させてくれた。
    正直、この分量で語り尽くせていない部分や、ぶん投げた感じもあるのだけれど、「多様性」を大切にすることは忘れないようにしたい。
    そうすると、「この授業で何を学んだのか」なんて言われてしまうのだけれど。

  • 吹き出しちゃうところが結構あるので公共の場で読まない方が良い。
    全てに賛同する訳ではないけど,道徳は教科として教えるものじゃないんじゃないかと改めて思う。

  • 学校の勉強として道徳って必要なの?というか、可能なの?現代の日本人は道徳心が低下しているの?などの「なぜ?」について書かれている。印象に残ったのは、現代の道徳心が低下している、というより、昔の人は自分についても他人に対しても鈍感だったという点。あと、教科書に収録されてる作品が面白かった。

  • 中2長女が先にあっというまに読み終えて曰く「やっぱり道徳の授業は寝ていてもいいということが改めて確認できた」

    傑作選として道徳の副読本に出てくる教材を紹介して分析しているのがおもしろい。30年前からかわらず載っているエピソードがあってなつかしいし、ちょっと攻めの姿勢で作られたとある教科書会社の本からのエピソードにおどろかされもし、内容や扱い方の変遷ぶりを知ることは興味深い。

    勉強=自分のなかの経験と常識をぶち壊す行為、ゆえにそんな苦痛をのぞまぬ大人は勉強しなくなり、経験と常識がサビついた「偏見」にとらわれて乱暴な議論や間違った判断をしがちになる。統計データから学び科学的に考える習慣づけをしようという主張の説得力はやはり筆者の面目躍如。

    むすびは「人はなぜ人を殺してはいけないのか」というテーマにこたえる形で筆者の考えるほんとうに教えるべき現実的な「道徳」にたどりつく。共感するところの多い話だった。

  • ツッコミが秀逸で爽快感。口語体で読みやすい。偽善のトリセツと並行して読んだので思考が進んだ。子供の頃から道徳の授業には疑問を持っていたので、それも含めて楽しみながら読めた。

  • 社会

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著者プロフィール

Paolo Mazzarino(パオロ・マッツァリーノ)

イタリア生まれの戯作者。公式プロフィールにはイタリアン大学日本文化研究科卒とあるが、大学自体の存在が未確認。父は九州男児で国際スパイ(もしくは某ハンバーガーチェーンの店舗清掃員)、母はナポリの花売り娘、弟はフィレンツェ在住の家具職人のはずだが、本人はイタリア語で話しかけられるとなぜか聞こえないふりをするらしい。ジャズと立ち食いそばが好き。著書に『反社会学講講座(正・続)』『偽善のすすめ』『誰も調べなかった日本文化史』『「昔はよかった」病』『日本人のための怒りかた講座』『ザ・世のなか力』『コドモダマシ』『みんなの道徳解体新書』など。

「2017年 『会社苦いかしょっぱいか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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